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ペット、スイーツを写真で残そう。スマホ写真の撮り方講座_後編

スマホ活用術【写真編_後編】

山崎理佳
2022.05.23

撮影・構成・文=山崎理佳 / モデル=Risa Marie Viray、あんな

2022.05.23

撮影・構成・文=山崎理佳 / モデル=Risa Marie Viray、あんな

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1年点検を受けると、だれにでもチャンス

後編では、活発に動き回るかわいいペット、おしゃれなカフェで見つけたスイーツ、そして夜景の撮影方法をご紹介。どれも撮る機会が多く、カメラロールにたくさん写真が残っているのに、なんだかイマイチではありませんか? プロの構図、加工ワザを押さえて、「いいな」と思った瞬間をスマホ写真で残しましょう。

4.動くもの(ペット)をうまく撮るコツ

白い犬

ペットは人間よりも小さいので、そのまま上から撮影すると頭と背中ばかり写ってしまい、表情がよく見えません。地面すれすれにスマホを置いて、目線の高さを合わせて撮影を! カメラのほうを向いてもらうには、大好きな飼い主さんに撮影者の横や後ろにスタンバイしてもらい、声をかけてもらうといい表情が撮れますよ。

POINT1 地面すれすれにスマホを構える

一番のポイントは、低い位置にスマホをスタンバイすることです。ペットと同じ目線で撮ることで、人物のポートレートのように生き生きと切り取ることができます。下から撮影することで空も入りました。

立って撮影したペット

△立って撮るとこぢんまり。

地面すれすれで撮影したペット

◯地面すれすれでワンちゃん目線。

【撮影の様子】しゃがんで撮影

【撮影の様子】しゃがんで撮影。

POINT2 連続撮影でベストショットを選ぶ

連続撮影(バースト)モード搭載なら、動くペットの一瞬のかわいさを逃さず切り取れます。シャッターボタンを長押しする機種や、左にスライドさせる機種など操作方法が異なるので、お使いの機種で確認を!

連続撮影イメージ

連続撮影イメージ

連続撮影イメージ

連続撮影イメージ

連続撮影イメージ

連続撮影イメージ

POINT3 撮影者の隣で飼い主さんに呼んでもらう

飼い主さんが撮影する場合は、ワンちゃんを呼ぶことでカメラ方向を向いてくれますが、第三者が撮る場合、なかなかこちらに来てくれないことも。飼い主さんに撮影者の隣や後ろに来てもらい、声をかけてもらいましょう。

撮影者の隣で飼い主さんに呼んでもらう

【撮影の様子】飼い主さんに声をかけてもらう。

5. スイーツをおいしそうに撮ってみよう

カフェでおいしいそうなスイーツが出てきたら、きれいに撮ってSNSにアップしたくなりますよね。お店の中で動き回ったり何枚も撮影するのも迷惑なので、ポイントを押さえてさっと撮影するのが肝心です。「窓側の明るい席に座る」「背の高いものは斜め上から」「背の低いものは真上から」のポイントを押さえておけば、迷いなく撮れます。

撮影協力/ShortcakeShortcake
神奈川県横浜市磯子区原町1-3 ☏非公表

【1】パフェなど高さのあるものは斜めから撮る

雰囲気を取り込みたいとき、おいしそうに撮りたいとき、真上の照明で自分の影が写り込んでしまうときには斜め上から撮るのがポイントです。パフェのように背の高いスイーツも斜め上からの撮影がおすすめ!

斜めから撮影した高さのあるケーキ

POINT1 窓際の明るい席に座る

座る席を選べる場合は、できるだけ窓際の明るい席に座りましょう。大きい窓やカーテンがかかっている窓の近くは、柔らかい自然光がよく回るので、スイーツをきれいに撮ることができます。

POINT2 スイーツから離れて拡大する(もしくはポートレートモード)

斜め上から撮るとき、近づきすぎると手前が大きくデフォルメされてしまいます。少し離れて、ズームするのがおすすめ。ポートレートモードは2倍程度のズームになるので、ゆがむことなく撮影できます。

近づいて撮ると下すぼまりになる

△近づいて撮ると下すぼまりに!

少し離れてズームすると形がゆがまない。

◯少し離れてズームすると形がゆがまない。

パフェとの距離は30㎝くらいとる

【撮影の様子】スイーツとの距離は30㎝くらいとる。

POINT3 背景はスッキリが正解

スイーツを目立たせたいか、お店の雰囲気を重視するかで、背景選びは変わってきます。スイーツを主役として見せるなら、背景はスッキリと。スイーツの色が背景に溶け込まない位置を探します。

背景スッキリ。ケーキが目立つ

◯背景スッキリ。クリームが白い壁に同化しないよう位置を調整。

背景ごちゃごちゃ。ケーキが目立たない

△スイーツは目立たないけど、お店の雰囲気を伝えるならこちら。

背景を選べないときは、ポートレートモードで撮影。あとからボケ具合を変えられます。

1.「ポートレート」で撮影

1.「ポートレート」で撮影。

2.撮影した画像を選択し、左上の「f」部分をタップして数値を下げる

2.撮影した画像を選択し、左上の「f」部分をタップして数値を下げる。

【2】かたちがかわいい焼き菓子は真上から

高低差の少ないもの、上から見ないと輪郭がわかりにくいもの、料理全容を説明したい場合には、上から撮影するのがおすすめです。形がかわいい焼き菓子などは、どんなかたちかわかるように上から撮影しましょう。

真上から撮影した焼き菓子


POINT1 あえて画面からはみ出させてバランスよく

皿数が少ない場合に真上から全体を入れて撮影するとこぢんまりした印象になってしまいがち。お皿の一部をあえて画面からはみ出させることで、広がりが感じられバランスよく収まります。皿数が多くもりだくさんなら、全部入れてもバランスは整います。

全部入れるとちんまりした感じに

△全部入れるとちんまりした感じに。

お皿の端を切るとバランスGOOD!

○お皿の端を切るとバランスGOOD!

POINT2 手元を入れて臨場感をアップ

料理だけを写すより、手元を入れたほうが臨場感アップ。誰かと一緒なら、撮影のために引き止めていると「早く食べようよ!」となるので、「どうぞ先食べて〜」と伝えて、手を伸ばしたところでシャッターを。

手元が入ると視線がお菓子に向かう

◯人の手が入ると視線がお菓子に向かう。

6. 夜景の美しさを写すテクニック

スマホが高性能になって、夜景もきれいに撮影できるようになりました。とはいえ、やはり光量の少ない場所ではザラザラしてあまりきれいな画質には撮れません。夜景をきれいに撮るには、街中など光量が多いところで撮影する、ズームにしない、日没直後の空に青みが残っている時間帯を狙う、など。アプリなどに頼りすぎずすてきに撮影する方法をご紹介します。

観覧車あり夜景

POINT 狙い目は日没直後の「ブルーアワー」

完全に日が暮れると、空は黒く写ります。画面の中で黒の占める割合が多くなると、地味な印象になりがち。明かりが遠かったり少なかったりする場合は、「ブルーアワー」と呼ばれる日没直後の時間帯を狙えば空が青く華やかに。

18:30 空の青みが残っている

18:30 空の青みが残って夜景も華やかに。

19:50 青みは感じるが黒っぽい空

19:50 黒っぽい空で地味な印象。

POINT2 画面全体を光で埋めて華やかに

画面に空や水の占める面積が多いと、写真の印象が暗く地味になりがちです。できるだけ明かりの点いている建物などで画面を埋めることで、華やかな写真に。ズームすると画像が粗くなりがちなので、等倍で撮影を。

空部分が多く光が少ないと寂しい印象

△空部分が多く光が少ないと寂しい印象。

光で画面がいっぱいだと華やか。

◯光で画面がいっぱいだと華やか。

POINT3 ナイトモードで明るく撮影する

最近のスマホは、「ナイトモード」「フォトナイトモード」「夜モード」など夜でも明るく撮影できる機能を搭載した機種が多く、暗い場所でも明るくきれいに撮影することができます。撮影時間を長くするとより明るくなります。

ナイトモードオフ

△1秒

◯ナイトモードオン

◯3秒

iPhone11proの場合は、左上の月のアイコンが黄色に変化する様子

iPhone11proの場合は、左上の月のアイコンが黄色になっていると起動しています。アイコンをタップするとスライダーが表示されます。撮影時間の秒数を長くすると明るく、短くすると暗くなります。撮影中はスマホを動かさないようにしましょう。

POINT4 編集機能でSFのように仕上げる

空の色を青っぽく編集することで、SFのように未来的で幻想的な雰囲気に。アプリを使わなくても、スマホの「編集」機能で青よりのフィルターをかけることで、簡単に調整できます。

編集前

編集前

編集後

編集後

1 フィルターで「ビビッド(冷たい)」を選択。

1. フィルターで「ビビッド(冷たい)」を選択。

2 ハイライトを下げる

2. 「ハイライト」を下げる。

3 シャドウを上げる

3.「シャドウ」を上げる。

  • 画面はiPhone11Proで解説していますが、他機種でも「編集」機能から青っぽくメリハリがつくフィルターを選べば同じような雰囲気に仕上がります。あとは「ハイライト」と「シャドウ」を調整します。

こんな撮り方も!

一眼カメラのような構図を狙う

遠景を撮影すると、奥行きのない平板な写真になりがちです。そんなときは、手前に花などを入れると立体感が生まれます。できるだけカメラと花を近づけて撮影すれば、一眼カメラで撮ったようなボケ感に。このシーンでは、構図を整えてスタンバイし、中央の空いた空間に船が入った瞬間にシャッターボタンを押しました。

手前に花を入れて夜景を撮ると、色味がアクセントに

手前に花を入れて夜景を撮ると、色味がアクセントに。

植え込みから撮影した夜景

植え込みからのぞくようにして撮影。しゃがむことで花の印象が変わります。

手前に何かを入れるときは、ストロボオフを確認!

ストロボの光が届く範囲は1〜2mくらいなので、手前に花などを入れてストロボを発光すると、手前だけが明るくなります。奥の遠景までは光が届かず、夜景が見えにくくなってしまうのでご注意を。

ストロボON撮影の工場夜景

△ストロボON。手前の花だけ明るくなってしまう。

ストロボOFF撮影の工場夜景

◯ストロボOFF

山崎理佳

ReCamera主催。写真編集者・フォトグラファー。編集した写真関連の書籍やMOOK本は50冊以上、他ジャンルを合わせると100冊以上の本を編集。編集者&母の視点から写真を撮り、また毎日をより彩りあるものをするために、撮り方をわかりやすく伝えるのがライフワーク。著書『まるごとわかる! 撮り方ブック』(日東書院)。 山崎理佳さんの活動サイト「ReCamera」

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