運転中に遭遇する急なトラブル、あなたは的確に対応できますか?
いつもでも快適なカーライフを楽しむために欠かせない点検・整備【第5回】定期点検整備をきちんと行っていても、自動車の故障等のトラブルに遭遇してしまうことがあります。
発生件数が多いバッテリー上がりやタイヤのパンクのトラブル対処法について知っておきましょう。
踏切でエンストしたときの脱出法、高速道路でトラブルが起きた時の対応、発炎筒や停止表示器材の使用方法についてもご紹介します。
定期点検整備とトラブルの関係性
自動車の部品やオイル等は、使用しているうちに磨耗や劣化が進んでいきます。
そのままにしておくと、走行不能になるような重大なトラブルに発展する可能性もあります。
それを防ぐため、自家用乗用車の場合、1年に1回の実施が義務付けられている定期点検整備がありますが、実際に実施されているのは約6割程度で、残りの4割は車検の際に定期点検整備を行っているだけに留まっているようです。
実施していない場合には、定期点検整備によって事前に発見できる自動車の不調や不具合を見過ごしてしまうことになるので、予期せぬトラブルに遭遇する可能性が高くなると言えるでしょう。
不具合箇所を早期に発見し、トラブルを避けるためにも定期点検整備を実施することは重要です。
しかしながら、きちんと定期点検整備を行っていても、長時間の渋滞に遭遇してエンジン等に負担がかかったり、勾配のきつい山道や悪路を走行したりするなど、過酷な状況に置かれると、トラブルに繋がる要素が増えることになります。
警告灯の点灯・点滅はなぜ起きる?
トラブルに繋がるかもしれない不具合をクルマがお知らせしてくれている場合もあります。
メーターパネル内の警告灯がありますが、点灯・点滅している場合、クルマの内部で不具合が起きていることをお知らせしているのです。
多くのクルマは、キーをオンにすると多くの警告灯が点灯しますが、エンジンが始動すると消えます。エンジンを始動させても点灯・点滅している場合は要注意です。
そのため、警告灯が点灯・点滅する意味を知っておきましょう。
ブレーキ警告灯がパーキングブレーキを解除しても消灯しなかった場合、ブレーキ液の漏れ等が考えられます。
油圧警告灯が点灯・点滅し続ける場合は、エンジンオイルの圧力が何らかの理由で低下していることを示しています。エンジンオイルはエンジンを動かすために欠かせないもののため、放置しているとエンジンの故障に繋がります。
充電警告灯の点灯・点滅は、バッテリーに異常が発生している場合に表示され、オルタネーターと呼ばれるバッテリー充電器に不具合が生じている可能性も考えられます。
タイヤ警告灯が点灯している場合は空気圧の低下やパンク等が考えられます。
空気圧が低下した状態ではタイヤ本来の性能を発揮できず燃費の悪化や制動力の低下、ハンドルが左右に振られる等の原因になります。
また、タイヤへの負荷が上がりパンクやバースト等の原因にもなります。
エンジン警告灯はエンジンの電子制御システム、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)警告灯はABS、エアバッグ警告灯はエアバッグシステムに異常があることを、それぞれ示しています。
なお、自動車メーカーによって、その他の警告灯があったり、表示内容や目的が異なるものがあるため、ご自身のクルマの取扱説明書を確認しておくことが重要です。
いずれにしても警告灯が点灯・点滅した場合は、なるべく早く販売店や整備工場などに連絡し、点検してもらいましょう。
警告灯以外にもクルマから出る音が普段と違うと感じた場合には注意しましょう。
エンジン音がいつもと違っていたり、ステアリングを切ったときやブレーキペダルを踏み込んだときに異音がしたら要注意のサインです。
安全のためにも、他の部品への影響を防ぐためにも、異音に気づいたらすぐに整備工場で点検してもらいましょう。
クルマの警告灯・メッセージが表示された場合のよくある症状について、おまとめしております。こちら
をご確認ください。
JAFロードサービス出動が一番多いバッテリーあがりには、どう対応する?
どんなに丁寧に扱っていても、定期点検整備を実施していても、突然トラブルが起きることはあります。バッテリーあがりはその中でも多く、2023年度のJAFロードサービス出動理由
第1位となっており、バッテリーの破損や劣化も第3位に入っています。
バッテリーの電圧が低くなる原因としては、 灯火類の消し忘れ、電装品の過剰使用などが考えられます。最近はカーナビやドライブレコーダーの装着車両が増え、スマートフォンの充電も行ったりするため、バッテリーの負担は大きくなっています。
バッテリーあがりでエンジンが始動しないときは、他の車(救援車)の力を借りることにより復旧を図ることができます。
自分の車両とエンジンを停止した状態の救援車のバッテリーをブースターケーブルで接続したあとに、救援車のエンジンを始動し、可能であれば回転を少し上げた状態で、自分の車両のエンジン始動を試みます。
無事にエンジンが始動してもバッテリーは弱っているので、できればエンジンを止めずに走り続け、行きつけの整備工場に相談してください。
上記の対策をしてもかからない場合は、バッテリーの消耗や破損など他の理由が考えられるので、JAFロードサービス等をご活用ください。
知っておいた方が良いかも!パンクの対処法とは?
バッテリーあがりとともに多いのがパンクです。2023年度のJAFロードサービス出動回数では第2位に入っています。こちらは道路上に落ちていた釘やガラスなどが主な原因なので、不可抗力と言えますが、対処法は覚えておいて損はありません。
スペアタイヤがある場合には、まずはパンクしたタイヤの対角線上にあるタイヤを輪止めなどで固定します。
次にパンクしたタイヤのホイールナットを少しだけ緩めておき、その後、ジャッキアップポイントにジャッキをセットし、車体を持ち上げます。
車体が持ち上がったらホイールナットを取り外し、パンクしたタイヤとスペアタイヤを交換します。この際、ホイールナットは仮締めの状態にしてください。
最後に車体を下げ、ジャッキを取り外してからホイールナットを適切に締め付ければタイヤ交換作業が完了します。
スペアタイヤが無い場合には、パンク修理剤を使います。
手順は搭載しているキットにより異なるため一例になりますが、キットに付帯している速度制限シールを運転者からよく見えるところに貼ります。運転者自身に応急修理状況であることを示すために行います。
注入後、修理剤をタイヤ内に広げるため、定められた時間または距離を走行することになっています。
◆ご参考:パンク応急修理キットでどこまで修理できる?【JAFユーザーテスト】
パンク修理剤はあくまでも応急処置なので、使用後はすみやかに整備工場へ行き、確実な修理・交換を実施することも覚えておきましょう。
日常生活で遭遇するトラブルの対処法
踏切内でのエンストでエンジンがかからなくなった場合の脱出方法についても覚えておきましょう。
マニュアル車の場合は、 ギアを1速あるいは2速、 あるいはR(リバース)に入れ、クラッチペダルを踏み込まずにキーを回し、 セルモーターの力で走行して脱出します。
オートマチック車でもエンストすることがあります。
こちらはセルモーターの力で走行することができないので、周囲の人たちに救助を頼み、脱出するしかありません。その場合はシフトレバーをN(ニュートラル)レンジにしておくことが重要です。
マニュアル車でも、クラッチペダルを踏まないとセルモーターが回らない車両等は、オートマチック車と同様にギアをニュートラルにして、救助を頼みましょう。
すぐに脱出できそうにない場合は、すみやかに車両から降りて、踏切に設置されている非常ボタンを押しましょう。
非常ボタンが見当たらない場合は、 発炎筒を使うなどして列車や周囲に自車の存在を知らせましょう。
トラブルが起きても、落ち着いて!今一度高速道路での対応法を確認
高速道路でトラブルが起きた際の対応は、道路交通法にも記してあります。
やむを得ず車両を停止させる場合は、 ハザードランプ(非常点滅表示灯)を点灯させ、できるだけ路肩に寄せ、路肩がない場合は可能な限り広い所まで自走します。
その後、停止表示器材を車両の50メートル以上後方に設置し、車両から離れた後方でかつガードレールの外側などに必ず避難し、携帯電話あるいは近くの非常用電話で救援依頼をしてください。
必須ではありませんが、停止表示器材の設置に併せて発炎筒を点火させ、同様に設置し、後続の車両に危険を知らせることも有効です。
大半の人が発炎筒を使ったことが無いと思いますので、使い方をおさらいしておきましょう。
発炎筒の使い方
1.発炎筒を助手席や運転席の足元から取り出します。
2.発炎筒のキャップを外し、本体を取り出します。
3.マッチを点火するように、キャップに付いている擦り薬で発炎筒を点火します。
4.点火したら筒先を自分自身や他人に向けないように気をつけ、停止表示器材とあわせて設置し後続車に危険を知らせます。
トラブルが発生した際には、いずれの場合であっても、慌てず安全に対処することが大切です。
対処方法を知っていたり、どこを見ればよいか知っていたりすれば、迅速に対応することもできるかもしれないので、あらかじめ知識を持って備えておきましょう。
また、定期点検整備の実施により、未然に防げる不具合やトラブルもあるので、しっかりとプロの整備士に点検整備してもらうことでトラブルリスクの軽減を図ることも重要です。
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