わたしのドライブミュージック

マーティ・フリードマンが選ぶ、不滅のドライブ曲〈アンドリューW.K. / Party Hard〉

ギタリスト、作曲家のマーティ・フリードマンさんが愛聴するドライブソング4曲を紹介!

マーティ・フリードマン
2023.12.19

聞き手・構成=張江浩司 / 編集=神保勇揮(FINDERS編集部)/ イラスト=若林 萌

2023.12.19

聞き手・構成=張江浩司 / 編集=神保勇揮(FINDERS編集部)/ イラスト=若林 萌

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

マーティさんがおすすめする3曲目は、ハードでヘビィなドラムの音がドライブにしっくりくるアンドリューW.K.の曲です。友人でもあるアンドリューからは多大な刺激と影響を受け続けているのだとか。

音楽好きの著名人たちが、月替わりで自動車やドライブにまつわる音楽との思い出とともに至高のドライブミュージックを紹介します。

3曲目
アンドリューW.K. / Party Hard(パーティー・一直線!)

盟友のドライブ感の秘密はドラムサウンド

アンドリューW.K.は一番ドライブにオススメなアーティスト。何より運転が楽しくなります。僕は彼の音楽から「ドライブのための音楽」という概念を知ったんです。ドラムの音色や演奏の解釈など彼から影響を受けて、今でも一つの基準になっていますね。ドラムのレコーディングが普通のロックとは違うんですよ。

特にこの曲が入っている1stアルバム『I Get Wet(邦題:アイ・ゲット・ウェット〜パーティー・一直線!)』はすごい! 飛行機が顔面に衝突するような勢いがあって、感動しました。シンプルなスタイルの中に、隠し味的にドラムのドライとウェットな音を使い分けていて、とてもテクニカルです。この曲のドラムの音を聴いてもらえば、レッド・ツェッペリンともエアロスミスとも違うとわかるはず。それまでのハードロックを新しい次元に押し上げたと思います。

いつの時代でも人間はスピーディーなものに惹かれると思うんですよ。「〇〇年代の人はドライブ感がある音楽が好きだけど、✕✕年代の人は嫌い」なんてことはないでしょ? ドライブ感がある音楽は死なないというか、いつでも新鮮で古臭くならないです。人間はいつでも速く動きたい欲求があるんだと思う。

僕も2003年に『Music for Speeding』という5枚目のソロアルバムを出したことがあって、最強のドライブミュージックを作りたいと思ったからこのタイトルにしました。これはアンドリューW.K.からの影響ですね。でも、当時のリスナーは混乱したかもしれない。もっとわかりやすく『Music for Driving』にすればよかったかな(笑)。

彼には昔、自分が出ているテレビ番組に何回も出てもらったし、ライブに飛び入りしてギターを弾いたこともあったね。2010年にはコラボシングル『牙-KIBA-』も作って、日本語で歌ってもらいました。本人と一緒にドラムサウンドを実現させたし、素敵な組み合わせになった。あの曲もドライブ感を重視しました。

今回の連載で最初に取り上げた「風が吹いている」のカバーを聴くと、アンドリューW.K.からの影響が感じられると思います。これからも、彼に負けないように頑張っていきたいですね。

マーティ・フリードマン1曲目 LAのハイウェイでマーティ・フリードマンが風を感じた〈いきものがかり/風が吹いている〉
マーティ・フリードマン2曲目 マーティのイチ押しのドライブ曲! ハードでストレートなJ-POP〈ももいろクローバーZ / MONONOFU NIPPON feat.布袋寅泰〉
マーティ・フリードマン3曲目 マーティ・フリードマンが選ぶ、不滅のドライブ曲〈アンドリューW.K. / Party Hard〉
マーティ・フリードマン4曲目 マーティ・フリードマンが 砂漠のドライブデートで聴いた曲〈イーグルス / Take It Easy〉

マーティ・フリードマン

マーティ・フリードマン CACOPHONY等のバンド活動を経て、1990年MEGADETHに加入し全盛期を支える。ライブツアーで来日を重ねるうち日本通となり、2004年に活動拠点をアメリカLAから東京新宿へ移す。2005年に伝説のロックバラエティー番組「ヘビメタさん」、続編「ROCK FUJIYAMA」は現在でもYouTubeを通して世界各国で反響を呼んでいる。
スーパーギタリスト&日本好きの唯一無二の存在として才能を発揮しつつ、現在はギタリスト、作曲家、音楽プロデューサーだけにとどまらず、国境・業界の枠を越え、イベント、テレビ、ラジオ、CM、映画に出演。2017年文化庁から日本遺産大使に任命され、日本文化を世界に向けて紹介するなどマルチ・アーティストとして活動中。

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