夜道に人が…止まれるか?JAFが衝撃テスト!|自動車交通トピックス
撮影=柴田直行

夜間運転時に「路上で寝ている人」はどう見える? 気づいて止まれる? JAFユーザーテストを公開!

死亡率32%超の“見えない危険”に挑む! JAFが夜間運転時の停止可能性を年齢別にテスト

路上で寝ている人とクルマが接触する「路上寝込み」事故。交通事故総合分析センターによると2024(令和6) 年には311 件発生し、うち100件が死亡事故となっている。夜間の運転中、ドライバーは車道で寝ている人に気づき、止まることができるのかをJAFユーザーテストで検証し、その結果をJAFウェブサイトおよびJAF Mate誌(2025年秋号)で公開した。

目次

60代、40代、20代のモニターで「止まれるか」を検証!

運転中、車道に人が横たわっている可能性を考えたことはあるだろうか。JAF Mate夏号で実施したアンケートでは、読者の約10%が「路上寝込み」に遭遇している。路上寝込み事故は死亡事故率が非常に高く、同センターによると事故全体では約1%なのに対し、路上寝込み事故の死亡事故率は約32%。また警察庁によると、65歳未満の歩行中死者数のうち、路上寝込みによるものが約23%を占めており、その約90%が夜間に発生している。

そこで今回は夜間運転時、ドライバーが路上で寝込んでいる人を発見した場合、安全に止まれるかをテストした。モニターは60歳代、40歳代、20歳代の3人。街灯などのないテストコースを時速60kmで、1回目はロービーム、2回目はハイビームで周回してもらい、周回の途中で置かれたマネキンに対して、手前で止まれるかを調べた。

●今回のテスト内容
今回のモニターは日常的に運転をしている男性3名。テストの趣旨は伝えず「障害物があったらハンドルで避けるのではなく、ブレーキを踏んでください」と説明した。またなるべく普段の運転を再現できるよう、運転中は助手席に座るサポート役と会話をしてもらった。

ハイビームでの運転席からの見え方

マネキンまでは約30mの位置からハイビームにした状態での運転席からの見え方。丸印部分にマネキンが地面に寝ている

40代モニターはマネキンに接触! ほか2名は手前で止まれた

40歳代のモニターはロービーム、ハイビームのいずれの場合もマネキンに接触。特にロービームでは、接触するまでマネキンに気づかなかった。全体を見ると 2回目の走行ではあるが、ハイビームのほうがロービームより約10m手前で止まれている。またモニターは全員「何かある」と気づいてから「止まるべき」と判断するまで少し間があったと話した。

60歳代ロービームのテストでは8.8m手前で止まれたが、これは時速60kmではブレーキが約0.5秒遅れるだけで接触する距離。違和感があったらまずブレーキを踏むことが重要だ。なお今回は注意をそらす看板や信号などがなく、モニターも「何かのテストだ」と意識していた。実際の運転ではさらに悪い結果となることも予想される。

今回のテスト結果はこちら!

テスト結果の表組

今回のテストではマネキンの手前で止まれたケースが多かったが、実際の運転では発見や対応が遅れる可能性もある。夜は速度を抑え、適宜ハイビームとロービームを使いわけよう。違和感があれば、まずはブレーキを踏んで速度を落とすこと。

詳しいテスト結果や動画はJAFユーザーテスト資料編をチェック!

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