雪で滑り落ちたクルマを、レッカーベルトとけん引用ロープを駆使して救出!!
雪が降り積もったある日のこと。岩手県の鈴木さんは、ナビでは案内されない道を入った山間部の民家に。庭先に駐車したはずの愛車が、いつの間にか雪一面の畑の斜面を滑り落ちてしまっていた。途方に暮れ、気持ちも落ち込んでいたが、JAF隊員のテキパキとした行動や見事な作業に、ワクワク感を覚えて見入ってしまうほど。終始にこやかな対応と、その仕事ぶりに感謝する出来事となった。
- JAF隊員の孤軍奮闘ぶりに感謝! その作業内容とは…
レッカー車で現場に到着し、状況を確認すると、日が暮れていたこともあり、一見どこにあるのかわからないほどクルマは下のほうにありました。救援に向かう前の情報では「20mほど滑落」とのことだったので、引き上げに使用するウインチのワイヤーの長さがギリギリではあるものの、レッカー車で対応が可能かと思っていましたが、実際には30mほど滑落していました。
ワイヤーだけでは救出するクルマには届かない距離だったため、まずは、レッカー車に搭載されている他の器材や道具も使用して届くか、周辺の積雪量や作業のための平坦な場所があるかなど、総合的にみて救出が可能かどうかを確認する必要がありました。
クルマが滑り落ちた場所は、かなり傾斜のある段々畑のようになっていて、雪はくるぶしから膝くらいまでありました。距離は、ウインチワイヤーのほかにレッカー車のレッカーベルトとけん引用のロープを連結して、なんとか届きました。
鈴木様には、これから引き上げてみるが、厳しい状況ではあるので、今回の作業だけでは救出が困難かもしれないこと、クルマに傷が付いてしまう可能性があることなどを説明し、承諾をいただいてから作業を開始しました。
作業をしてみると、ある程度は引き上がるのですが、段々畑の縁にひっかかって動かなくなってしまいます。そこで、引き上げる方向や角度などを調整しました。何度か救出するクルマと上に停(と)めたレッカー車を往復して微調整を繰り返し、少しずつ引き上げて、無事に救出することができました。(佐藤義則隊員〇岩手支部)
JAF RESCUE TRIVIA
雪道では“急”の付く運転は避けて慎重に!!
雪道は予想以上に路面が滑ると思って運転することが大切です。「急な車線変更」や「急ブレーキ」、「急アクセル(急加速・急発進)」など、“急”の付く運転を避け、車間距離を通常よりも十分に空け、慎重な運転を心掛けましょう。靴の裏に雪が付着しているとアクセルやブレーキを正確に操作できません。運転前に靴の裏の雪をしっかり落とすことをお忘れなく! また、積雪や除雪により交差点の見通しが悪くなり、一時停止などの路面標示も見えにくくなります。信号のない交差点では必ず一時停止するなど、安全を確認してから通行しましょう。
いざという時のために備えておきたいもの
スタッドレスタイヤは万能ではありません。凍結路や圧雪路では滑ることがあります。タイヤチェーンも携行し、危険を感じたら早めに装着しましょう。タイヤチェーンの装着には慣れが必要です。事前に練習をしておくことをおすすめします。また、立ち往生してしまった際に暖を取ることもできるバスタオル、毛布、タオルケットなどが1~2枚あると便利です。スコップ、軍手なども備えておくと、除雪作業などで役に立ちます。