ペーパードライバーが車のことをどれだけ知っているのか調査してみました!
ワイパー交換までできちゃうの⁉車に関するさまざまなことを調査してみる「JMO特命調査団」。第3回目はふだん車に触れる機会の少ないペーパードライバーが「車」のことをどれだけ知っているのか、いくつかテストを用意してみました!
ペーパードライバーは車のことをどれだけ知っているのか!?
車に関する記事を制作するJAF Mate編集部では、「運転」も頻繁に行います。そんななか、2人の編集部員が相談にやってきました。
「私たち車を運転できないのが申し訳なくて……。運転できるようになりたいのですが、どうしたらいいんでしょう?」
確かに2人はペーパードライバー。運転が必要なときはほかの編集部員にお願いしているのですが、最近はそれに申し訳なさを感じているようです。もちろん人には得手不得手があるので、「まずは肩身の狭さを感じさせない職場改革!」というのも重要ですが、今回はせっかく本人たちがやる気なので乗っかってみましょう。
いきなり路上に出るスパルタな練習も思い浮かびましたが、そこはやさしさとコンプライアンス重視のJAF Mate編集部。まずは2人がどれだけ車について知っているか調べることにしました。「車の運転が不安」というのは、運転経験の少なさはもちろんですが、「そもそも車のことを知らない」ことからくるのかもしれません。
ということで今回は、元JAFロードサービス隊員の通称レフェリーマンにも協力を依頼。いくつかテスト項目を用意して、2人がどれだけ車について知っているのかを調査してみることにしました。果たして現状の車の理解度は? さらにテストを通じて車との触れ合いを深めることで、運転へのやる気が高まるのか? いざ調査開始です!
今回参加してくれたモニターを紹介!
- モニター1
ペーパードライバー歴は17年。車を必要としない都内での生活が長く、長年運転からは遠ざかっていた。最近郊外に引っ越し、少しずつ運転の練習を再開したそうだが、本人曰(いわ)く、「知っている道ならなんとか……という感じで、はじめての道や一人での運転はまだまだ怖い!」とのこと。
- モニター2
ペーパードライバー歴は9年。免許取得以来、帰省の際に「勘が鈍るから」と無理やり近場を運転させられる以外は、ほとんど運転経験なし。数年前にJAF Mateの運転レッスンで生徒役としてレッスンを受けていたが、そのときの経験は生きるのか!?
- レフェリーマン
16歳で2輪の免許を取得して以来、趣味は車とバイク。7年前までJAFロードサービス隊に所属し、整備経験も豊富な車のプロ。ちなみにこのアフロは本人の発案で、企画のためならどんなことも厭(いと)わぬナイスガイ。
テスト内容はレフェリーマンにも協力してもらい、車に関する基礎知識をベースに、徐々にペーパードライバーのモニターが苦戦していくようなレベル感で作成しました。
レベル1:ウォッシャー液を出す(1分)
レベル2:給油口を開ける(1分)
レベル3:ボンネットオープナーを引き、ボンネットを開け、ストッパーをかける(3分)
レベル4:ウォッシャー液を補充する(2分)
レベル5:適正空気圧を調べ、タイヤの空気圧を測る(3分)
ファイナルステージ:ワイパーブレードを交換する(時間無制限)
( )内の数字は制限時間です。知らないことはいくら粘ってもできませんからね。またレフェリーマンにはテストが成功したか否かのジャッジはもちろん、危険なところや車に悪影響を与える箇所を触らないかの判断も頼みました。サンキュー、レフェリー‼
果たして2人のモニターは、ドライバーとしての基礎知識をどれだけ持っているのでしょうか? 早速調査開始です!
レベル1:ウォッシャー液を出す(1分)
初級編であるレベル1は、フロントウインドーのウォッシャー液を出せるかどうか。毎回の運転で必須ではありませんが、ドライバーとしてウォッシャー液を出す方法を知っているのは当たり前。もっとも企画担当としては、ハイビームの誤作動といったハプニングを期待してしまいますが、果たして……。
ウォッシャー液テストの様子は下記の動画でご覧ください!
結果は、
モニター1→失敗
モニター2→成功
2人ともなぜかリアウインドーのウォッシャー液は出せたのですが(といっても何かごちゃごちゃ触っているうちに出たという感じで、2人ともダダ漏れ状態でしたが……)、モニター1はフロントウインドーのウォッシャー液は出せず、モニター2のみ成功という結果になりました。
2人が陥った止まらないウォッシャー液地獄。車の下は水たまりに。
見たことのない速度で動くワイパーに目を丸くするモニター1。
レベル2:給油口を開ける(1分)
給油口オープナーがマニアックな場所にある車種もありますが、テスト車は一般的なあの場所です。自分で給油する人ならできて当然ですが、2人は……。
給油口テストの様子は下記の動画でご覧ください!
モニター1→成功
モニター2→成功
無事成功しました! と言いたいところなのですが、最初は2人ともなぜかドアミラーを動かすなど苦戦。見かねた心やさしいレフェリーマンの「足元をよく探してみて」という助言のおかげで成功したのでした。まあ、大目に見ておきますか。
いきなり動いたドアミラーに、またもや目を丸くするモニター1。
今回のテスト車両は、給油口がシートの横にあるタイプでした。
レベル3:ボンネットオープナーを引き、ボンネットを開け、ストッパーをかける(3分)
レベル3はボンネットを開けて、ストッパーをかけるまで。ボンネットを開けるという行為を人生で必要としなかった自称ペーパードライバーにとって、異次元の世界と言っていいエンジンルーム。未知との遭遇は成ったのか!?
ボンネットテストの様子は下記の動画でご覧ください!
モニター1→成功
モニター2→ボンネットオープナーは引けたものの、レバーの存在に気づかず失敗
2人ともオープナーを引くところまではできたのですが、ボンネットを持ち上げるためのロックをはずすレバーにたどり着けず、モニター2はここで脱落。車内にあるオープナーまでは何とか感覚的にわかるのかもしれませんね。モニター1も最初は闇雲(やみくも)にボンネットを押したり引いたりしていたのですが、なんとかレバーを見つけ、成功です。
無理やりボンネットを開けようとするモニター2に、たまらずレフェリーマンもイエローカード。
ボンネットを持ち上げられたモニター1はガッツポーズです。なんだかレフェリーマンもうれしそう。
レベル4:ウォッシャー液を補充する(2分)
ボンネットを開けたら次はウォッシャー液の補充です。2人とも容器に入ったウォッシャー液自体が初見なので、補充口を見つけ、実際に補充するまでは難しいかと思いきや……。
ウォッシャー液の補充テストの様子は下記の動画でご覧ください!
モニター1→成功
モニター2→成功
冷却水を入れるリザーバータンクに手を伸ばすかもと、レフェリーマンが注意を払うもなんと2人とも成功です! モニター1は最初エンジンルームの奥の方を指差しましたが、すぐに気が付いた様子。モニター2は一発クリアでした。2人に聞いてみると、キャップに描かれていたマークですぐにピンときたようです。
とはいえこれが1人だったら「本当にここに入れて大丈夫かな」と不安になっていたかもしれません。いざというときは止めてくれるレフェリーマンのおかげです。ありがとう、レフェリーマン!
ペーパードライバーをして「わかりやすい」と言わしめた、秀逸なデザインのマークが描かれたキャップ。
しっかり見守っていてくれて、ありがとうレフェリーマン!
レベル5:適正空気圧を調べ、タイヤの空気圧を測る(3分)
ここまでくると、普段から車に乗っていても知らない方が多そうです。運転席のドア開口部などに貼ってある適正空気圧が書かれたラベルを探し、エアゲージ(空気圧計)で空気圧を測るという順番。果たして結果は……。
空気圧のテストの様子は下記の動画でご覧ください!
モニター1→ラベルは見つけられなかったが、空気圧は測れた!
モニター2→ラベルは見つけられなかったが、空気圧は測れた!
2人ともラベル探しに苦労した様子。「車のどこかに貼ってあります」とだけ伝えていたので、車の周りをグルグル回ったり、運転席周りを調べたり。このテストでは制限時間を「ラベル探しに1分」「空気圧を測るのに2分」としていたので、2人ともタイムオーバーになってしまいました。
しかしその後の空気圧を測るテストでは、2人とも正しくエアゲージを使うことができていました。自転車などに使う空気入れと形が似ていたことから、なんとなく使い方がわかったようです。
今回使用したエアゲージ。
まずは触ってみるモニター2。意外と感覚派?
調査完了! と思いきや??
正直もっと苦戦するかと思っていたのですが、想定外の活躍を見せてくれた2人。この時点で2人の今日の調査結果をおさらいしておきましょう。
ウォッシャー液 | 給油口 | ボンネット | ウォッシャー液補充 | 空気圧 | |
モニター1 | × | ○ | ○ | ○ | △ |
モニター2 | ○ | ○ | × | ○ | △ |
結果はお互い3勝1敗1分けとまさかの同点。素晴らしい成績を収めてくれましたね! そんな2人のために、実は内緒でかなり難易度の高いファイナルステージを用意しました。そう、運転自慢でもできるとは限らないワイパーブレードの交換です!
ワイパーブレードの仕組みをきちんと理解できていないと、交換どころか外すことすら難しいこのテスト。レフェリーマンをして「きちんとできる人のほうが少ない」という難関っぷりなので、今回は2人で知恵を合わせて挑んでもらいました。ボンネットに敷いてあるカラフルなタオルは、ボディやガラスを傷つけないための養生です。結果は果たして……。
ワイパーブレード交換はさすがにできないはず!
ワイパーブレードはそれなりに大きいので、慣れないとそれだけで扱いに苦労しそう。
構造を確かめながら挑戦する2人。これまでは1人ずつのテストだったので、なんだか楽しそうです。
なんとできちゃいました!!!!
「正直できないだろう」と高をくくっていた我々調査団。苦戦している2人を背景にエンディングを撮ろうと準備していたのですが、後ろから聞こえた「取れた!」という声に思わずびっくり。実はいろいろ動かしているうちに偶然取れたらしく、モニター自身もびっくりしていたのはここだけの秘密です。というわけで記念撮影!
ただしここで終わりではありません。「交換」ですから新しいブレードに付け替えなければならないのです。偶然に助けられて「外す」ことには成功しましたが、「取り付け」は果たして……。
まだ終わりじゃありません。「取り付ける」までが交換です。
なんとこちらもできちゃいました!!!!
「さすがに取り付けは無理だろう」とエンディングの準備に戻ったスタッフですが、またしてもびっくり! 正確にはブレードを取り付ける方向を逆向きにしてしまっていたので、完璧に成功したわけではないのですが、努力(と運?)に免じて、今回限りはレフェリーマンも「セーフ」の判定。2人とも、お疲れさまでした!
今度こそ本当に調査完了!
そんなこんなで、今回も無事に調査を終えることができました。5項目テストして同点というミラクルな結果を残してくれたモニター2人にはもちろん、しっかり調査をサポートしてくれたレフェリーマンにも感謝です。
さて今回の調査の目的は、ペーパードライバーの2人が車についてどれだけ知っているかを調べること。さらに言えば、「車と触れ合って運転への不安は解消されたのか」ということにありました。2人とも、今日のテストを終えていかがでしたか?
モニター1「稀に運転するにしても近場だけなので、ウォッシャー液を出すなどイレギュラーには全然対応できないことがわかりました」
モニター2「0点にはならずホッとしました(笑)。正直まだ車への不安は拭い切れませんが、今回のテストで得た知識はいつか役立たせたいです!」
まあ最初はこんなものですかね。ワイパーブレードを交換するより車庫入れの方が簡単な気もするので、2人とも近い将来のペーパードライバーからの脱却に期待です。これからも特命調査団は、車好きを増やすための普及活動をひっそりと織り交ぜつつ、車に関するさまざまなことを調査していきます! お楽しみに!
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