【2025年確定申告】フリーランスや自営業、副業サラリーマンが知っておきたい、節税に役立つ「クルマの経費」
EVの電気代も経費になる? サラリーマンがクルマで通院したら? 燃料費や駐車場代、減価償却の仕組みも解説
2月から3月は確定申告の季節。2024年(令和6年)分の所得税は、2025年2月17日(月)〜3月17日(月)の間に確定申告を行い、納税する必要がある。サラリーマンにはあまり縁のない話だが、個人で仕事をしている自営業(個人事業主)やフリーランス(以下、自営業)にとっては、ここで1年間の収支の申告をしなければならない。自営業をしている人にとって「経費」の申告は節税対策にもなる重要な処理といえる。クルマを仕事で使っている自営業の人達はどのような申告をすればいいのか、また副業をしているサラリーマンの場合はどうなるのか、解説する。
業務と家事按分…クルマにかかる費用を経費にするための条件とは
そもそもの話だが、クルマにかかるさまざまな費用を経費とするためにはどうすればいいのか疑問に持つ人も多いだろう。ここでは、経費にするための条件を2つ紹介する。
仕事でクルマを使っている
大前提として、クルマを仕事(業務)で使っていることが必須となる。自営業でクルマを使うイメージは、貨物の運送がわかりやすいかもしれないが、取引先への営業など移動手段としてクルマを使っている場合は、もちろん経費として認められる。
「仕事」と「プライベート」の割合を算出する
自営業をしている人の多くは、仕事もプライベートも1台の車を使っているケースがある。そういった場合はクルマにかかった費用の全額を経費として算出することはできない。この場合、帳簿上では「家事按分」という作業をすることで経費として確定申告できる。
家事按分とは、かかった費用を「家庭」と「事業」で按分(分ける)ことを指す。例えば1年間で10万円、クルマにお金がかかったとする。このなかで事業に使った分が60%だった場合は、6万円が経費として申告できる、ということになる。もし仕事とプライベートでそれぞれ別のクルマを使っている場合は、仕事用のクルマにかかったお金は全額経費として申告できる。
クルマを購入した場合は要注意! クルマ関係で経費になる項目は
クルマを使っていると、さまざまなお金がかかる。どのようなお金が経費として計上できるのかを確認していこう。
燃料費
クルマを動かすのにかかるガソリン代などの燃料費は経費にできる。環境対策等で電気自動車やプラグインハイブリッド車に乗っている自営業の方もいると思うが、こうしたクルマの充電にかかった電気代も経費として申告可能だ。
駐車場代
クルマを止めるために契約している月極駐車場はもちろんだが、取引先訪問時に利用したコインパーキングの利用料金も経費として申告できる。領収書を発行してもらい、保管しておこう。
保険料
自賠責保険、任意保険の保険料も経費となる。普通乗用車の自賠責保険は車検時に2年あるいは3年分まとめて支払うことになるが、これは家事按分せず全額経費として申告可能だ。
税金
クルマにかかる自動車重量税や自動車税(軽自動車税)も経費にできる。車検時に納める自動車重量税は2年分(3年分)まとめて納付することになるが、これも自賠責保険と同様、家事按分せずに一括して経費計上する。
メンテナンス代
クルマを維持管理するのに必要となるエンジンオイルオイルやタイヤといった消耗品、法定点検や車検でかかった費用、故障修理の時に発生する修理費用も経費として申告できる。
その際、基本的に整備費用は「修繕費」として計上するが、車検の時に支払う代行手数料は「支払手数料」、保険は「保険料」、自動車重量税は「租税公課」と、それぞれ勘定科目が異なるので注意したい。
車両代
確定申告をする年度に事業用のクルマを購入した場合、経費の対象となる。買ったクルマが新車か中古車か、中古車の場合は経過年数によって「減価償却」の有無が発生する。車の法定耐用年数は普通車の場合は6年、軽自動車の場合は4年と定められている。算出方法など、詳細は税理士や国税庁のオンライン相談窓口、お住まいの地域を管轄している税務署に相談すると良いだろう。
副業でもクルマにかかる費用を経費にできる?
また、近年では本業に加えて副業で収入を得ているサラリーマンが増えてきている。副業収入から経費を差し引いた所得が20万円を超えた場合は確定申告が必要だが、副業でクルマを使っている場合は自営業と同じく、これらの費用を経費として計上可能だ。
ただし、経費計上が可能なケースは個人事業主として仕事をしている場合に限り、アルバイトなど会社と雇用契約を結ぶ勤務形態の場合は、確定申告が必要だが経費計上はできないので注意しよう。
サラリーマンでも通院にかかったガソリン代は確定申告できる・できない?
自営業だけでなくサラリーマンも1年間でかかった医療費を精算するため、確定申告で医療費控除をする人もいるだろう。医療費控除では病院までの交通費も経費とすることは可能だが、「ガソリン代(燃料費)」と「駐車場代」は経費として認められないので注意しよう。
医療費控除の交通費(経費)として認められるのは電車代とバス代などの公共交通機関のみだ。急に陣痛がきた、怪我や病気の状態など常識の範囲でタクシーを使った場合は認められる場合はあるが、基本的にタクシー代は経費として認められない。
税金に関する疑問は税理士に相談を
クルマにかかったお金を経費としたい場合、どの範囲までなら大丈夫か悩むこともあるだろう。そういったときは税金の専門家である税理士に相談することをおすすめする。自営業の場合、確定申告の代行を依頼するケースもあるだろうから、不明な点を聞くことも含めて常日頃から頼ったほうがいいだろう。
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宇野源一
うの・げんいち 大学卒業後、大手メーカー系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。2018年よりライターとしても活動。FP視点でのカーライフを提案することが得意。
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