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専用の機器で検査をする様子
広告:一般社団法人 日本損害保険協会

~ドライバーなら誰もが加入する自賠責保険。その“見えないチカラ”とは?~

一般財団法人全日本交通安全協会、「高齢者ドライバーズ・クリニック」で安全を守る!

すべての自動車やバイクに加入が義務づけられている「自賠責保険」。その主な役割は交通事故の被害者に対する損害賠償の補填ですが、実はそれだけではありません。保険料をもとに得られる「運用益」は、被害者支援や自動車事故防止など、公益性の高い事業にも活用されています。
JAF Mate Onlineではその現場を全3話の特集で徹底取材し、最終話となる本記事では一般財団法人全日本交通安全協会が取り組む「高齢者ドライバーズ・クリニック」を通じて、自賠責保険の運用益がどのように社会に役立っているのかをご紹介します。

目次

高齢ドライバーによる事故減少に新アプローチ!

高齢化が進む現代社会では、交通安全の確保において高齢ドライバーによる交通事故防止の取組みがますます重要な課題となっています。加齢による体力の衰えで引き起こされる交通事故には、以下のような要因が考えられます。

●運転操作の不適:ブレーキやアクセルの踏み間違い、ハンドル操作の誤操作など
●認知機能の低下:判断ミスや認知能力の衰えなど
●身体機能の低下:視野の狭まりや反応速度の低下による操作の遅れなど

3~5年ごとの運転免許の更新時には、高齢者に「認知機能検査」や「講習(座学・実技)」が実施されます。しかし、認知機能や身体機能の低下は個人差が大きく、いつどのように現れるかを予測するのは困難です。
一般財団法人全日本交通安全協会(以下、全安協)の中野氏は、「今後は加齢による視野狭窄などの身体機能の低下が、交通事故の引き金となるケースが増える」と予測します。
たとえば、40代から発症率が高まるといわれる緑内障は、初期段階から視野に影響を及ぼし、周囲の状況を把握しづらくします。徐々に症状が進行するので自覚しにくく、悪化すれば信号の見落としや横断歩行者への対応の遅れにつながるかもしれません。
こうした課題への対策として全安協が提案するのが、自身の身体機能を手軽にチェックできる「高齢者ドライバーズ・クリニック」(以下、ドライバーズ・クリニック)の導入です。

(右)一般財団法人全日本交通安全協会の中野さんと(左)公益財団法人千葉県交通安全協会の正木さんが並んで座っている様子

(右)一般財団法人全日本交通安全協会 安全対策第一課 兼 安全対策第二課・総務課 係長 中野司宇氏
(左)公益財団法人千葉県交通安全協会 総務課 課長 正木貞雄氏

全国展開へ! 注目のドライバーズ・クリニックとは?

全安協は全国津々浦々、各地域で独自の交通安全啓発活動を展開する交通安全協会の活動を支援・サポートする役割を担っています。また、交通事故の防止と円滑な交通の実現を目指し、多様な事業も推進しています。
代表的な取組みは、交通安全国民運動中央大会の開催、交通安全栄誉章の授与、交通安全こども自転車全国大会の開催、交通安全教育指導者の研修など。ドライバーズ・クリニックも、重要な施策のひとつとして位置づけられています。
ドライバーズ・クリニックは3か年計画のモデル事業で、現在は千葉・静岡・富山・山形・愛知・広島・沖縄の7県で試験的に実施されています。2025年度末までに開催状況や利用者の反応、課題などを検証し、全国的な普及・定着に向けた方針が検討される予定です。
今回は、実際にドライバーズ・クリニックを開催している公益財団法人千葉県交通安全協会の協力を得て、現場の様子を取材することができました。

ゲーム感覚で検査が楽しい! 運用益を機器購入に活用

ドライバーズ・クリニックは、専用の検査機器を使って運転に必要な身体機能などを確認できる健康診断です。対象は高齢者およびその“予備軍”とされる60歳前後の運転免許証保有者ですが、希望があれば誰でも無料で受診できます。
使用される検査機器は、以下の4種類です。

ビジュアル・フィールド・チェッカー

自分の見える範囲を測定できる視野診断計

ダイナミック・ビジランス・チェッカー

視覚機能が診断でき、自分の認知機能の弱点がわかる動体認知測定装置

SAFETYドライブチェッカー

モニターに映し出された道路を疑似走行し、信号機や歩行者の有無によってアクセルとブレーキを確実に踏みかえられるかを診断

ミニ点灯くん 運転・歩行能力診断

点灯する光を追ってランプを押すだけで見えにくい箇所を診断し、認知能力や動作能力、判断能力、瞬間的な記憶力を測定

いずれもゲーム感覚で楽しみながら検査できるのが特徴です。検査で身体機能の低下が判明した場合には、必要に応じて適切な助言も受けられます。自賠責保険の運用益は、これらの機器や検査に必要な消耗品の購入費などに活用されています。

安全と健康への意識が変わる。高評価の理由とは?

全安協の集計によると、2024年9月から2025年3月までのドライバーズ・クリニックの参加者は延べ745人。そのうち約8割が65歳以上ですが、65歳未満の参加者も一定数おり、高齢ドライバー予備軍への啓発にも効果を発揮しています。
参加者からは「体力の衰えに初めて気づいた」「動きづらい箇所や見えにくい範囲がわかった」といった感想が多く寄せられ、「安全運転への意識の向上や医療機関の受診につながっている」と千葉県交通安全協会の正木氏は話します。また、ドライバーズ・クリニックは運転免許証の返納を促すものではなく、あくまでも「本人の意識改革や家族との相談のきっかけ作りが目的」であることも強調します。
各検査の測定時間が短く、体力的な負担が少ないのも、高齢者にとって参加しやすい理由といえます。たとえば、ビジュアル・フィールド・チェッカーとダイナミック・ビジランス・チェッカーの2種類だけでもある程度は身体の状態を診断でき、残りの検査は後日に受けても問題ありません。こうした柔軟性の高さもドライバーズ・クリニックの特徴といえるでしょう。

専用の機器を実際に使用する様子

ドライバーズ・クリニックの実際の様子

適切な運転行動や生活改善のヒントがココに!

ドライバーズ・クリニックの参加者には、自ら運転時の注意点を尋ねる人もいます。そうした質問には「視野が狭くなっている場合は、首を少し大きく振って左右を確認する。判断力などが低下しているときは、夜間や長時間の運転を控える」など、身体の状態に合わせた運転行動を心がけることの重要性を伝えると中野氏は話します。
そのうえで、「アイフレイル」や「サルコペニア」の予防体操を提案することもあります。アイフレイルは目の機能の衰え、サルコペニアは筋肉量の減少などに焦点を当てた加齢に伴う身体機能の低下に関連する概念で、健康促進を目的に考案されたのが予防体操です。
ドライバーズ・クリニックで使用する検査機器は持ち運びが容易で、学校やショッピングモールなどへ出張開催も可能。身近な場所で健康に関する幅広い情報を得られるため、ドライバーズ・クリニックの本格的な運用を望む声が多く寄せられています。

気づきと予防が未来を変える。運転寿命を延ばそう!

ドライバーズ・クリニックの参加者には、全安協が作成した冊子『認知・判断力診断 セルフチェック版』が配布されます。高齢者やその家族が日常的に認知機能を把握できるツールで、街並みのイラストに描かれた標識を記憶したり、ランダムに並んだ数字を指定された順に線で結んだりと、楽しみながら取り組めるよう工夫されています。この冊子は全安協に連絡すれば個人でも購入できるので、ぜひ活用してください。
高齢ドライバーが安全に運転を続けるためには、身体の変化に気づき、適切な対策や予防策を講じることが欠かせません。ドライバーズ・クリニックやセルフチェック冊子で自分自身の状態を知り、無理のない運転を心がけることが、健康寿命と運転寿命を延ばす第一歩となります。
高齢社会における交通安全の鍵を握る取組みとして、今後の展開が期待される全安協のドライバーズ・クリニック。その活動は、自賠責保険の運用益拠出事業の支援によって支えられています。

全安協が作成した『認知・判断力診断 セルフチェック版』

『認知・判断力診断 セルフチェック版』表紙

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