電動キックボードは保安基準に適した製品を選んで使用しよう!
国土交通省は、2022年12月に特定小型原動機付自転車(電動キックボード等)の保安基準適合性を確認する「性能等確認制度」を創設した。これは、安全な特定小型原動機付自転車の普及を図るために作られたものだが、昨今インターネット上で販売されている車両を中心に調査を行ったところ、同基準に適合しない車両が複数確認された。 公道で走行するために電動キックボードを購入する場合は、後述する保安基準を満たした製品を選ばなければならない。
特定小型原動機付自転車とは?
特定小型原動機付自転車とは、国土交通省のウェブサイト によると、原動機付自転車のうち下記の表のすべてに該当するものを指す。
原動機付自転車 | ||
特定小型原動機付自転車 | 一般原動機付自転車 | |
最高速度 | 20km/h以下 |
特定小型原動機付自転車 以外のもの |
定格出力 | 0.6kW以下 | |
長さ | 1.9m以下 | |
幅 | 0.6m以下 | |
高さ | ‐ |
電動キックボードは、2023年6月末までは原付自転車などの扱いを受けていた。原付自転車であれば、保安基準を満たした上で、最高速度30km/h、車両区分に応じた免許とヘルメット装着などが必須であった。改正道路交通法施行後は特定小型原動機付自転車の規格を満たした車両については、16歳以上であれば運転免許が不要となる。一方、自賠責保険への加入やナンバーの取得は一般原付と同様に義務だ。走行については車道の左端を通行し、右側の通行は禁止。そのため、右折についてはすべての交差点で二段階右折を行う必要がある。
また、下記についても禁止されている。
- 16歳未満の運転
- 飲酒運転
- スマートフォン等を手に持って通話したり、画面を注視したりしながらの運転
ヘルメット着用は努力義務ではあるが、事故の被害軽減のためにもヘルメットはぜひ着用したい。
特定原付自転車に必要な装備とは?
特定小型原動機付自転車の保安基準は以下8つの項目を装備し、基準を満たす必要がある。
- 前照灯(ヘッドライト)
- 方向指示器(ウィンカー)
- 警音器(クラクション等)
- バッテリーの安全性
- 最高速度表示灯
- 制動装置(ブレーキ)
- 尾灯、制動灯(テールランプ、ブレーキランプ)
- その他(走行安定性、スピードリミッター)
この保安基準に合格した車両には、”性能等確認済”を示すシールが車体に貼り付けられる。2024年2月1日の時点では37車種が登録されており、その詳細は国土交通省のウェブサイト で公表されている。
ウェブで販売される10車種を調べたところ6車種が基準不適合
国土交通省はウェブ上で流通する電動キックボードについて、保安基準に関する調査を実施した。この調査は、現在流通している81車種のうち、保安基準を満たさない可能性がある10車種をピックアップして行われたものである。調査の結果、6車種で基準不適合が確認された。
不適合の6車種に対して、国土交通省は下記内容を指導している。
- 車両を改良し、性能等確認を受けること
- すでに販売した車両について、不適合箇所を回収する措置を講じること
- 「特定小型原動機付自転車の安全な利用を促進するための関係事業者ガイドライン」を遵守すること
また、保安基準不適合車両については警察庁、消費者庁及び経済産業省に対して情報提供を行っており、ウェブ上で不適合車両の購入を防ぐ対策を行っている。
購入時は保安基準を満たしているか確認を
国土交通省の指導によって保安基準を満たさない電動キックボードが市場に出回る機会は減少しているという。ただし、ウェブ上には基準を満たさない新製品なども流通している可能性があるため、注意が必要だ。
基準を満たさない製品の例として、「公道走行不可」の製品もある。購入する際は商品情報をきちんと確認して購入したい。
不適合商品を使用すると道路交通法違反に問われる可能性がある。保安基準適合性が確認された車種や不適合品の情報提供窓口などは下記ページを参照のこと。