電動キックボードの事故は1年で219件! 警察庁が「特定小型原動機付自転車に関する規定の施行後1年間の状況」を発表
7割は東京都で発生 ! 警察庁の対策は?特定小型原動機付自転車とは、16歳以上なら運転免許がなくても運転できる乗り物で、2023年7月から利用できるようになった。電動キックボードがその代表で、小回りができて自転車のように利用できるため、都市部を中心に急速に普及している。しかし、1年で200件を超える事故が発生しており、安全に運転するためのルール遵守が求められている。
特定小型原動機付自転車に関する規定の施行後1年間の状況
警察庁によると、特定小型原動機付自転車に関する規定施行後1年間で交通違反の検挙件数が2万5156件となった。主な違反としては、通行区分違反(右折レーンで交差点を直進するなど)が1万3842件(55%)と最も多く、そのうち信号無視が7725件(31%)だった。また、事故発生件数は219件と200件を超え、負傷者数は226人にものぼった。
都道府県別では東京都での発生が最も多く、全体の7割を超えている。用途別ではレンタルの車両による事故が9割。運転者の年齢別では20歳代が半数を占めている。また、一定の違反行為(危険行為)を3年以内に2回以上行った者に対して受講を命じられる、特定小型原動機付自転車運転者講習制度の受講者は255人と、こちらも200人を超えていた。
特定小型原動機付自転車の利用者へのアンケート調査
警察庁では、利用者へ行ったアンケート調査も公表しており、結果は以下のとおりである。
・交通ルールはほとんどの利用者が正しく理解している
・交通ルールテストによって交通ルールを知ったという利用者が7割
・ヘルメットを所持している利用者は約2割
アンケート結果から特定小型原動機付自転車の利用者は、交通ルールを正しく理解しているものの、頭を守るヘルメットを所有している者は2割に留まっている。安全運転のためには交通ルールを守るだけでなく、ヘルメット着用も重要だ。
その一方で2024年1〜6月に全国で134件発生した電動キックボードが絡む事故のうち、23件(17%)が飲酒運転だったことも報告されている。特定小型原動機付自転車を利用する方へのより厳格な交通ルール周知が求められているといえるだろう。
特定小型原動機付自転車に関する今後の取り組みの方向性
警察庁は今回の状況調査結果を踏まえ、以下のような方向性をしめした。
・ヘルメットの着用を促進するための取り組みにより力を入れる
・交通安全教育を一層充実させる
・飲酒運転をはじめとする悪質・危険な交通違反に対する重点的な取締りの促進
電動キックボードは小回りがきいて細い道でも通れるうえに、自転車のように自分でペダルをこぐ必要もないとても便利な乗り物だ。しかし200件を超える交通事故が発生し、負傷者も220人以上いることから、ヘルメットの着用やルール周知が必要である。
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