里山の鉄道保存施設「ポッポの丘」訪問のススメ。展示車両との距離の近さが魅力の施設を徹底ガイド!
今に残る鉄道遺構へ行こう!鉄道をこよなく愛するプロカメラマン・徳永茂さんによる厳選された鉄道スポットを紹介! 今回は、千葉県いすみ市ののどかな里山に位置する「ポッポの丘」をピックアップ。鉄道ファンや車両好きの間で“聖地”の一つとして人気のある鉄道保存施設。いすみ鉄道が、引退した「いすみ200型」など地域に縁ある車両を救出し保存・展示している。多種多様な車両が公開されるポッポの丘を訪れてみた。
生活に溶け込んでいた車両に間近で触れる「ポッポの丘」
「ポッポ」と聞いて、童謡の「汽車ポッポ」を連想させるこの「ポッポの丘は」は、日本各地からで活躍していた車両が保存される場所として多くの鉄道ファンから親しまれている。その最大の魅力は、土地柄の温かさと車両の圧倒的な多様性と関東周辺からのアクセスの良さだ。
富士急行で活躍していた5700系(小田急2200系)と右の車両は京浜急行電鉄と都営地下鉄浅草線の相互乗り入れ運転に備えて製造された「デハ1052」のカットボディ
一般的な鉄道会社が運営する近代的な博物館とは異なり、ここは緑豊かな丘陵地を開拓して作られた開放的な空間。展示されている車両の多くは、現役を引退した後に解体の危機に瀕していたものを、オーナーや有志の熱意によって買い取り、移送されたものだ。
展示されている車両内には、実際に使用されていた鉄道アイテムが展示され、触れることができる。
ただ外観を眺めるだけでなく、多くの車両は車内への立ち入りが可能な点も大きな魅力だ。懐かしい国鉄時代のボックスシートに腰掛けたり、運転台に座ってレバーに触れたり、現役当時の風情を五感で体験できる。受付になっている千葉都市モノレールの車内は、売店(新鮮な卵や鉄道グッズの販売)として活用されている。広場ではTKG(卵かけごはん)の販売があるなど、生活感と鉄道の歴史が不思議な形で融合していた。
ポッポの丘には多様なジャンルの人々が訪れ、思い思いの時間を過ごしている。たとえば、車両の形式番号、台車、パンタグラフ、あるいは車内の製造銘板とまさに宝の山。特に、他ではなかなか見られない地方鉄道の生き残り、国鉄時代の貴重な足跡がそのまま残されているため、細部の撮影や技術的な歴史考察を楽しむのもいいだろう。
かつて通勤や旅行で実際にこれらの車両に乗っていたシニア世代や、昭和の文化に惹かれる若者などにとっては昭和レトロに浸れるはずだ。車内に漂う独特の油や座席の匂い、扇風機、青いモケット(布地)のシートなどに触れ、タイムスリップしたかのような気分になる。
「ポッポの丘」からローカル駅を巡る、ノスタルジーの旅へ
子供たちにとっては、ポッポの丘は「たくさんの電車が集まるパラダイス」だ。自由に車内に出入りでき、現役の路線では絶対にできない「運転士気分」を味わえる。のんびりとした時間が流れているせいか、家族での週末のお出かけスポットとしても定着しているようだ。
ポッポの丘で、静かに余生を過ごす車両たちの歴史と温もりに触れた後は、きっと「いまも元気に走っている、古い列車の鼓動を感じたい」という衝動に駆られるはず。ここで紹介している車両の他に、ポッポの丘ではイベントなどを開催しているので、ウェブサイトをチエックしてみよう。
ポッポの丘で古い車両を堪能した心地よい余韻を胸に、少し足を延ばして鉄道旅を楽しんでみるのはいかがだろうか。ポッポの丘のすぐ近くには、大正から昭和にかけての駅舎の趣をそのままに残し、どこか懐かしい里山の中をトコトコと走り抜ける「いすみ鉄道」や「小湊鐵道(こみなとてつどう)」が走っている。
小湊鉄道のクラシカルなディーゼル車両に揺られ、窓を開けて心地よい風を感じる……。そんな、現代のスピード社会から切り離された、本当の贅沢なローカル線の旅へ行ってみるのもいいだろう。
「上総川間駅」は多くのテレビドラマのロケ地として人気の場所だ。近くに学校があるため、登下校の時間は学生であふれている
ポッポの丘
千葉県いすみ市作田1298
営業時間:10:00~16:00
入場料金:中学生以上500円
駐車料金:バイク1台500円、乗用車1台1,000円(入場料金込み)
定休日:火曜、水曜、木曜 ※車掌車編成乗車体験運行は土日のみ実施
ポッポの丘公式ウェブサイト
今回訪れた「ポッポの丘」の場所はMAPで確認を
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