初代ルーチェが変えた国産セダンの常識! “高速巡航性能”という新たな価値とは?
日本車に「走りと快適性の両立」という新基準をもたらしたマツダの意欲作高速ツーリングをテーマに開発され、流麗なスタイルと新設計SOHCエンジンを備えた初代ルーチェ。クラス唯一の6人乗りやAT設定など、当時としては先進的な装備を採用し、急速に広がるマイカー市場で“上質な国産中型車”という新しい価値を提示した。
【1966年7月29日】
高級マイカー時代の幕を開けた初代「ルーチェ」発表!
1967年に追加されたルーチェSSは、走りの質を高めたスポーティー仕様。86PSを発揮するエンジンを備え、最高速度160km/hを可能にした
マツダの初代ルーチェは、日本のモータリゼーションが一気に加速した “マイカー元年”に登場した上級サルーンである。
当時のニュースリリースでは「高速ツーリングをテーマに在来車の高水準性能を一段と高めたもの」と説明され、新設計の1.5Lエンジンは78PSを発揮。連続最高速度150km/hの余裕ある高速走行を可能にしたと強調されている。
ボディーは 4ドアセダン1種類に絞られ、スタンダード/デラックスの2グレードを設定。曲面を生かした上質なスタイル、長いホイールベース、低い重心などにより、当時の国産車では珍しい“欧州車のような上級感”を備えていた。また、クラス唯一の6人乗りであり、広い室内空間はファミリー層にも訴求。マツダが高級車市場へ本格参入する姿勢を明確に示すモデルとなった。
ちょうど高速道路網の整備が始まった時代にあって、ルーチェは“高速巡航性能”という新しい価値を国産車に提示した存在でもある。さらにニュースリリースでは「排気ガス対策など細心な安全性配慮」「メインテナンスフリー機構の大幅な採用」なども強調されており、国産車に品質向上が求められ始めた時代背景も読み取れる。
1967年には、ツインキャブ化や足まわり強化を施した「SS」が追加され、ルーチェの高速ツーリング思想をさらに推し進める。これは後のロータリー搭載モデルへと続く性能志向の流れを生み出す重要な布石となった。
初代ルーチェは日本の自動車文化が“高速・上質・安全”へ向かう転換点に現れ、時代の空気を鮮やかに映し出したモデルといえる。
【SUA型 マツダ・ルーチェ 1500デラックス】
●全長×全幅×全高:4370×1630×1410mm ●ホイールベース:2500mm ●車両重量:1050kg ●搭載エンジン:UB型(1490cc 水冷直列4気筒SOHC)