文=ヒャダイン / イラスト=大山功一

原チャで宮古島巡り。サウナから逃れられないサウナーの運命

島めぐりは原チャがベスト! 風に吹かれてリフレッシュ
ヒャダイン

今回の適当旅の舞台は宮古島。毎年2月に沖縄へ逃げたくなるんですね、だって東京が寒すぎるから。今回も友達を誘って発作のように行った一泊二日の宮古島旅行でした。こういうのに付き合ってくれる友達がいるのはありがたいですね。

原チャ島巡り宮古島編 追いかけてくるサウナ

あらかじめ用意したのは現地での原付バイク(原チャ)2台とホテル予約のみ。あとは出たとこ勝負よ、これぞ適当旅ってもんだ。午前の直行便で着いた宮古島は曇天。まあいいのよ、雨さえ降らなければ原チャで回れる。島は原チャで回るのが楽しいんですよ。風を感じるし、小回りがきくから寄り道も気軽だし。普通免許バンザイ。早速原チャを借りて、店の人のおすすめの宮古そば店へ。ソーキがボリューム満点でうまい!! 曇天で少し不機嫌でしたがふっとぶうまさです。

ソーキそば

そして宮古島の観光スポット、伊良部(いらぶ)大橋へと。青い海に架かる日本一長い橋(通行料無料の橋としては)。前回来たときは晴天で、その上り坂は空に吸い込まれるような感覚でした。しかし今回は曇天。しかも途中で工事をしていたので旅情がムムム。まあ、そういうこともあるだろう、とただの橋として通過。伊良部島上陸です。早速「伊良部大橋 海の駅」に入ると伊良部島名物「ピンク玄米」なるものが。うーむ。見るからに色がどぎつくてつらい!! しかも宮古そばでお腹いっぱいなんだよな。でもなあ。仕方ないよなあ。で、購入です。

ピンク玄米とヒャダイン

味はそうですね。ええ。飲む「すあま」です。餅。まずくはないんですよ。でも、いつ「あー、ピンク玄米飲みてえ! 」ってなるのかな。伊良部島に何があったんだよ。タプタプのお腹を抱えながら原チャに戻り、適当な道へとプラプラ。舗装されていない道をバギーのようにガタガタとゆっくり走っていくとバーンと広がる360度のさとうきび‼ こういうのに出会いたかった。みんなが行く観光地もいいけれど、適当に走って出会えた場所のほうが嬉しいんです。鳥の声しか聞こえない。2月とは思えない爽やかな風がさとうきびを撫(な)でます。バイクを停(と)めて座り込んでしばらくぼーっとしたら風に溶けていく感覚でした。

さとうきび畑

しばらくゆったりして島をぐるっと回ったあと、再び橋を渡って宮古島へと戻ります。まだまだホテルチェックインまで時間があるので島を何の目的もなくただひた走る。「目的のために行動する」というのはお仕事のときだけでいいじゃない。そんなもの東京に置いてきたさぁ。しばらく走っていたら何やら甘い香りが。見上げると煙突。ほう。ここがさとうきび工場か。外からしか見られませんでしたが、敷地内には搾られたあとのさとうきびが山積みに。ハッと工場の入り口付近を見てみると、入場待ちをしている大型トラックが2台並んでいる。たっぷりのさとうきびを積んだトラックの運ちゃんに「冷やかしてんじゃねえぞ」という視線を投げられた気がして、そそくさと退散。しばらくおもむろに走ると、「さとうきびカフェ」という看板が。完全に農道の中をしばらく進むとぽつんとカフェが。なんと、さとうきびの生搾りを体験させてくれるという。そりゃやるっきゃないよ。

さとうきび搾りに挑戦

搾った汁を氷で割って飲んださとうきびジュース。感想。甘い! そりゃそうだ。風味はちょっと荒々しい黒砂糖ジュースって感じです。店員のお姉さんによるとシークワーサーで割ったらおいしいとのことです。

そんなこんなでホテルへチェックイン。近くにある有名なビーチ「与那覇(よなは)前浜ビーチ」へと。曇天にも関わらず超弩(ど)級のブルーと美しさに息をのむほどの白い砂。こりゃ天国だわ。そんなことを思いながら歩いていると、なんだかよく知っている香りが。焚き火? 匂いのもとを探ると、まさか。ビーチサイドにテントサウナがあるじゃありませんか。テントサウナの横にはビーチベッド。こりゃ“ととのい”ベッドだな。店員さんがいたので聞いてみると「ホテル宿泊者限定のサウナで予約制です」と。どのホテルか聞いたらなんと我々が泊まるホテル! しかも明朝予約が空いている、と。サウナーの私を、宮古島までサウナが追いかけてきた‼ 逃げ切れない! 速攻予約して、明朝サウナ。あちあちのサウナでしっかり汗をかいたら目の前の海にドボン。そして砂の上で外気浴。宮古ブルーの海で身体を冷やすのは唯一無二の極楽体験。まさかこんなことが待っているとは思ってなかった。サウナの神様ありがとう。そして適当旅の神様ありがとう。

サウナに入るヒャダイン

泳ぐヒャダイン

砂浜で仰向けになるヒャダイン

そんなこんなで大満喫した宮古島。天気がいまいちでも適当旅の神様に愛された旅でした。次回はフィリピンの首都マニラに何の目的もなく行ったお話です。お楽しみに!

ヒャダイン

音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名 前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。さまざまなアーティストに楽曲提供を行い、自身もタレントとして活動。「musicるTV」「久保みねヒャダこじらせナイト」「サウナを愛でたい」「おはよう朝日です」などテレビのレギュラー多数。

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