大トラブルを覚悟した異音原因は……
趣味の山歩きを楽しんだ帰り道、村上千慶(ちよし)さんはフロントタイヤからの異音に気が付いた。最初は小さな音で気に留めていなかったが、次第に不安を感じる音量に……。 走行を続けるとタイヤの脱落やパンクなどの危険が予測されたため、JAFに救援要請を行った。
4コマ漫画は北海道・村上千慶さんのエピソードを基に作成しました。
ホイールナットの緩みや、ドライブシャフトブーツが破れてグリースが漏れたことによるハブベアリングの故障など、タイヤ付近からの異音にはさまざまなケースがあります。また、タイヤからの異音と思っていても、実際は車体の真ん中にあるプロペラシャフトに原因がある場合もあるんです。現場で症状を確認させていただくと、村上様の車は少し動かしただけで異音がする状態でした。経験上、ブレーキローターとバックプレートの間に小石が挟まったときの音ではないかと思いました。
ブレーキローターの裏にバックプレートという、防塵と放熱を目的とした薄い鉄板が付いていますが、この隙間に小石が挟まる場合があるんです。ブレーキローターと接触した小石が原因で、車輪が動くたびに異音がするのですが、場合によってはものすごい音がします。山歩きに向かう際に走った未舗装路が原因だったかもしれません。ホイールを外し、バックプレートはやわらかいので手で広げると、挟まっていた小石が落ちてきました。村上様も「こんな小石で」と大変驚かれていました。
このようなトラブルは防ぎようがないのですが、バックプレートが変形していると異物が挟まりやすくなるので、車両の定期点検が大切です。
また、タイヤからの異音は重大なトラブルに発展する場合がありますので、異常を感じたら早めにJAFへご連絡ください。(土屋隊員)
JAF Mate 2019年10月号掲載
JAF RESCUE TRIVIA
タイヤ交換は、規定のトルクで締められる工具で!
乗用車の多くは、ホイールを4〜6個程度のナットやボルトで車軸側に固定しています。
ナットやボルトを締める力が不足してはいけませんが、締めすぎても良くないのです。JAFでは規定値で締められる工具「トルクレンチ」を用意し、ロードサービス隊員は、この工具で確実な作業を行っています。
タイヤは走行の要。異音がしたら要注意です。
土屋直竹隊員・札幌支部
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