北海道、利尻島で原付バイクにまたがりウニと星を捕まえた!
大好物のウニを求めて利尻島へ。原チャで満天の星空と風を感じた秋の旅旅をこよなく愛するヒャダインさん。グルメにもこだわりがあり、特にウニが大好きなんだとか。ウニ目当てで訪れたのは北海道、利尻島。今回は、原チャ(原付バイク)に乗って利尻島をツーリング。ウニざんまいと極上の星空を満喫しました。
ウニの産地、利尻島へウニざんまいの旅へ
みなさん、寿司ネタでなにが好きですか? 私は圧勝でウニです。学生時代までウニが嫌いだったのですが夏休みに行った北海道で食べた塩水ウニで脳みそがぶっ飛び、ミョウバンによる苦みがない新鮮なウニがこんなにおいしいのかとパラダイムシフトを起こしたものです。さて。そんなウニの名産地といえば北海道利尻島。おいしい昆布の海で育ったウニは絶品だ、と聞いて連休を利用していざ利尻へ。しかもラッキーなことに月齢カレンダーによると新月! 星も期待できますね。
2021年9月、友人を2人誘って飛行機で利尻島へと。その2人がバイカーだということもあり、原付バイクを借りて島巡りウニ巡りへGO! 天候にも恵まれてずっと右手に利尻富士が見えている。
ジブリみがあるねえ
本州ではまだ暑い盛りの9月初旬、利尻は長袖一枚羽織るのがちょうどよく、原チャで感じる風が本当に心地よい。レンタカーでは味わえない臨場感があります。交通量も少ないので原チャに慣れていない私でも快適に運転できます。3人縦に並んでノロノロと回るのですが全員適当旅大好き、なのでなにか止まりたいところに来たらクラクション「ぷっぷー」で全員停車。早速発見、RPGライクな神社の鳥居。
芝生の上にあるのがワイルドでした
割りたて新鮮なウニのおいしさに思わず絶叫!
しかし我々には目的がある。それはウニ。どこかでウニが食べられないかしら、なんて思いながら運転していると、ちょっと個性的なお土産屋さんを発見。ご家族で経営されているお店なんですが、いけすがあったり水族館があったり。なんかいい予感しますね。店内を物色していたら少し小さめな文字で「割りたてのウニ食べられます」と。なんだとー!!! それはもちろんいただきます。う。う。うまい!!! そしてコスパ最高! ここは天国でしょうか。思わずみんなで叫んでしまいました。うにー!
無添加のウニ。最高
利尻島のウニは昆布の海にいるせいか、味も昆布の風味がするんです。すなわち旨みが豊富。そして水質の良さもあるのか味がクリアで濃厚。私たちの行った季節はバフンウニが漁終了でムラサキウニだけだったのですがうまいうまい。口の中に残る爽やかな磯臭さとともにバイクにまたがります。そこで、どんな環境でウニが生きているのか確認すべく海辺に下りてみました。するとまるで昆布を煮たかのような香り。海一面に昆布が群生しているのです。ところでテツandトモさんのネタで「昆布が海の中でダシが出ないのなんでだろう」的なやつがありましたが、確認してみました。ぺろり。こ、これは‼ 「この海水、旨みが出ている……!」。友人2人にも促し確認してもらったところ、同様の意見。海原雄山に伝えたい。利尻の海はダシの味。いやー、信じてほしい。
すごくないですか、この量
利尻名物!? 行者にんにく味ミルピスで乾杯
この島はワクワクが詰まっているなあ。まだまだ探検は続くわけです。ぶいーんと飛ばしていると、かなりクラシックな看板を発見。手作り乳酸飲料ミルピス、だと? 入ってみようじゃないか。ちょっと寂れた家屋の扉を開けると、なんと無人!! 冷蔵庫の中にミルピスと呼ばれる乳酸飲料と野いちごなどの野草を使ったジュースが陳列されていて、めちゃくちゃ性善説的に料金箱が置かれている。日本の治安に乾杯だわ。さて、ミルピスを飲もうか、と思ったら気になる文字を発見。「行者にんにく味」。え! 飲料に行者にんにく味!? そりゃ飲むしかないでしょう。お金を箱に入れてゴクリ。うん。カルピスに似た乳酸飲料の味とニンニクの気が強い味がまったく溶け合わない逆マリアージュ現象です。これは人を選ぶ味です。ちなみに私は好きでした。
入るのに勇気がいりますが
ウニ釜飯と満天の星空の下で天体観測
そんなこんなで宿に到着。頬が落ちそうなほどおいしいウニの釜飯をいただきいざ星空観察へと。小高い丘へと歩いていったのですが快晴だったこともあり道中で既に星が出迎えてくれます。1時間ほどかけて丘のてっぺんまで辿り着くとそれはそれは満天の星空です。流れ星もびゅんびゅん。願いなんて叶えたい放題レベルの星空の下、寝転がるとまるで宇宙と自分が一つになったような感覚です。日々のあれこれや細かい悩みなんて宇宙から見たら星屑にもならないよな、と大脳に直接叩き込んでくれるような絶景。しかし、寒い。9月初旬だというのに気温が一桁。しかし我々はキャンプ仲間でもあるので防寒対策もしっかりしていて、真冬の格好で1時間ほど星空観賞を続け、贅沢な時間を消費し続けました。
天の川がしっかり見えました
とまあ大満足の利尻旅、適当に企画したのにあまりにパーフェクト。まるで演出家が裏に隠れていて我々の旅を快適に彩ってくれたような出来で、映画『トゥルーマン・ショー』のように実は誰かに監視されているのではないか、と疑うレベルでした(実は2年後の2023年にも利尻来訪したのですが、終日曇りと小雨で前回ほどの感動はありませんでした。天気って大事)。次回は、島は島でも佐渡島。本当に適当に動いたら雪もトキも日本酒も最高だったお話です。
本当に笑っている私。大好きな写真です。遺影にしたい
ヒャダイン
音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名 前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。さまざまなアーティストに楽曲提供を行い、自身もタレントとして活動。「musicるTV」「久保みねヒャダこじらせナイト」「サウナを愛でたい」「おはよう朝日です」などテレビのレギュラー多数。