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昭和〜平成に一世を風靡! イルミネーションが映えるカーオーディオ14選

今やレトロ? 懐かしい“カーコンポ”の時代

2023.11.04

構成=ダズ/文=島崎七生人

2023.11.04

構成=ダズ/文=島崎七生人

1年点検を受けると、だれにでもチャンス

昭和の終わり頃から平成初頭、世紀の変わり目の頃にはやったのが、カラフルな照明が印象的なカーオーディオだ。1DINサイズはもとより、より派手な2DINサイズも人気となり、ダッシュボードでキラキラと輝いていた。そこで、昭和の終わり頃から平成初頭にかけて流行したカラフルな照明が車内で輝いた、印象的なカーオーディオを2DINサイズの製品を中心に懐かしんでみよう。

カーオーディオは、カー用品店で文字通り輝いていた

今回取り上げる機種が登場、発売されていた当時というと、東京モーターショーが幕張メッセで初開催(1989年)、NTTから携帯電話ムーバ登場(1991年)、東海道新幹線「のぞみ」運行開始(1992年)、液晶モニターを搭載した世界初のデジタルカメラであるカシオQV−10発売(1995年)、エンタテイメントロボットのソニー・アイボ登場(1999年)といったできごとがあった。振り返るとエポックメイキングなできごとも多い時代だった。

ケンウッド DPX99(1995年)

●ケンウッド DPX99(1995年)
ダブルレイヤードイルミネーションと呼ばれる、前後2層表示のカラーディスプレイが特徴。ライブハウス、コンサートホールなど音場の設定が可能なDSPほか機能も充実。

カロッツェリア(パイオニア) FX-M90V(1990年)

●カロッツェリア(パイオニア) FX-M90V(1990年)
シングルCDプレーヤー、イコライザー、カセットデッキ一体のごく初期の機種。液晶パネルはまだ単色で、どちらかといえばメカニカルな雰囲気を漂わせたデザイン。

パナソニック G-1 VZ303(1990年)

●パナソニック G-1 VZ303(1990年)
“フルソース&フルオーディオ”を謳(うた)ったデュアルサイズ2DINコンポ。7バンドグラフィックイコライザーなどを搭載。10モードのディスプレイパターンも用意。ワイヤレスリモコンにも対応した。

昨今はカー用品店などへ行くと、売り場でまず目に飛び込んでくるのはカーナビ、ドラレコなど。だが、カーナビが登場する前に売り場の一等地を独占していたのはカーオーディオだった。各社とも専用の展示台が用意され、デッキやアンプ、スピーカーといった製品が並び、このメインユニットでこのスピーカーを鳴らして実際の音を試すこともできた。

そんな展示の中で、 カラフルな照明がより煌(きら)びやかな2DIN一体機は登場するや否や、展示台でも中心的な存在に。今風にいうなら“映(ば)える”存在だったというところか。

アゼスト ADX8155(1995年)

●アゼスト(クラリオン) ADX8155(1995年)
アゼストとしては市販初の2DIN一体機。未来志向のパネルデザインにCDとカセットのスロットを融合させた。この後、世界初の車載PCを1999年から米国、欧州で販売。国内モデル「AutoPC CADIAS」は2002年に登場。

ケンウッド DPX-660MD(1998年)

●ケンウッド DPX-660MD(1998年)
MD・CDレシーバー、CD・カセットレシーバーについて計5機種と、業界最多のデュアルサイズ(2DIN)コンポーネントをラインアップし、1998年夏季新製品として発表された。

メーカーによって、デザインはバラエティーに富む

2DIN機は1DIN機の倍の大きさがあってパネルの面積も大きくでき、いやが上でも目に入りやすい。音楽を鳴らせば音域やレベルに合わせてカラフルなグラフィックイコライザーが踊るように動いたりと、乗員の目を楽しませてくれた。また、前面いっぱいを表示スペースにし、イジェクトボタンを押すと前面パネルがサンダーバードか隠し扉かといったふうにオープン。CDなどのメディアを入れ替えることができる機種もあった。

ヴィヴィッドかつカラフルでグラフィックに凝ったもの、操作性を重視してスイッチやダイヤルを配置したもの、ホームオーディオ風の高級でマニアックなデザインを施したものなど、デザインは各社、各機種でバラエティーに富んでいた。エンターテイメント性の高さで魅せる機種が数多く登場したように思う。

パナソニック CQ-VX505MS(1999年)

●パナソニック CQ-VX505MS(1999年)
“Crazy COBRA”のモデル名も奮っていたが、ユニークだったのは本体に開閉式のセンタースピーカーを備えた点。モノラル出力ながら音の前方定位に効果を発揮し、ボーカルものなどの音源をよりリアルに楽しませてくれた。

もちろんカーオーディオとしてのスペックにもこだわりが。4チャンネルパワーアンプ、グラフィックイコライザー、音声をデジタル技術で補正するデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)など、本体のルックスに負けない高性能、高機能ぶりをアピールする機種が多く揃っていた。

アゼスト DXZ925(2001年)

●アゼスト DXZ925(2001年)
この機種は分類上は1DINながら、パネル面がスライドして2枚重ねになり、まさに2DIN相当の機能を果たしたデザインだったのが特徴。機能面では通常の2chソースをデジタル処理で5.1ch化するドルビープロロジックIIを搭載。

ソニー WX-7700MDX(2001年)

●ソニー WX-7700MDX(2001年)
クルマのメーターをモチーフにしたという2つの丸形ディスプレイが何とも斬新だったMD・CDヘッドユニット。728色の色調整が可能なRGBコントロールも採用。
©︎ソニーグループ株式会社(左写真)

アルパイン MDA-W977J(2001年)

●アルパイン MDA-W977J(2001年)
いかにも車内での操作性を前提にしたことがわかるデザインのパネルには、アルパインを象徴するブルーの照光キーを配置。音へのこだわりも同社らしく、音響特性が簡単に設定可能な225車種+汎用8タイプのデータも収録。

カーナビの普及によって、オーディオ機能はカーナビに取り込まれる

カーオーディオで言うところの“DIN”とは、もともとはドイツ工業規格を指し、カーオーディオにおける前面パネルのサイズの世界的な規格として採用された。具体的に1DINのサイズは、左右×上下が180mm×50mm。国際規格化されたのは1984年のことで、最近ではDINサイズのオーディオは減少傾向にあるも、純正カーオーディオでこの方式を採用する自動車メーカーはある。

2DINは1DINのユニットを上下2段重ねにしたサイズのこと。2DIN一体機とは、パネル面の縦方向が倍の100mmになったユニットを呼ぶ。では、なぜこの2DIN一体機が生まれたかというと、ひとつには再生するメディアと機能の多様化がキッカケだった。カセット+CD(またはカセット+MD)といった複数のメディアが楽しめる機種は、それらのメカを内蔵しやすいのは2DINの本体サイズ。容積が大きければ、音質を向上させるパワーアンプ、グラフィックイコライザーといった、カーオーディオをより高性能にさせる機能の搭載も容易となる。また、LEDやカラー液晶などが普及し始めた頃とも時代が一致し、大型のパネル面のデザインで表現方法が豊かになったことも2DIN機の大きな特徴だった。

80年代中盤以降、世界の自動車メーカーで前輪駆動車(FF車)が増えたことも、2DINサイズのカーオーディオの普及を後押しした。後輪駆動車(FR車)のように車室のフロア部分にトランスミッションやプロペラシャフトが食い込まないFF車は、インパネから室内にかけての床面の形状がよりフラットでインパネまわりの設計の自由度が高く、かさばる2DINサイズのオーディオユニットでもインパネやセンターコンソール部に収めやすくなったというわけだ。

もちろん1DIN機でもイルミネーションが光るギミックは考案され、前面パネルがスライドするなど百花繚乱だったが、表示パネルの面積が2倍の2DIN機のほうに派手さにおいては軍配が上がる。イルミネーションは、当時のドライブデートの雰囲気作りにも一役買っていたように思う。また、見た目だけではなく当時のカーオーディオマニアを「オッ」と言わせるような機種も登場して、それこそ、カーオーディオ全盛時代だった。

2DINナビが全盛になってくると、カーオーディオの機能はナビの中に集約され、今まで主役を張っていたフェイス部分はナビ画面に主役の座を譲るようになった。いまではカーオーディオもフルデジタル化し、サラッと手軽に高音質が楽しめるようになっている。けれど存在感のあった2DIN一体機が展開したカーオーディオの一時代のエネルギー感は、思い出すと、懐かしくも熱いものがあったと改めて思う。


それでも現在では、こうしたギミックを新鮮に感じるのか、ウェブで検索すると、イルミネーションが輝く当時のカーオーディオが売買されている。またYouTubeの動画で光る様を見ることもできる。ご興味ある方は、ぜひ検索してみては。

パナソニック CQ-TX5500D(2002年)

●パナソニック CQ-TX5500D(2002年)
軍用スペックの小型真空管をカーオーディオに採用したこだわりの製品。デジタルならではの硬く荒い音質を真空管が整える役割を果たした。アナログメーター、アルミ削り出しのボリュームツマミなどマニアもうなる仕上がり。

カロッツェリア  FH-P919MDR(2002年)

●カロッツェリア FH-P919MDR(2002年)
シックで落ち着いたデザインで高品位の存在感があったモデル。とはいえ同社が先駆けた派手な有機ELマルチカラーディスプレイを採用、3Dフルモーショングラフィックスが目を楽しませてくれた。オートイコライザー等も搭載。

クラリオン DMB165(2006年)

●クラリオン DMB165(2006年)
透明感のあるアクリルフェイスにブルーのLEDを使ったデザインは、他の2DIN一体機とは一味違う雰囲気を持っていた。5種類のパターンを内蔵したDSPや超低音の補強機能など、手軽に高音質が楽しめた普及機。

★かつてリアトレイのあるセダン、クーペが主流だった頃に生まれた、夜間にロゴが光るスピーカーも懐かしいアイテムのひとつ

ケンウッド KSC-8090

●ケンウッド KSC-8090
すべてのスピーカーにハニカム振動板を採用、エンクロージャーはグラスファイバーとポリエステルを高熱圧縮した素材を採用。そして背面の光るKENWOODのロゴとパワーインジケーターを装備。

カロッツェリア TS−X480G

●カロッツェリア TS−X480G
16cmウーファー部の前面に採用した音場反射板が、広がりと臨場感のある低音を生み出す効果をもたらした。機能美、先進性をアピールしたチタニウムゴールドのフォルムも特徴。

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