文=ヒャダイン / イラスト=大山功一

チェコ・プラハの春は強烈タルタルと極上ビールとともに。旅グルメは己の嗅覚を信じるべし!

初訪問のプラハをぶらり旅。穴場レストランで牛タルタルとビールにハマり大満足
ヒャダイン

今回の適当旅は2023年に訪れた東ヨーロッパのチェコ・プラハを旅したお話です。桜が咲く春のプラハの町をトラムに乗ってそぞろ歩き、チェコビールを飲み比べ。素敵な街並みとグルメの写真とともにお届けします。
音楽クリエイターのヒャダインさんが、気の向くままに国内外を旅した思い出を綴る「適当旅」エッセーです。

目次

ビールと春の欧州に魅(ひ)かれてチェコ・プラハへ

「どこか遠くへ行きたい」。そんなムードのときってありますよね。まあ毎日なんですけど。 2023年の春、スケジュールを見たら長めの休みが取れそうなタイミングがありまして、海外旅行を決断。どこにしようか考えあぐねていたら共演者の久保ミツロウさんからチェコのプラハがいい、と。確かにビールも好きだし春の欧州って行ったことないな、と思い即決。友達を誘って5泊の旅へ。さあプラハの春を堪能しようじゃないか。
フランクフルト空港トランジットで合計19時間。まあまあ遠い、疲れる。そんなこんなでようやく辿り着いたプラハの街はまあ美しい。ベタな表現ですが、どこ写真撮っても絵葉書になります。

プラハの街並み

360度が夢の国のよう。

現地ガイドさんからプラハのイロハを伝授され

初日は現地日本人ガイドさんを雇って半日プラハツアーをお願いしました。適当旅とは真逆。とりあえず現地の人に見所やおすすめスポット、さらにはマナーなどを聞いておくのは後々の適当旅にプラスになりますからね。プラハ城やおいしいレストランに連れていってもらい早速ビール。チェコって実はビールの消費量がドイツよりも多くて世界一なんですね。ビール大国チェコの泡は特別な技術が必要らしく、クリーミーかつ濃厚。黒と白のミックスピルスナーはうますぎて涙出そうになりました。

チェコビールを飲むヒャダインさん

この後2杯飲みました。

チョコビールで乾杯! トラムの車窓から景色を愛でる

さて2日目。適当旅のスタートです。朝早く起きたもんだから早速友人とは別行動。適当に歩いているとうちのマネージャーさん(チョコ好き)が噂に聞いていたチョコレート屋さんが。入ってみると色とりどりのチョコ! 自分用とお土産に大量に買ったらカウンターに「チョコビールあります」とな。チェコでチョコビール? 飲むしかないでしょ。朝とか知らんわ。

チョコレートのビールを飲むヒャダインさん

チョコの試食し放題でした。

いい気分でホテルに帰って友人と適当旅へと。チェコの公共交通機関は電車とトラム。トラムは路面電車です。近代的なデザインのものからクラシックなものまで街中を走っています。乗り放題券を買っていざ適当旅! 地下鉄とは違い風景をゆっくり楽しむことができるので乗っているだけで観光バス化するトラム、最高! しばらく車窓の眺めを楽しみます。

プラハの街を走るトラム

かわいいトラム。街の風景にピッタリ。

そしてなんだかマルシェをやっている町があったので降りることに。どの国でもマルシェって好きなんですよねえ。基本野菜とか肉とか魚なので観光客が買えるものはなかったりするのですが、ちょっと地元住民の気持ちになったりしてワクワクします。

プラハの街中で開いていたマルシェ

野菜が日本のとちょっと違って楽しい。

ランチは手堅く検索頼りで店を探してみるも…

いろいろ見て回って、少し公園で休憩していたらランチタイムに。どこか店に入ろう、となったのですが観光地ど真ん中って感じの場所ではなかったので、入りやすいレストランがない。とりあえずGoogleマップを見て評価がちゃんとしているところに入ろうと検索検索。こういうところは適当じゃないんだな。そして地元の人の評価が高いレストランに突撃! ……。ん? 入り口で妙齢の男女が二人睨むように見てくる。てかここ営業してるの? 英語で「やってますか? 」と聞くも、イエスともノーとも言えない反応(ここでチェコ語で聞かなかった私の責任ではあります)。そして照明がついていないテーブルにとりあえず行き椅子に座る。しかしメニューもなければ、頼もうにも目が合わない。てかいない。ポキ。心が折れた音がしたよ。他にお客さんもいないし店員もいないし店を変えよう。そろりと退店。空腹も相まってなんだか悲しくなりとぼとぼとあてどなく歩く我々。どんどん住宅街になっていく。これ以上なければ中心地に戻ろう、と決めた瞬間、花盛りの桜の下にテラス。よし! ここにしよう、と突撃。

桜が満開のプラハ

プラハは桜の木が多かったです。

脳天雷撃! タルタル×ビールうましの沼にハマる

店内に入ると大変広いパブ。夜中地元の人がビールで大盛り上がりしているんだろうな、という印象。お客はここも我々しかいなかったけど担当の女性がにこやかに接客してくれる。「私、英語苦手なんだけど大丈夫? 」と流暢な英語で。「多分我々より上手いから大丈夫! 」と楽しく会話を済ませた後メニューをもらうも全編チェコ語! 英語メニューはない、とのこと。こういう時のためにGoogle先生! アプリ「Google翻訳」は本当に便利でカメラをかざすだけで日本語に変換してくれる。もうドラえもんの秘密道具だね。そこで「牛肉のタルタル」という久保ミツロウさんにおすすめされていたメニューを発見。もちろん注文。ビールを飲みながらワクワクして待っていると牛生肉の上に卵黄、そして調味料と玉ねぎとパンがのったプレート到着。パンの上にのせて食べるんだ、とパンを掴んだら、ギトー…… 。めっちゃ油で揚げてる。揚げパンの比じゃないくらいにギトギト。ええ⁉ と思い一口齧(かじ)ると油っぽい……。うーん。こりゃやっちまったか、と思いながらもパンにタルタルと玉ねぎ、ケチャップ、マスタードをのせてパクリと食べると、ちゅどーーん。脳天雷撃‼ うまーーい!!! さっきまで油っぽかったパンがコクに変わっている。ケチャップとマスタードがハンバーガー感も出してジャンキー!! 次は生ニンニクをのせてパクリ。これまたちゅどーーん。最高で最強!! 友人と二人で身悶(みもだ)えしながらビールタルタルビールタルタルの往復運動! 店員のお姉さんにも「めっちゃうまい!」と伝えながら3杯ほど飲んでしまった。

レストランで食べたタルタルとパン

手ブレご容赦。

いやはや、適当に降りた駅の適当に入った店でこんな大当たりを引くとは。せこせことGoogleの評価が高い店を選んでいた自分が情けなく感じます。やはり信じるべきは自らのセンサー。そして大当たりを引かせてくれたプラハの神様に感謝。その後、生ニンニクが胃もたれしてずっと口渇感と満腹感に苛(さいな)まれることになるのですが、まあそれも旅の醍醐味よ。改めて「適当」の素晴らしさ、そしてそれがバチっとハマったときの喜びはえげつない、ということを思い知ったチェコ旅でした。次回は朝思い立って弾丸で登った福島県の浄土平(じょうどだいら)の適当旅のお話です。お楽しみに!

ヒャダイン

音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名 前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。さまざまなアーティストに楽曲提供を行い、自身もタレントとして活動。「musicるTV」「久保みねヒャダこじらせナイト」「サウナを愛でたい」「おはよう朝日です」などテレビのレギュラー多数。

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