慣れない細道からの左折で、痛恨の縁石乗り上げ……
2019年秋。雨の中、谷口修平さんが友人を自宅へ送り届けた帰り道でのこと。雨脚が強まり、周囲が暗くなって視界がさらに悪くなるなか、谷口さんは普段あまり通らない狭い道を使って、帰路を急いでいた。大通りへ出て左折しようとしたそのとき、「ガンッ」という強い衝撃が!! 左前輪が縁石に乗り上げてしまい、慌ててギアをバックに入れて脱出を試みるも、車体底部が縁石と接触して、車が動かなくなってしまった……。
救援現場は大通りに出る上り坂のカーブで、夜間で雨が強く降っていたこともあり、街灯はあったものの、かなり見通しが悪い状況でした。縁石に乗り上げた車体をチェックすると、左前輪がパンクしていることが判明。輪止めを設置して、作業中に車体が動かないように固定してから、慎重にジャッキアップし、まずはタイヤを交換しました。
次に車体の一部が路外に逸脱した車を道路へ戻すため、乗り上げたタイヤの下と、そのタイヤの進行方向の軌道上に数枚の板を敷き、下ろした際に再び縁石と車体が干渉してしまわないようにしてからジャッキを外し、ゆっくりと車体を道路に戻しました。その後、下回りに懐中電灯を当て、自走できる状態かどうかを確認しました。チェックすると、下回りは思ったより軽傷。脱出しようと無理に動かさなかったのが良かったのでしょう。乗り上げた際の衝撃が大きかったため、谷口様は大きな損傷を覚悟していたようですが、結果を聞いて安心されていました。
縁石などに車が乗り上げた場合、脱出しようと無理にハンドルを切ると、パンクしたり、車体を傷つけてしまうことがあります。無理せず、早めにJAFに救援要請してください。(宮坂隊員)
JAF Mate 2020年7月号掲載
JAF RESCUE TRIVIA
縁石乗り上げ後、走行中に異音が発生した場合は…
縁石に乗り上げたり、落下物に接触した後、走行中に「ガー」といった異音が発生することがあります。多くは、車両下回りのアンダーカバーという部品が中途半端に外れて地面と擦(こす)れることが原因。これを取り外せば運転は可能ですが、ほかの重要な部分に問題がないか、点検を受けましょう。