支度を整え、出発しようとしたら…エンジンがかからない!
クルマのトラブルがきっかけで生まれる、お客様とJAFロードサービス隊員との間の「ストーリー」。
JAF Mate Online編集部に寄せられたエピソードを毎月ご紹介。今月は、出発しようとしたらエンジンがかからずJAFを呼んだケースをお届けします。
出がけにエンジンがかからず…
埼玉県の大熊さんは、お墓参りに行こうとしていた。支度を整えてエンジンをかけようとしたところセルモーターがウンともスンとも言わない…… 。すぐに「バッテリーだな」と直感。というのも、最近エンジンのかかりが悪いと感じていたからだ。しかし、自分ではどうにもできずに JAF に救援を要請した。
- バッテリー上がりが原因と判明。JAF販売の新品バッテリーに交換
現場に到着してすぐに大熊様にこの後の予定や、最後にクルマを使用したのはいつ頃か等をお伺いすると、これからお墓参りに行くつもりだったこと、クルマは2日前に使用したが、ライトなどは消し忘れていないということでした。
まずは、エンジンがかからなくなった要因を調べるために、ボンネットを開けてエンジンルーム内をひと通り点検しましたが異状はありませんでした。そこで、バッテリーの電圧を測定すると、正常値12V程度のところ10.8Vと低い数値でしたので、バッテリー上がりであることがわかりました。大熊様に状況を説明すると「最近セルモーターの回りが弱くなっていた」ということを教えてくださり、バッテリーが寿命を迎えた可能性がありました。
ひとまず携帯バッテリーでエンジンを応急始動。始動後のバッテリーの電圧を測定すると正常値だったものの、電流は通常20~30Aのところ5Aと低い数値でした。しばらくエンジンをかけたままにして数値が上がればバッテリーが回復傾向にあると言えるのですが、時間経過後の電流を再測しても8Aで、エンジンを止めてしまうとまたかからなくなってしまう危険性がありました。
大熊様から「JAFで販売している新品バッテリーに交換してほしい」とのご希望があったので、取り付け後に安全を確認して作業完了しました。(南 晃司隊員・埼玉支部)
JAF RESCUE TRIVIA
本格的な暑さを迎える前にバッテリーの点検を!
夏はバッテリーにとっても過酷な状況。バッテリー自体が熱くなると、性能が低下してしまいます。また、エアコンをMAXに近い状態で長時間使用すると消費電力も多くなります。弱り気味のバッテリーでは一気に劣化が進み、最悪の場合は走行中にエンジンが止まる危険性もあります。
バッテリー上がりの前兆はある?
バッテリーも技術が向上して性能が上がっています。そのため劣化の前兆をつかむことが難しくなっています。さまざまな要素があるため、一概には言えませんが、エンジンスターターの回る勢いやパワーウインドーの上がり方が遅いと感じたら劣化の前兆かもしれません。また、アイドリングストップ機能が付いているクルマではアイドリングストップが作動しなくなる原因としてバッテリーの劣化が関係していることがあります。
バッテリーの保証期間も一つの目安です。使用期間が保証期間を超えていたらそろそろ交換時期かもしれません。まずはバッテリーの使用年数を確認してみましょう。ご自身のクルマの使用頻度なども考慮して定期的にバッテリーの点検を受けるようにしましょう。
クルマのバッテリーは、エンジンがかかっているときに充電をしています。駐車中もセキュリティなどで電力を消費しているので、クルマの使用頻度が少ない場合や、一回の走行距離が短いことが多い場合は特に注意が必要です。