きっかけは「ゆいレール」!? 安東さんが沖縄に住みたくなった理由とは?

クルマ好き理想の通勤スタイルが沖縄に!
安東弘樹

2023年夏、4年ぶりに沖縄を訪れた安東さん一家。そこで息子さんとゆいレールに乗った安東さんに「沖縄に住みたくなった」とまで言わしめた理由とはいったい何でしょう!? 無類のクルマ好きとして知られるフリーアナウンサー安東弘樹さんが、クルマにまつわるさまざまな出来事と自らの思いを伝えるエッセーです。

目次

インドア派の家族が沖縄で興味を持った「ゆいレール」

この夏、4年ぶりに家族で沖縄に行ってまいりました。わが家は妻と2人の息子が基本的にインドア派で、海でのアクティビティーなどにあまり興味がなく、ホテルのプールで泳ぐことはあっても、砂浜が熱い、という理由でビーチにも行きませんでした(笑)。

そんななか、鉄道好きの長男が、沖縄都市モノレール「ゆいレール」に乗りたいと言ってきたのです。ゆいレールはタイヤで走るモノレールです。この、「ゆいレール」は那覇空港から、浦添市にある「てだこ浦西」という駅の間、17kmを19の駅で結ぶ、いわゆる新交通システムです。長男と相談をして、宿泊していたホテルから最も近い、てだこ浦西駅から那覇空港までの途中、首里駅までの4.1km、8分間のプチ電車旅? をすることにしました。

ゆいレールの「パークアンドライド」とは?

ゆいレールに隣接する駐車場

ゆいレールに隣接する駐車場

ホテルから借りていたレンタカーで30km弱の距離を走り、てだこ浦西駅まで向かったのですが、駅に近付き、その全貌が見えてくると、まずその光景に驚きました。とにかく駅前のロータリーが新しくて奇麗なのです。デザインは近代的なのですが自然と共生した造形で、違和感はありません。そして何より驚いたのが、駅に立体駐車場が隣接していることです。地上4階建てで収容台数約1,000台という大きな駐車場が、まさに駅の隣にあるのです。そして駅のロータリーには「パークアンドライド」と書かれたのぼりが立っていました。

調べてみると沖縄に住んでいる方が、旅行や出張などで、那覇空港を利用する場合や、ゆいレール沿線でイベントが行われるときもこの駐車場を使える、とのこと。まさにパークアンドライドで、ここにクルマを駐車して、渋滞に悩まされることもなく、快適に那覇や都市部に行ける、ということです。ちなみに、これまでは、この駐車場が満車になったことはないそうですが、今後、利用者が増えてきた場合は、インターネットなどで利用状況などをリアルタイムで把握できるようにする計画もあるようです。ここをクルマの拠点に、それぞれの自宅などに帰れば、これほど快適なことはないでしょう。当然、通勤用の定期料金も設定されており、時間、曜日に関係なく、ずっと使える料金が月5,000円。半年では10%割引で27,000円。月~金のみ利用の料金は月3,500円で、この場合も半年間で10%割引の18,900円です。

そんなこともあってか、ゆいレールの利用者が増え、わが家が訪れた2週間ちょっと前に編成が2両から3両に増えたばかりでした。そして、このゆいレールでは、SuicaやICOCA等の交通系ICカードも使えます。もちろん、バスでも使える沖縄独自のICカード、OKICAも使えます。ですから首都圏から沖縄に旅行に出かけたときも、今お持ちのICカードを使えるのです。さらに切符を購入すると、切符自体にQRコードが印字されていて、それをセンサーにタッチする方式でした。

マイカーで最寄り駅まで通える「夢の生活」

それにしても、このパークアンドライド方式、首都圏に住む身としては「夢のような」話です。職場がある都心地域の手前で、クルマも汚れない大きな立体駐車場に愛車を止めて、職場に向かう。しかも経済的負担も少ない。現状、首都圏や、大都市圏ではまさに「夢物語」ですが、車社会の沖縄ならでは、です。首都圏と比べれば、そもそもの人口密度や都心部で働いている人の数の桁が違うのは確かです。しかし、那覇の人口も2015年頃をピークに若干、減ってきたとはいえ、那覇周辺への人口集中に伴い、道路の渋滞は、深刻化、慢性化していて、その解決方法としても画期的だと感心しました。まさか鉄道好きの長男に付き合い、このようなシステムを知ることになるとは思いませんでしたので、長男に感謝です。

実際に、ゆいレールに乗ると音は静かで振動もほとんどない上に、基本的に高架を走行しますので、沖縄の景色も楽しめました。そうして、ラッシュ時の混雑は多少、あるものの、それぞれの職場に向かい、仕事をして、終ったら、夕景や夜景を見つつ、ゆいレールに乗って、てだこ浦西駅まで戻る。駅に着けば愛車が待ってくれています。私が将来、沖縄に住みたくなったのは言うまでもありません。

安東弘樹

あんどう・ひろき 1967年神奈川県生まれ。フリーアナウンサー。1991年にTBSテレビに入社後、さまざまなテレビ、ラジオの報道やバラエティなどの番組を担当。19歳の免許取得から現在までに、45台以上のクルマを乗り継ぐ経験と知識を生かし、活躍の場を広げている。現在はTBSラジオ「UP GARAGE presents GARAGE HERO’s~愛車のこだわり~」、bayfm78 「MOTIVE!!」など多くのテレビ、ラジオ番組で活躍。2017年より「日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」選考委員。2024年より日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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