ドライブ旅をもっと楽しく♪ スマホ写真の撮り方講座_前編
スマホ活用術【写真編_前編】![](/writer/__icsFiles/afieldfile/2022/04/06/T02M9HK1V8W-U02MWCHEVTN-522e53601659-512.jpeg)
自分のスマホで簡単に素敵な写真が撮れるようになりたい! 撮影テクニックから画像加工まで、シーンごとに写真のプロが教えます。
ドライブ旅で見つけた絶景やおいしいグルメ、旅先でのポートレートやかわいいペットの姿をスマホで上手に撮影したい! ちょっとしたコツさえ押さえれば、誰でも“映える”一枚は撮れるんです。いますぐ使えるスマホ写真の撮り方や加工のやり方をご紹介。写真のプロ直伝のワザを身に付けて、スマホ撮影の腕を劇的にレベルアップさせましょう。
いい光、いい構図をつかめばスマホ写真はうまくいく
思い出のシーンや日常のふとした瞬間をスマホで撮影できるようになり、写真撮影はとても身近になりました。一方で「どうも自分にはセンスがない」「もっとカッコいい写真が撮れたらいいのになぁ」というお悩みもよく耳にします。
この記事では、ドライブ旅でよくあるシーンごとに、撮影でポイントとなる「いい光」「いい構図」の見つけ方をご紹介! 機能やアプリの使用は最小限にして、できるだけ簡単な撮影方法に絞りました。写真編集者として多数の写真本を手掛け、スマホ写真撮影のワークショップを主催する山崎理佳さんに教えてもらいました。
- ※iPhone11Proで撮影・解説しています。設定方法はお使いの機種をご確認ください。
1. 旅先でセルフポートレートを撮ろう
旅先でのポートレートはいつも以上に気を使いたいですよね。カメラの位置や、光の当たり方などちょっとしたことを意識するだけで、小顔効果もアップして、華やかできれいなポートレートに仕上がります。
POINT1 斜め上から引いて小顔に見せる
斜め上から撮影すると、目が大きく、あごが小さく写って小顔効果を得られます。拡大・縮小できるスマホなら、0.8倍※くらいの広角気味(広角にすると広い範囲を切り取ることができます。反対に望遠は、狭い範囲を切り取ります)にすることで、背景が入り場所の様子も伝わります。
- ※最小で0.5倍になりますが、それだと広角になりすぎるので、0.8くらいがちょうどよいです。
△等倍率で正面から撮ると花があまり入らない……。
◯引いて斜め上から小顔効果!
画面を指でつまむように狭めると、縮小されます。反対に広げると拡大に。機種によって拡大・縮小の方法は異なるので確認を!
POINT2 レンズ前に花を入れて華やかに
スマホと自分の間に花を入れると、鮮やかな花の色が画面に加わり華やかさがアップします。カメラの位置ぎりぎりに花を近づけると、花の輪郭がボケて色合いがプラスされ、カメラから離すほど花のかたちがはっきりするので、花との距離でボケ具合の調整をしましょう。余計なものが入らないように背景に気をつけて。顔とスマホが近いほどゆがみが生じやすいので、少し引き気味で撮影します。
△色味がないと寂しい。
◯色味がプラスされて華やかな印象に。
【撮影の様子】花がレンズに触れるくらいにぎりぎりに近づけるとボケる。
POINT3 背景の枝の位置に注意!
頭の後ろに木の枝や幹、電柱などが入ると、頭に刺さっているような印象になってしまうので要注意! 「串刺し構図」といって写真では嫌われる構図です。一歩動くだけで頭から外すことができるので、立ち位置を微調整しましょう。
×枝が頭から生えているよう。
◯枝を外してスッキリ!
POINT4 その場で一周回って光をチェック
撮影前にスマホを持ってグルリと一周して、きれいに光が当たる位置を探しましょう。顔に髪の毛や目の影が落ちると、老けて見えたり顔の雰囲気が違って見えることも。あまりに強すぎる光でなければ、逆光で撮影すると影に顔全体が入り、大きな影ができにくくきれいに写ります。真夏の昼間の順光は大きな影ができやすいので注意!
順光 真上から太陽が当たるトップ光の順光は、顔に髪の毛や目の影ができて×。
斜光 斜めからの光は陰影ができて立体感が出る。
逆光 おすすめ。顔に大きな陰影ができず肌がきれい!
【撮影の様子】スマホを持って光と影の出方を確認してみましょう。
2. 車×景色をカッコよく撮る
ドライブ中にふと出会った景色がすてきだったら、車を入れてカッコよく切り取りたいですよね。車や人などはつい寄って撮影してしまいがちですが、車だけを画面いっぱいに入れると、余白がなく窮屈な印象に。引いて余白を多くとることで、スタイリッシュな一枚になります。また、手前に植物を入れると、奥行きが出て余白にアクセントを入れる効果があります。
POINT1 スマホ画面の三分割上に車を配置する
気軽に撮れるスマホは、あまり構図を考えずにパシャっと撮りがちですが、少し構図を意識するだけで格段にカッコよく仕上がります。ポイントは余白。画面を横に三分割した線上に車を配置するとバランスよく 収まります。
「グリッド」という構図のガイドとなる格子状の線は、iPhoneでは「設定」から「グリッド」をONにすると表示されるようになります。
POINT2 手前に木を入れて奥行きを出す
余白を多く入れるとき、曇り空で少しさびしく感じるなら、手前に植物などを入れてみましょう。画面のバランスが良くなり、風景(奥)―車(中)―植物(前)の三層構造で奥行き感もアップします。
△引いて空間をつくっているのはいいが、曇り空の分量が多いと寂しい印象。
◯木が額縁となって奥行きが感じられる。
こんな撮り方も!
夕暮れのドラマチックな空と車を撮る
夕暮れは車をカッコよく撮影するのに最高の時間。暖色と寒色の入り混じった空を入れれば、鮮やかな写真に! この日は曇天でしたが、雲の陰影を 生かして重厚感ある雰囲気に撮るのもすてきです。
POINT1 しゃがんで空を入れる
立ったままの位置で撮影すると迫力のある雲が入らないので、ややしゃがんで撮影。このとき、スマホの向きを上方向に振るだけだと、上にすぼまった角度がついてしまいます。スマホが車のボディと平行になるように構え、撮る位置を低くするのがポイントです。
POINT2 車の前方を少し空ける
車の正面を入れて撮影するときは、前方に余白がないと詰まった感じで圧迫感があるので、正面方向の前方に余白をつくるようにします。車にかぎらず「顔」のある被写体はすべて、前方の空間を大きくとるのがおすすめです。
◯車の前の空間と空を多く入れた。
△中央に車を大きく入れた。
POINT3 編集で空をドラマチックに仕上げる
曇りの日は空が白くべったりと写りがちです。撮影した画像をスマホ内の「編集」機能で調整して、空のディテールを出しましょう。ポイントは白く飛びがちな「ハイライト」を下げ、「コントラスト」を上げることです。
1.「ハイライト」を下げて空の色味を出す。
2.「コントラスト」を上げて全体にメリハリを出す。
- ※画面はiPhone11Proで解説していますが、編集機能のある機種であれば「ハイライト」「コントラスト」の項目はほぼあるので、同様に行ってみてください。
車の一部を切り取ると雰囲気アップ
POINT1 車の一部を切り取る
車全体を入れるのではなく、一部分だけを切り取って撮影すことで洗練された雰囲気に仕上がります。風景と車が画面の一方に偏らないよう、対角線を意識して配置するとバランスよく収まります。
POINT2 背景が遠い場合はズームする
遠景の場合はズームして引き寄せることで、遠景と車をバランスよく入れることができます。「圧縮効果」といい、遠景と近景の距離感が圧縮されて、ダイナミックに切り取れます。
スマホ画面を指先でピンチアウト(指を広げる)してズームしましょう。
3.旅の風景をドラマティックに撮る
自然が織りなす美しい一瞬や、初めて行く街などは、旅が終わった後に見返しても感動するように美しく撮りたい! シャッターチャンスを見極めて、画角を意識してドラマティックに撮影しましょう。
POINT1 雲がかかった逆光はチャンス!
早朝にドライブに出かけると、朝日が昇る光景に出会えることも! 曇り空なら、太陽にフィルターがかかったように光量が抑えられるので、光と影の差が少なく空と手前の景色の両方をきれいに写せます。
○雲のフィルターがかかっていれば、逆光で太陽をそのまま入れても手前の風景が写りやすい!
△雲がなく強い逆光だと、手前の風景が黒くつぶれてしまう。こういうシーンでは、太陽か手前の景色か、どちらかを主役にしたほうがいい。
POINT2 林立するビル群は広角で切り取る
0.5倍の広角で撮影。大きな空と小さな飛行機、角度がついたビルで巨大さが伝わる。
広々とした空をバックにビルの谷間を悠々と飛ぶ飛行機の姿を写したい! そんなときは、ビルが立ち並び、空に向かって延びる様子を、広角で撮影するとダイナミックに表現しやすいです。構図をつくり、飛行機が入ってくるのを待って撮影します。
上の写真の中央にある雲とビルの対比が面白かったので、7倍にズームして撮影。広角と望遠を使えば、同じ位置から印象の異なった写真が撮れる。
広角にするときは画面をつまむようにして狭める。
![](/writer/__icsFiles/afieldfile/2022/04/06/T02M9HK1V8W-U02MWCHEVTN-522e53601659-512.jpeg)
山崎理佳
ReCamera主催。写真編集者・フォトグラファー。編集した写真関連の書籍やMOOK本は50冊以上、他ジャンルを合わせると100冊以上の本を編集。編集者&母の視点から写真を撮り、また毎日をより彩りあるものをするために、撮り方をわかりやすく伝えるのがライフワーク。著書『まるごとわかる! 撮り方ブック』(日東書院)。 山崎理佳さんの活動サイト「ReCamera」
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