特集

こんな場面に注意! 慣れないレンタカーでのドライブ

レンタカーの安全な乗り方【前編】

2022.06.23

イラスト=若林 夏 (一社)全国レンタカー協会

2022.06.23

イラスト=若林 夏 (一社)全国レンタカー協会

この記事のキーワード
この記事をシェア

レジャーやビジネス、引っ越し、大人数のドライブなど、マイカーのある・なしにかかわらず、シーンに応じて便利に使えるレンタカー。車を選べる便利さや楽しみもあり、最近では“密”を避けた移動手段としても注目を集めています。今回の特集では、そんなレンタカーを運転するときの注意点をいくつかご紹介します。前編は最近のレンタカー事情と、乗り慣れない車でのシーン別のポイントや注意点についてです。

「ドライブツーリズム」としてのレンタカーに注目

近場のレジャーやビジネスでの利用をはじめ、離島旅行や遠隔地など他の交通手段では巡りにくい場所へのアクセスにも便利なレンタカー。移動の過程でその土地の景観や生活模様など、車窓から垣間見える風景にふと足を止めるといった、自由度の高い観光ができる点も人気です。

こうした利便性を受け、これまであまり知られていなかった史跡や自然などを訪問してもらうという、新たな地域振興策としての「ドライブツーリズム」の一環として、国内外の観光客に向けたレンタカーを活用する取り組みも進んでいます。

新型コロナでレンタカー台数は減少も、直近では需要が回復

こうした流れもあり、全国のレンタカー利用台数はここ数年で増加傾向でしたが、新型コロナウイルスによる外出自粛などの影響で、2021年3月末時点のレンタカー台数は88万4,189台と、前年より4%減少。

ただ直近では観光ニーズが回復しつつあり、行楽シーズンにもかかわらずレンタカーが予約できない、といった問題も表面化しており、需要は回復傾向にあります。

レンタカー台数の推移グラフ

レンタカー台数の推移(全国レンタカー協会資料より作成)

レンタカーの事故数は減少も、乗り慣れない車の運転には注意

レンタカーでのドライブ需要が戻る一方、気になるのが事故のリスク。これまでの傾向を見ると、2020年に発生した四輪車全体の交通事故台数は44万6,819台。そのうちレンタカーによる事故台数は6,014台と、全体の約1.3%となっています。割合としては大きな数字ではないように思えますが、走行中にミラーの向きが合っていないことに気付いたり、スイッチ類の場所を事前に把握していなかったり、高速道路を利用しようとしてETCカードを車載器にセットし忘れていることに気付いたりと、乗車前の確認を怠ることで、事故やトラブルにつながりかねないケースもしばしば。やはりふだん乗り慣れない車の運転には特に注意が必要です。

レンタカー事故件数の推移グラフ

レンタカー事故台数の推移(交通事故総合分析センター資料より作成)

四輪車全体の交通事故件数内訳 円グラフ

2020年の四輪車全体の交通事故台数内訳(交通事故総合分析センター資料より作成)

モータージャーナリストに聞く! レンタカー運転のポイント

乗り慣れない車であることに加えて、あまり通らない道を走るときにも特別の注意が必要です。モータージャーナリストの菰田潔(こもだ きよし)さんに、レンタカーでドライブする際に気を付けるべきポイントを聞きました。

エンジンをかける前にドライビングポジションをチェック

レンタカーを借りて、スタッフの人と一緒に傷やへこみのチェックを終えたら、早速エンジンをかけて楽しいドライブへ出発!? ちょっと待って! 乗り慣れないレンタカーだからこそ、自分に合わせたしっかりとしたドライビングポジションを取らなくてはいけません。いざという時の急ブレーキでも腰が後ろにずれないように深く腰掛け、シートの高さや前後スライド、リクライニング、またハンドルの位置(高さ・前後)を調整し、ヘッドレストも頭の位置に高さを合わせましょう。ブレーキやアクセルのペダルの位置の確認、左右のミラー調整も忘れずに。

ドライビングポジションの調整が済んだら、基本的な操作の確認をしましょう。ニュートラルやリバースといったシフト操作の方法は、レバーを前後するストレート式以外に、ジョイスティック式やダイヤル式の車もあります。最近ではスイッチ式のパーキングブレーキも多いので、あらかじめ位置と操作方法をしっかり確認しておきましょう。

正しいドライビングポジション

ETCカード、各種装置の設定を忘れずに

高速道路に乗る予定なら、出発前にETCカードを車載器にセットすることを忘れずに。もしカードを持っていなければ、レンタカー会社で借りることもできます(有料レンタル)。

長時間の運転に備え、車間距離を一定に保ったり設定した速度を維持することをサポートするACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)のSW(スイッチ)がどこにあるのか、セットSW、キャンセルSW、リジュームSWなどの位置や設定も、発信前に確認しておきましょう。ライトSWをAUTOにしておけば、トンネルでも慌てずに済みます。また、運転中に雨が降ってくる場合に備えて、ワイパーのSWにAUTOがあれば設定しておこう。ウインドーの曇りを防ぐため、デフロスターSWの位置も確認しましょう。

ACCの各種スイッチ

車両感覚を確かめておこう

初めて乗る車だと、乗り慣れていないので、車両感覚がすぐにつかめないかもしれません。最新の車は車幅が広めになり、運転席からはボンネットが見えなくなっていることも。

そこで、白線で描かれた駐車場の枠に車体を入れてみて、感覚をつかんでみるのもおすすめです。その際にはドアミラーで見える景色と実際の景色のずれを目視で確認しておきましょう。一時停止などの停止線にフロントバンパーをピタリと止めるのは難しいですが、大概は運転席側ドアミラーの下辺あたりが停止線の延長線上になるはずです。お店に許可をもらって、出発する前にレンタカー会社の敷地の中でチェックしておくとよいでしょう。

ブレーキの利き具合も車によって感触が違うので、これも出発時に体験しておきましょう。「アリさんブレーキ(極ゆっくり走行する)」を試すとわかりやすいので、これもおすすめです。

運転席からの死角

お出かけ先の走り慣れていない道ではここに注意

走り慣れない道のドライブ

高速道路
休日の遠出レジャーでは、ふだん利用しない高速道路を使うことも多いはず。高速道路での車間距離は、前の車が通過したある地点を自分の車が通過するまで2秒以上空けることを意識して運転すると、前方の多くの情報を得られ、後続車から追突される危険性も減らせます。レンタカーではメーカーや車種によって、ペダルのわずかな踏み込みの違いで思いのほか車間が詰まってしまうこともあるので、高速道路に乗る前に、アクセルのレスポンスやブレーキの利き具合を把握しておきましょう。また、レンタカーを借りるときには燃料が満タンなので心配ありませんが、いつも乗っている車と給油のタイミングが異なる場合も多いので、帰り道に高速増路に乗るときは、ガス欠で立ち往生しないように燃料残量、航続可能距離を必ずチェックしましょう。

山道·峠道
春から秋にかけては、レンタカーで山道や峠道を走る機会も増えてきますが、慣れない車ではより慎重な運転が必要です。自分の車とはハンドルを切った際の挙動や加減速の特徴が異なるうえ、アウトドアで人気のSUVをはじめ、車によってアイポイントの高さやピラーの死角も異なるので、見通しのきかないカーブでは特に注意が必要です。少なくとも3秒先が見えるスピードで走りましょう。つまり、カーブの先が見えてから3秒でその場所に到達するという意味で、ブラインドコーナーもスピードを落とせばブラインドになりません。これは、カーブの先で突然止まっている車がいても、ぶつからないようにするためです。

山道で景色が良いと、ついつい脇見運転をしてしまいそうになりますが、景色は駐車場に車を停めてから眺めるようにしましょう。

雪道
冬季に積雪のある地域でレンタカーを借りる際は、事前にスタッドレスタイヤの有無の確認が必須。駆動方式も可能であればオプションで4WDを選んでおきましょう。路面に雪が積もってきたらスタッドレスタイヤを履いていても慎重に走ること。特に乗り慣れない車の場合、アクセルの踏み込み加減がわからずにスリップしてしまうこともあります。これは雪上でタイヤのグリップ(※路面を捉える力)が弱くなるからです。ハンドルを切りながらアクセルやブレーキを踏むと、簡単にグリップを使い切って滑ってしまうので、縦方向か横方向のグリップのどちらか一方だけを使って走ることを意識しましょう。

レンタカーによってはスタッドレスタイヤの用意がない場合もあるので、そうした車では絶対に雪道を走らないでください。

前編では近年のレンタカー需要の動向と事故の推移、乗り慣れないレンタカーで走り慣れない道を走る際の注意点をシーン別に紹介しました。後編では、レンタカーの車種別にぶつけやすいポイントとその対策を紹介します。

JAF会員の皆様に向けて、レンタカーを含む旅行関連サービスがお得に利用できる優待があります。詳しくはこちらをご確認ください。

この記事のキーワード
この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?