登山帰りの未舗装路で前輪がパンクし立ち往生……
登山歴20年の煙山斉さんは、知る人ぞ知るレアスポットで登山を楽しんでいた。下山し、登山道から国道へ繫がる林道を走行中、ハンドルの挙動に違和感が。車を止めてタイヤをチェックすると、前輪がパンク……。かなり山深い場所だったが、携帯電話の電波が通じたのがせめてもの救いだった。
現場は車の往来も少なく、わかりにくい林道でしたが、過去に救援で赴いた経験があり、すぐに場所を特定できました。林道は未舗装ですが、材木の伐採のために砂利が敷かれているため、なんとか走行が可能です。そう判断し、積載車で救援現場に到着すると、煙山様は「よく辿り着けましたね!」と感心されていました(笑)。
車を確認すると前輪がパンクしており、鋭利な石を踏んだのか、トレッド面には穴が開いています。穴が大きいと応急処置後にエア漏れの危険性があるため、最寄りの修理工場までの車両搬送を提案しましたが、煙山様は「可能なら自走して帰りたい」とのこと。そこで完全には処置できない可能性が高いことを了承いただいたうえで、ご希望に沿って対応しました。手持ちのパンク修理キットでなんとか穴を塞ぎ、空気を充塡してエア漏れがないことを確認し、作業を終了しました。
ご自宅までは車で40~50分とのことでしたので、最寄りの国道までついていき、「途中で空気圧を点検してください」とお伝えして、お見送りしました。
登山や山菜採り、ナビに誤って案内されるなど、知らず知らずのうちに山深い林道に入り込んでしまうケースがあります。山奥は携帯電話が繫がらない場所も多く、1時間ほど歩いて、やっと救援要請ができたという話もあります。ご注意ください。(堀内隊員)
JAF Mate 2020年10月号掲載
JAF RESCUE TRIVIA
パンクの危険が高い未舗装路での走行
JAFで応急処置可能なパンクは、釘などの異物が刺さった貫通傷ですが、穴の大きさや位置によってはレッカー車などで搬送します。未舗装路で尖った石などに接触すると大きな穴が開くこともあり、特にタイヤ側面がパンクすると現場で穴を塞ぐのはまず不可能。未舗装路では慎重に運転しましょう。