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御母衣峠から見下ろす屈斜路湖を見た空撮写真
写真・構成=高橋祐介/文=編集部

【北海道2泊3日弾丸旅】レンタルキャンピングカーで美幌峠へ! 世界自然遺産・知床半島を目指す車中泊ロードトリップ

新千歳空港発! 絶景を追いかける道東ローカル満喫ルート【前編】

宿泊代の高騰により俄然注目が集まっているのが、レンタルキャンピングカー。なかでも部屋ごと移動している感覚で旅を楽しめるのがキャブコン(キャブコンバージョン)である。今回は北海道・新千歳空港周辺でレンタルキャンピングカーを引き取り、道東エリアの絶景スポットを総なめにする2泊3日の旅を敢行! 長期間の休みがなくても、仕事を残していても、キャブコンをレンタルすれば、すべての憂いを解決してくれる!? と信じて、最初の目的地である美幌峠に向けて出発!!

目次

マイカーで北海道は遠すぎる!? それならレンタルキャンピングカーという手がある

レンタルキャンピングカーを借りているシーン

キャンピングカーの外装の傷などをチェック

新千歳空港近くのエアポートパーキングまで送迎バスで赴き、ビックアップというレンタルキャンピングカー店のスタッフからキャブコンを引き取る。外装の傷などのチェックほか乗車前の手続きは一般的なレンタカーと同じ。ここで、キャンピングカーの装備・使い方についての説明があるので、しっかりチェックしておきたい

初夏になると決まって発症する病気がある。

「北海道へ行きたい病」だ。

昨年はレンタルキャンピングカーで宗谷岬を目指す2泊3日の旅を敢行した。日本最北端の地に立ち、その勢いで道央エリアへ下り、神威(かむい)岬でウニ丼を頬張り、「これでしばらく北海道はいいかな」と思ったのも束の間。その効果は1年も持たなかった。

今年のターゲットは道東、それも世界自然遺産・知床半島である。普通に考えれば女満別(めまんべつ)空港まで飛び、レンタカーで知床へ向かうのが効率的だろう。しかし、北海道旅に効率など求めてはいけない。少なくとも50代のおじさんにとっては、目的地へ向かう道中こそが旅の本番なのだ。

そこで今回もレンタルキャンピングカーを相棒に、美幌峠、知床峠、野付半島、北太平洋シーサイドラインという道東の名だたる絶景スポットを巡ることにした。言うなれば「走るために走る旅」。もはやツーリングライダーに近い思考回路である。

今回利用したのはキャンピングカーレンタル・ビックアップ。通常は札幌市内での受け渡しだが、オプションを利用すれば新千歳空港周辺で車両を受け取れる。

飛行機を降りたら、そのまま北海道ロードトリップのスタートだ。

ビックアップ

〒004-0802 札幌市清田区里塚2条4丁目9-10
TEL:011-375-8290
受付時間:9:00〜17:00
ビックアップウェブサイト

北海道を走るなら頼もしい相棒! フルタイム4WDキャブコンの実力

道中スナップ1 新千歳空港から高速道路へ向かう道中

道中スナップ2 新千歳空港から高速道路へ向かう道中

道中スナップ3 高速道路運転中

道中スナップ4 高速道路運転中

キャブコンを借り受けたエアポートパーキングから道東自動車道・千歳東ICまでのアクセスはすぐ。まずは足寄(あしょろ)ICを目指した

今回借りたのはバンテックの人気キャブコン「コルドバンクス」。見た目は大きいが、全長5m以下、全幅2m以下という扱いやすいサイズで、北海道の旅には実にちょうどいい。

走り出してまず感じたのは安定感だ。

フルタイム4WDにリアはダブルタイヤという構成もあって、高速道路でもどっしりとしている。3.0Lディーゼルターボは低回転域から力強く、追い越し加速も余裕十分。キャブコン特有の大きなボディを感じさせない走りだ。もちろん横風には気を使う必要があるため、高速道路では80km/h前後を意識しながら巡航。それでも長距離移動の疲労感は驚くほど少なかった。

そして何よりありがたいのが、このサイズ感。道東旅で欠かせないセイコーマートへの立ち寄りもスムーズだし、SAやPAでも駐車場所に困ることがほとんどない。

私にとって、北海道旅では「セコマに停めやすい」は立派な高性能なのである。

小さなビジネスホテルを連れて走る感覚
キャブコンなら旅先でも仕事ができる

キャブコンの室内でお仕事中

50代ともなると、2泊3日とはいえ完全に仕事を忘れるのは難しい。だがキャブコンなら、その問題も意外とあっさり解決する。

ダイネットのテーブルにノートPCを広げれば、そこは即席オフィス。メールチェックや原稿確認程度なら快適そのものだ。今回のコルドバンクスにはマルチルームも装備されており、衣類や撮影機材、旅の荷物をまとめて収納できる。散らかりがちな車内をスッキリ保てるので、長距離旅では想像以上にありがたい存在だった。

気分は移動するビジネスホテル。いや、景色付きの個室オフィスと言ったほうが正しいかもしれない。

キャブコンの室内、ダイネット

ゆっくりくつろげるダイネットスペース

キャブコンの室内、ベッド展開

テーブルとシートをベッド展開。中央のテーブルを下げて、シートの背もたれやヘッドレストを間にはめると、フルフラットのベッドに

マルチルーム、衣服の乾燥

便利なマルチルーム付き。ハンガーを掛けられる上、マルチルーム内にFFヒーターの吹き出し口があるので乾燥室としても活用できる

マルチルール、荷物の収納

トイレを設置するなど多目的で使えるマルチルーム。今回はもっぱらかさばる荷物入れとして活躍

リアの2段ベッド

リアの2段ベッド。体格の大きい人だとちょっと眠るには厳しいが、居住スペースが荷物であふれないよう、荷室として活用できる

ゆっくりくつろげるダイネットスペース

テーブルとシートをベッド展開。中央のテーブルを下げて、シートの背もたれやヘッドレストを間にはめると、フルフラットのベッドに

便利なマルチルーム付き。ハンガーを掛けられる上、マルチルーム内にFFヒーターの吹き出し口があるので乾燥室としても活用できる

トイレを設置するなど多目的で使えるマルチルーム。今回はもっぱらかさばる荷物入れとして活躍

リアの2段ベッド。体格の大きい人だとちょっと眠るには厳しいが、居住スペースが荷物であふれないよう、荷室として活用できる

電子レンジ

コンビニ食メインの旅で重宝すると思われた電子レンジだったが、セイコーマートで購入したのはホットシェフのおにぎりなど、温かいご飯をおいしくいただけたので、今回は出番がなかった……

冷蔵庫

83Lと車載用としては大容量の冷蔵庫

エアコン

今回の北海道旅では出番がなかったが、家庭用エアコンを装備。サブバッテリーでも稼働できるが、外部電源を取れる場所で使用すると便利

コンビニ食メインの旅で重宝すると思われた電子レンジだったが、セイコーマートで購入したのはホットシェフのおにぎりなど、温かいご飯をおいしくいただけたので、今回は出番がなかった……

83Lと車載用としては大容量の冷蔵庫

今回の北海道旅では出番がなかったが、家庭用エアコンを装備。サブバッテリーでも稼働できるが、外部電源を取れる場所で使用すると便利

美幌峠は翌朝が勝負! まずは摩周湖エリアで車中泊

松山千春の家1

松山千春の家2

松山千春の家3

松山千春の家4

住宅地の中にある「松山千春の家」。迷惑にならないようササっと肖像画を拝んで退散

最初の目的地は屈斜路湖を一望できる美幌峠。しかし、初日は飛行機移動に加え、キャンピングカーの受け取りなどで出発が正午近くになってしまった。到着時間を考えると、美幌峠の絶景は翌朝のお楽しみに取っておくことにした。

宿泊候補は「RVパーク峠の湯びほろ」と、「道の駅 摩周温泉」の車中泊可能な有料区画。散々悩んだ結果、決め手になったのは「弟子屈(てしかが)ラーメンが食べたい」という極めて個人的な理由だった。

旅のルートは、道東道の足寄ICから阿寒湖経由で摩周湖方面へ。実は、事前にルートを検討するためにGoogleマップを眺めていたときに気になるスポットを発見した。その名も「松山千春の家」。映画『旅立ち〜足寄より〜』のロケセットではなく、本物のほうである。これは立ち寄らないわけにはいかない。

北海道の大地を走りながら、足寄町が生んだスーパースターに思いを馳せる。こういう予定外の寄り道こそ、ロードトリップの醍醐味だ。

道中スナップ1摩周湖までの道中。野生動物に遭遇

道中スナップ2摩周湖までの道中。野生動物に遭遇

道中スナップ3摩周湖までの道中。野生動物に遭遇

道中スナップ4摩周湖までの道中。野生動物に遭遇

北海道を走る上で注意したいのが野生動物。今回の旅では日中でもエゾシカとキツネにかなりの頻度で遭遇。機動力が魅力のキャンピングカーでの車中泊旅ではあるが、深夜の移動は控えたほうが安全と実感した

アイヌコタン1

アイヌコタン2

アイヌコタン3

アイヌコタン4

アイヌコタン5

阿寒湖畔に広がるアイヌコタンは、アイヌの人々の暮らしや文化を伝える集落。工芸品や伝統舞踊を通じて、北海道の歴史と先住民族の知恵に触れられる貴重なスポットだ

阿寒湖アイヌコタン

〒085-0467 北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4-7-19
阿寒湖アイヌコタンウェブサイト

摩周湖への道中のスナップ写真1

摩周湖への道中のスナップ写真2

摩周湖への道中のスナップ写真3

摩周湖への道中のスナップ写真4

摩周湖への道中のスナップ写真5

摩周湖へ向かう道中は、それ自体が絶景の連続。深い森を貫く道路を走り、標高を上げるにつれて視界が開けていく

道の駅 摩周温泉1

道の駅 摩周温泉2

道の駅 摩周温泉3

道の駅 摩周温泉4

摩周湖観光の拠点に最適な「道の駅 摩周温泉」。木の温もりを感じる館内に、ベンチや東屋でひと息つける開放的な広場も広がる。24時間利用可能な足湯はあるが入浴施設はないので注意。今夜は有料の車中泊区画に滞在し、翌朝の美幌峠への出発に備える

道の駅 摩周温泉

〒088-3203 北海道川上郡弟子屈町湯の島3-5-5
TEL:015-482-2500
【営業時間】
5月〜10月 9:00〜18:00
11月〜4月 9:00〜17:00
道の駅 摩周温泉ウェブサイト
車中泊可能な有料区画のウェブサイト

弟子屈ラーメン弟子屈総本店2

弟子屈ラーメン弟子屈総本店3

弟子屈ラーメン弟子屈総本店1

味噌のコクにバターの甘み、コーンの粒立ちが重なる一杯。香ばしく炙られたダイナミックなサイズのチャーシューが食欲を誘い、寒地らしい力強い味わいが口の中いっぱいに広がった。弟子屈総本店で味わう、旅の記憶に残る看板ラーメンだった

弟子屈ラーメン弟子屈総本店

〒088-3201 北海道川上郡弟子屈町摩周1-1-18
TEL015-482-5511
【営業時間】11:00〜20:00
【定休日】1月1日
弟子屈ラーメン弟子屈総本店ウェブサイト

セイコーマートで買ったお土産1

セイコーマートで買ったお土産4

セイコーマートで買ったお土産2

セイコーマートで買ったお土産3

弟子屈ラーメン弟子屈総本店近くのセイコーマートで晩酌&お土産を購入。ミニボトルサイズのワインG7に加え、ビールもハイボールもセコマオリジナル。ネイビー地のセコマTシャツは2日目以降の衣装に決定!

雲に包まれる前に間に合った! 美幌峠で出会った北海道屈指の絶景

美幌峠の展望台からの眺め

年齢を重ねると朝が早い。それを実感したのは旅の2日目だった。北海道の早い日の出とともに自然と目が覚め、セイコーマートで買った朝食を流し込む。時計を見るとまだ早朝。迷う理由はない。すぐに美幌峠へ出発した。

美幌峠までは約30分。

屈斜路湖を見下ろす美幌峠は、北海道屈指の絶景スポットとして知られている。弟子屈方面から向かう道は適度なワインディングが続き、ドライブ好きにもライダーにも人気が高い。「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」に到着し、徒歩で展望台へ向かうと……思わず声が漏れた。

「これはすごい……」

眼下には日本最大級のカルデラ湖である屈斜路湖。その向こうには果てしなく続く北海道の大地。心配していた霧もなく、空は青い。絶景写真で何度も見てきた景色なのに、実際に目の前にすると迫力がまるで違う。

やはり絶景は、スマホ越しではなく現地で見るべきものだ、と実感できた。

美幌峠の展望台からの眺め

美幌峠の展望台からの眺め

美幌峠の展望台からの眺め

美幌峠の展望台からの眺め

美幌峠の展望台からの眺め

道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠から徒歩で展望台へ。屈斜路湖と連なる山並みが朝の光に包まれ、美幌峠の景観に静かな感動が広がった。案内板に立ち止まりつつ、ゆっくりと北海道らしい景色を味わう贅沢なひととき。風と雲が刻々と表情を変える、道東らしい雄大な絶景に出会った

道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠

〒092-0022 北海道網走郡美幌町古梅
TEL 0152-77-6001
【営業時間】
4月下旬~10月 9:00~18:00
11月~4月下旬 9:00~17:00
道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠ウェブサイト

美幌峠展望台からの絶景を満喫し、駐車場へ戻る頃には空模様が一変していた。屈斜路湖の向こうに見えていた雲の塊が峠へ流れ込み、みるみるうちに周囲が白く染まっていく。

いわゆる「ガスった」状態だ。

もし出発が1時間遅れていたら、この絶景には出会えなかっただろう。早起きが苦手な人には申し訳ないが、この日ばかりは年齢による早朝覚醒に感謝した。

さて、次なる目的地は世界自然遺産・知床峠。距離にして約100km。しかし、時刻はまだ午前7時過ぎだ。このまま真っすぐ知床へ向かうのは少々もったいない。そういえば知床半島の付け根、斜里町には全国的にも有名な「あの直線道路」があったはず――。

北海道ロードトリップ2日目は、まだ始まったばかりである。

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