イラスト=花くまゆうさく

渋滞中、水温計に目をやると、まさかのオーバーヒート寸前!!

用事のため車で都心部へ向かった大阪府の楊裕徳さん。交通量の多い新御堂筋に入ると、案の定渋滞に巻き込まれた。渋滞中、何気なくメーター類を見ると、なんと水温計がオーバーヒート寸前を表示‼渋滞が緩和されると水温がやや下がり、渋滞で止まると水温が上がるのを繰り返した。慎重に運転し、なんとか用件を済ませて帰路についたが、再び水温計が上がり始めたので、安全な場所に車を止めてJAFへ救援要請を行なった。

渋滞中、水温計に目をやると、まさかのオーバーヒート寸前!!

4コマ漫画は、大阪府・楊裕徳さんのエピソードを基に作成しました。

救援現場に到着し、まずは楊様に車の症状を伺いました。オーバーヒート寸前まで水温が上がるのは初めての症状とのことで、冷却水(ロング・ライフ・クーラント)が車外に漏れている状況ではありませんでしたが、点検したところ冷却水が大幅に減っていました。恐らく、少しずつ時間をかけて漏れていたようで、遂に今回の症状が現れたようです。

冷却水が減るのは、どこかに異常があるということなので、自走するリスクを説明のうえ、販売店への搬送を提案させていただきましたが、楊様は自走で帰宅されたいとの強い希望がありました。そこで、持参した水道水を応急処置として使用しました。

楊様は幸いオーバーヒートする前に停車されたので、エンジンに大きなダメージはありませんでした。水道水を補給し、暖機後に水漏れがないことを確認できたので、近距離であれば自走できそうな状態でした(その後、販売店の点検で冷却水を抜くためのドレンコックから漏れていたことが判明)。

オーバーヒートを防ぐためには、日常点検で冷却水の量を確認することが大切ですが、プロの目で故障の予兆を見つけるためにも、販売店での定期点検をお忘れなく!(山村隊員)

JAF Mate 2022年1月号掲載

JAF RESCUE TRIVIA

オーバーヒートは早期の故障発見が大切!

山村潤隊員・大阪支部

渋滞中は走行風が当たらず、エンジンには過酷な環境です!
山村潤隊員・大阪支部

冷却水の漏れに気づかずに走行を続けた場合、冷却水がなくなりエンジンが異常高温(オーバーヒート)となり、エンジン内部が大きく損傷することも。ラジエターホースの亀裂などは早期発見できれば、修理費が安価で済みますが、エンジンが重大なダメージを負った場合、車の買い替えという悲劇も。

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
あなたのSNSでこの記事をシェア!