2025年F1世界選手権の見どころチェック!|モータースポーツコラム
取材・文=柴田久仁夫/写真=Red Bull Media House

2025年はチーム体制が激変!? 75周年を迎えたF1の見どころをF1ジャーナリスト柴田久仁夫が解説!

今シーズンは大波乱の予感!? 3月14~16日に開幕するF1をプレビュー

1950年の初開催から75周年を迎えたF1。2025年は昨年同様に史上最多の全24戦が予定され、3月14~16日のオーストラリアGPで開幕を迎える。今季は8チームでドライバー変更があり、ベテランからルーキーまで注目選手がめじろ押し。そんな今季の見どころをF1ジャーナリスト柴田久仁夫が解説!

目次

75周年を迎えたF1、近年ではアメリカでも人気沸騰!

F1世界選手権は、2025年で75周年を迎えた。創設初年度1950年のレース数は、わずか7戦。しかもそのうち6戦がヨーロッパ開催という、「世界選手権」とは名ばかりのローカルなスポーツだった。それが今や年間20戦を超え、今季も2024年に続き史上最多の全24戦が予定される。開催地もヨーロッパ、南北アメリカ、アジア、中東と世界中に広がった。なかでも長い間、「F1不毛の地」と言われていたアメリカで数年前からF1人気が沸騰し、今やマイアミ、オースティン、ラスベガスの3GPを開催するまでになった。

ここ数年、開幕戦は中東バーレーンが指定席だったが、今年はラマダーン(断食月)とぶつかるため、久々にオーストラリアGPが初戦となる。翌週に中国GP、日本GPは第3戦。2024年同様、春開催だ。秋の日本GPでは何度も台風や秋の大雨に見舞われたが、初めての春開催だった2024年は終始穏やかな晴天だった。4月4〜6日の週末ということで、今年も満開の桜が迎えてくれるかもしれない。

シーズン序盤は、まだチーム間の力関係が確定していないため、日本GPはかなりの熱戦が期待できそうだ。

2024年の日本GPスタート風景

2025年の日本GPは昨年と同様に春開催。4月4~6日の日程で開催される予定だ。昨年初めて秋から春へ変更となったが、天候に恵まれた。2025年も桜が満開の中で白熱したレースが見られるかもしれない

チーム体制が激変、ベテラン、ルーキーともに大注目!

今季は全10チームのうち実に8チームで、少なくとも1人のドライバーの顔触れが変わる。その中で最大のサプライズが、ルイス・ハミルトン選手のメルセデスからフェラーリへの移籍だ。

過去7度の世界チャンピオンも、今年1月に40歳の大台に乗った。2024年はチームメイトのジョージ・ラッセル選手に予選で5勝19敗と惨敗するなど、さすがに衰えは隠せない。しかし憧れのフェラーリに移籍を果たし、前人未到の8回目のタイトル獲得へと、モチベーションは今までになく高い。あくまでフェラーリの戦闘力次第だが、完全復活した姿を目撃できるかもしれない。

また、2024年は開幕時点で0(ゼロ)だったルーキーも、2025年は(フル参戦ドライバーとしては)6人を数える。いずれも実力者ぞろいだが、最も注目すべきはメルセデスのキミ・アントネッリ選手とハースのオリバー・ベアマン選手だろう。

アントネッリ選手はハミルトン選手の後任として、トップチームのメルセデスからいきなりF1デビューを果たす。その軌跡はカート時代からマクラーレンと長期契約を結び、2007年に同チームからF1デビューしたハミルトン選手を彷彿(ほうふつ)とさせる。

ベアマン選手は2024年のスポット参戦で、一気に脚光を浴びた。病欠したカルロス・サインツ選手に代わってフェラーリを駆り、7位入賞。その後ハースからの代役出場でも10位入賞。デビュー2戦で異なるチームでポイントを獲得した、史上初のドライバーとなった。アントネッリ選手とベアマン選手、ともに頂点を狙えるポテンシャルを秘めていることが証明されるシーズンになりそうだ。

2024年の第12選イギリスGPでのハミルトン選手(写真中央)

メルセデスからフェラーリに移籍するルイス・ハミルトン選手(写真中央)。2024年は苦しみながらも表彰台に5回上がり、第12戦のイギリスGPと第14戦のベルギーGPでは優勝を果たした。40歳となった大ベテランの復活が見られるかもしれない

参戦5年目の角田選手の飛躍も十分に期待できる

孤軍奮闘、2021年のデビュー以来、唯一の日本人ドライバーとしてF1を戦ってきた角田裕毅選手。この4年間、着実な進化を重ねてきたことは、誰もが認めるところだ。特に2024年は、戦闘力に劣るマシンながら、ブラジルGPでの3番グリッドを筆頭に、予選では11回のトップ10入りを果たした。そしてレースでも9回の入賞。自己最高の選手権12位の結果を残した。

その結果、成績不振のセルジオ・ペレス選手に代わり、念願のレッドブル昇格も実現するかに思われた。しかし、チームはフェルスタッペン選手の今季のチームメイトに、実績、経験ともに角田に劣るリアム・ローソン選手を選んだ。とはいえローソンが上層部の期待に応えられなかった場合、シーズン途中での角田の抜擢(ばってき)は十分にありうるだろう。

2024年シーズンを戦う角田選手

2021年にF1デビューを果たし5年目を迎えた角田選手。2024年はパフォーマンスの低いマシンながら9回の入賞を果たしたが、レッドブルへの昇格はかなわなかった。しかし、実績と経験は十分。シーズン途中での抜擢もあり得るかも

5連覇を阻止するのは…? チャンピオン争いも大混戦!?

最後に、今季のF1は誰が制するだろうか……? 4連覇中のマックス・フェルスタッペン選手が最有力候補と言いたいところだが、去年中盤以降のレッドブルは完全にマクラーレンの後塵を拝していた。タイトル獲得はシーズン前半の貯金と、フェルスタッペン選手の力量のおかげで逃げ切った結果に過ぎない。

ちなみに2026年に予定されている大幅な規約変更を見据えて、多くのチームは2024年型マシンへの小規模な改良で済ますようだ。しかしマクラーレンとフェラーリは、新コンセプトのマシンを投入する賭けに出る。もしそれが当たれば、ランド・ノリス選手やシャルル・ルクレール選手の初戴冠、あるいはハミルトン選手の8度目のタイトル獲得もありうるだろう。

75周年を迎えさまざまなイベントが開催されるお祭りムードのF1だが、2025年は見どころ満載。まずは3月の開幕戦で各チームがどんなパフォーマンスを見せるのか、注目したい。

ドライバーズチャンピオン4連覇を達成したフェルスタッペン選手

2024年第22戦のラスベガスGPで、ドライバーズチャンピオン4連覇を達成したレッドブルのマックス・フェルスタッペン選手。開幕こそ2連勝したが、その後は苦しい展開が続く中でのチャンピオン獲得。そのフェルスタッペン選手を止めるのは誰か……? まずは開幕戦に注目だ

「JAFモータースポーツジャパン2025」は3月22日・23日に横浜で開催!

モータースポーツジャパンは、モータースポーツファンだけではなく、親子でも楽しめる『見て』『聞いて』『触って』『体感する』日本最大級のモータースポーツイベント。2025年は横浜市・山下ふ頭を会場に、幅広い層に新たなモータースポーツの魅力を届けます。イベントでは、ジムカーナやドリフトなどの豪快なデモ走行を間近に見られるほか、JAFの特殊車両など普段は見られない「はたらくくるま」なども展示。入場は無料なので、ぜひ会場に足を運んでみよう!

●開催日:2025年3月22日(土)~23日(日)
●開催場所:横浜市 山下ふ頭(神奈川県横浜市中区山下町279番地)
●後援:スポーツ庁、横浜市、一般社団法人 横浜港ハーバーリゾート協会
●企画運営:NPO法人 日本モータースポーツ推進機構
●入場料:無料
●イベント詳細はこちら
https://motorsports.jaf.or.jp/enjoy/motorsportjapan/2025
https://www.motorsport-japan.com/

JAFモータースポーツサイト「モータースポーツを知る・楽しむ」

「JAFモータースポーツサイト」では、モータースポーツのさまざまな楽しみ方を紹介しています。

【応募期間は終了しました】JAF会員限定! 「ブラゴ 1/43スケール オラクル レッドブル レーシング ホンダ RB20 マックス・フェルスタッペン 2024年」をプレゼント!

ブラゴ 1/43スケール オラクル レッドブル レーシング ホンダ RB20 マックス・フェルスタッペン 2024年

・プレゼント内容:「ブラゴ 1/43スケール オラクル レッドブル レーシング ホンダ RB20 マックス・フェルスタッペン 2024年」
・応募方法:下記応募フォームをクリックしてログインIDとパスワードを入力。
※応募にあたってはJAFマイページと同じID・パスワードでのログインが必要です。
・当選者数:5名
・応募締切:2025年3月20日

応募期間は終了しました。

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
あなたのSNSでこの記事をシェア!