神出鬼没! ヒャダインの適当旅

離島好きがアガる佐渡島へ! トキ! 紅葉! 雪! 日本酒!

ヒャダイン流佐渡島ツアーは行きも帰りもマイペース

ヒャダイン
2024.03.14

文=ヒャダイン / イラスト=大山功一

2024.03.14

文=ヒャダイン / イラスト=大山功一

自然豊かでそれぞれが独特の雰囲気を残す島を旅するのが好きなヒャダインさん。今回は、新潟市の西に浮かぶ佐渡島へと向かいます。フェリー乗り場でB級グルメを制覇し、トキ保護センターでトキを愛で、金山遺跡で廃虚熱が再燃……と島内を縦横無尽に駆け回ります。つかの間の島1泊旅ばなしをお届けします。

離島好きがハマる! 魅惑の島、佐渡島(さどしま、さどがしま)へ

離島好きとしては一度行ってみたかった佐渡島。同じく離島好きの友達と急遽(きゅうきょ)向かうことに決めたのは12月の頭。民宿とレンタカーだけ予約して適当旅がスタートです。まず早朝の新幹線に乗って終点新潟駅に着いたのは8時。ここからフェリーに乗るのですが90分くらい時間がある。起きて3時間経っているので腹が減っているわけです。あ! と思い出して万代(ばんだい)シテイバスセンターへと。そう。ここにある立ち食いそば屋さんのカレーは「バスセンターのカレー」としてB級グルメ界で有名なんですよ。いつも行きたかったのですが郷土料理に胃を持っていかれて断念していたのでここがチャンス! 「機が熟した」という言葉って素敵ですね。10人ほどの行列に並んで出てきた小カレーは色が黄色! なにやらラードと豚骨と小麦粉を大量に使っているらしく、もったりとしたルーの粘度と甘いけどスパイシーな味は確かに美味! みんなが騒ぐ理由にも納得。なにより空腹だったから、ってのもありますが。

佐渡汽船フェリーのカレー

小でこのボリューム

開幕早々充実のグルメで腹を満たして佐渡汽船フェリーへと。2時間半かけて着いた佐渡島は雨。うう。こればっかりはしゃあない。誰も天気をコントロールできないですからね。旅の天気ガチャは「しゃあない」で片付けるしかない案件です。にしても、あまりに適当旅なのでどこも目的地を決めていない。フェリーターミナルにあるでっかい地図を見て友人と行き先を決めることに。んんん。目立った観光地がないぞ。金山とトキの飼育所くらいしか見当たらないぞ。そう思って地図の下を見たら「素朴な島 素朴な風俗」と。「素朴」って便利な言葉!

離島グルメにまぎれたヘンテコ日本語を発見

ちょうどランチタイムになったので腹ごしらえをしてから行くことに。フェリーターミナルの前にある寿司屋さんが見た感じ良さそうだったので飛び込む。こういうときグルメサイトのレビューを見ないのがポイントです。入ったら地魚を使ったランチにぎりがあり、これがうまいうまい。日本海は魚がうまいんだよ。えびす顔で食べていたのですが、ふと割り箸の箸袋を見たら違和感。「日本人の主食は、『お寿司(OSUSHI)』と呼ばれるおにぎりに刺身をのせた食べ物です。マグロが人気ですが、それを食べるために日本人は大勢が、過酷な『マグロ漁船』に乗ります。」え!? 何言ってんの!? ここ、海外の日本料理店じゃないよね? よく見かけるトンチキ日本語をまさか佐渡島で見られるなんて。早速XでポストしたらプチバズリしてYahooニュースになりました。

寿司のわり箸の箸袋

知っている日本ではない

山道を深く分け入り迷い込み…

さあドライブ開始。雨とはいえ山々が美しくちょうど紅葉の季節。彩りが豊かな山々を眺めながら走っていると、あれ? 雪山じゃね? そう。紅葉と雪をダブルで見れたんですね。島あるあるですが気候帯が豊富。さあ適当旅の醍醐味発揮、これは雪を見に行こう!となりまして、カーナビも入れずGoogle マップも見ずにとにかく雪山の方向に車を走らせることに。途中入った道がかなりの林道で地元の人しか使わないような荒れ道に入ったときはさすがに焦りましたが、柿の収穫の様子とか見ることができて趣深かったです。どんどん山道を上っていくとだんだん道に雪が増えていく。スタッドレスタイヤなので安心とはいえスピードを落として進むと自衛隊の施設にぶちあたりここが終点。車を停めて歩いてみるとなんとそこは市営のスキー場ではありませんか。まだ営業期間前で雪もまばらだったのですが冬先取り。パラパラと雪も降り出して大変にロマンティックな気分です。

畑にある柿の木

ワイルドですね、柿

雪景色とヒャダイン

スキーの季節にまた来たい

トキと廃虚を見れば気分は上々♪

トキのマスコットと一緒に記念撮影

トキのゆるキャラと

ベチャ雪で靴下が濡れて少しテンションが下がりながら下山。さてどこ行こう。とりあえずトキでも見るか、とトキを飼育している施設へと。人よりもトキが多い中、早足で見学終了。トキって可愛いですね。宿に着いて女将(おかみ)さんに「どこかいいとこないですか」と聞いたら「ラピュタのモデルとも言われている廃虚がある」と。なんだと。それは行かないわけにはいかない。ラピュタのサントラを爆音でかけて向かうと、うん。確かにこれはラピュタだ! 父さん、ラピュタはあったんだ!! もともと金山関連の施設だったらしいのですが純粋にかっこいい。写真を撮ってバルスごっこをして宿に帰ると素晴らしいご馳走と最高の日本酒。大満足のまま就寝。

金山遺跡は廃虚のよう

曇天も禍々(まがまが)しさを演出します

適当旅はいつ帰るかも自由! 利き酒でいい気分に

翌日。さて。行くところがない。佐渡金山遺跡はそんなに興味ないんだよな。ならなんで来たんだよ、ほんと。予定では夕方に新潟へ帰るつもりでしたがそこも適当旅。予定を早めて昼に帰ることに。雨のフェリーに揺られて(爆睡)、昼過ぎに新潟港へ。駅へと向かっていると「ぽんしゅ館」なるものがある、と。行ってみると500円で5枚コインがもらえて、100種類以上の日本酒ベンダーにコインを入れるとおちょこ1杯分の日本酒が出てくる、という利き酒施設でした。夢やん。こんなの夢の施設やん。甘口から辛口、ワイン風の変わり種までいろんな味をテイスティング。結果15杯飲んでしまいました。まあ1杯が小さいおちょこだし、ね。その後、近隣にある日本酒飲み放題の店に行って引き続き日本酒まみれ。その店、ソムリエみたいな店長がいていろいろ見繕いながら日本酒をエンドレスに出してくれます。まあごきげんになった我々はさらに郷土料理店でのっぺい汁や栃尾揚げを日本酒と一緒に食べてそのまま新幹線(爆睡)で東京へ帰りました。

ずらりと並ぶ日本酒ベンダー

ここは天国

結果、飲んで食べてばかりの旅になったわけですが、旅で摂取したカロリーはゼロと言いますからね。気にしない気にしない。

ヒャダイン

音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名 前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。さまざまなアーティストに楽曲提供を行い、自身もタレントとして活動。「musicるTV」「久保みねヒャダこじらせナイト」「サウナを愛でたい」「おはよう朝日です」などテレビのレギュラー多数。

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