ボディのハイエースキャンピングカー「セドナ レイクサイド」のおしゃれな木目調車内と2人旅の様子
編集=伴 隆之

実はノアより幅が狭い!? ハイエース「標準ボディ」のキャンピングカー3選! 2人車中泊旅ならこれ!

旅も普段使いも快適! 3モデルそれぞれのこだわりレイアウトに注目
伴 隆之

ハイエースの標準ボディをベースにした、2人旅向けのキャンピングカー3台を紹介。フロントキッチンとリアリビングを分けたモデルや、広々としたベッドや収納スペースを備えたモデルなど、車内で快適に過ごすための工夫やレイアウトに注目!

目次

ハイエースは「標準ボディ」なら意外とコンパクト

絶景のアウトドアロケーションに停車するハイエースキャンパーの正面

日本のキャンピングカーにおいて、最も人気の高いベース車両がトヨタ・ハイエース。現行型は発売から20年を超すロングセラーながらも、改良を続けて商品力を維持しています。

そんなハイエースはバンコンだけでなくキャブコンにも使われるなど、広さ&耐久性などに加えてボディバリエーションが多く存在し、多様なニーズに対応できるのが人気の理由。

ボディバリエーションは全長・全幅・全高の組み合わせにより、室内容積の小さい順に下記の4つに大別できます。

今回はこの中で最小サイズであり、普段使いもしやすい、“全長がロング・全幅が標準ボディ”のハイエースバンコン3台を紹介します。

ハイエースというと「大きくて運転しにくそう」というイメージがあるかもしれません。

ところが実際の全長は4695mm、全幅は1695mm。

ミドルサイズミニバンであるトヨタ・ノアは全長4695mm、全幅1730mmなので、比べてみると全長は同じで、全幅はハイエースのほうが35mmも短い設計なのです(いずれも2WD)。

また、最小回転半径を見てもノアが5.5mなのに対し、ハイエースのほうは5.0m。取りまわしにしてもハイエースのほうが短く扱いやすいことがわかると思います。ただし、商用車と乗用車の比較なので乗り心地については言わずもがな。では紹介していきましょう。

セドナ レイクサイド

セカンドシートをあえてなくした、贅沢なくつろぎ空間

湖畔に停めたハイエースベースのキャンピングカー「セドナ レイクサイド」の外観

SEDONA LAKESIDE/ベース車両:ハイエースDXバン4ドア/全長4695×全幅1695×全高1980mm/乗車定員3人

日本にいち早くバンライフスタイルを取り入れたのがセドナ。リアルウッドを用いたインテリアは、家やログハウスにいるような温かみがあり、その後さまざまなビルダーによってウッドインテリアのモデルが登場するようになりました。

この「レイクサイド」はモデル名からも想像できるように「湖のほとりでゆっくりと流れる時間を楽しむ」がコンセプト。

リアルウッドとホワイト家具が調和した「セドナ レイクサイド」の対面リビングとベッド展開

後方にはベッドスペースと対面リビングを展開。ウッドに包まれた心地よいインテリア

セカンドシートを取り除くことで、フロントシート後部の空間をまるっと居住空間にしているのがポイント。ここに対面でくつろげるリビング&ベッドルームが展開でき、右サイドにはロングカウンター&上部収納棚を装備。

インテリアはムク材によるナチュラルなテイストに加え、ホワイトを基調とした家具などにより、ほどよい包まれ感と居心地のよさを実現しています。

木目調のロングカウンターキャビネットとアイアンバー付き上部収納棚

運転席側にはロングカウンターキャビネットを配置。上部には収納棚やアイアンバーなどが備わり、見せる収納も可能

カウンターにすっきりと埋め込まれた上開き式の40Lポータブル冷蔵庫

スタンダード・コンプリートパッケージには上開き式40L冷蔵庫も備わる

フロントシート後部ベンチに内蔵された引き出し式キッチン・収納スペース

カウンター下には扉付きの収納スペースがあり、小物類などをしまっておける

もうひとつ注目なのが、フロントシート後部に設置されるベンチ。ここにはスライドドアを開けた状態で使える、引き出し式のアウトドアテーブルを内蔵。またベンチ横には冷蔵庫やシンクも備わっているので、車内外を問わず調理もしやすいよう設計されています。

リアスライドドアから引き出して車外で使える便利なアウトドアテーブル

引き出し式のアウトドアテーブルは車外で調理や食事をしたり、ちょっとした作業するときに重宝。テーブル下のスペースは収納として使える設計

装備面では予算に応じ、ベーシック/スタンダード/コンプリートの3つのパッケージを用意。

ベーシックでは家具類全般やベッドキット、キッチン設備、照明類といった基本的なものを装備し、スタンダードではさらに制振・断熱施工や冷蔵庫などの快適性能やフロントシートカバーやアウターパーツの艶消しブラック塗装、ボディデカールなどスタイルアップパーツも装備。

そして、コンプリートのほうはさらに電装の切り替えリレーに加え、ルーフラックやサイドオーニング、フェイスキットまでが標準装備となっています。

ベッド下を大容量収納として活用できる「セドナ レイクサイド」のフルフラットベッド

ベッドサイズは長さ1600×幅1220mmで、ベッド下は広大な収納スペースとして利用できる

ロング・標準・標準ルーフという限られた空間を3人乗車に割り切ったことで得られた、2人で広々かつ優雅に使えるレイアウト。アウトドアでも使える引き出し式のテーブル&収納など、“ナカ”と”ソト”との境界線をなくしてくれるギミックもセドナならではです。

■標準装備(ベーシック)
19L給排水タンク/シューズボックス/ボディ同色塗装クォーターガラスペイント/リアクォーターパネル断熱/LED ダウンライト/USB ポートなど
■価格
630万円〜
セドナウェブサイト

かーいんてりあ高橋 リラックスワゴン カクカク

フロントキッチン仕様で、後部はゆったり空間を実現したレイアウト

グレーカラーで仕上げられた「リラックスワゴン KAKU KAKU」の外観

CARINTERIOR TAKAHASHI RELAX WAGON KAKU KAKU/ベース車両:ハイエース ロングDX GLパッケージ5ドア/全長4695×全幅1695×全高1980mm/乗車定員6人(スーパーGLベースは乗車定員5人)

バンコン製造を得意とし、ハイエースに関しては「リラックスワゴン」シリーズを長きにわたり展開しているかーいんてりあ高橋。

シリーズ定番のリラックスワゴン・タイプ1をベースに、インテリアの雰囲気をグレー、ブラック、ブラウンカラーといった抑えたトーンを取り入れつつ、無骨で機能的なスタイルで仕上げたのがこの「カクカク(KAKU KAKU)」。

フロントキッチンとリアリビングを独立させた「KAKU KAKU」の開放的な車内空間

フロントキッチン、リアリビングの独立レイアウトで往き来もしやすいのが魅力

運転席後部にはキッチンキャビネット、助手席後ろにアイランドシンクを配し、後部を居住スペースとしてきっちりセパレート。中央にはしっかりとした動線を設け、車内での移動も楽々。

後端はロングソファによる二の字の対面リビングにできるほか、補助マットをセットしてコの字にすることも可能。このレイアウトは移動のしやすさだけでなく、家具類などの張り出しがなく、開放感が高いのも大きな魅力。

リビングモードでは2人で過ごすのに余裕たっぷりの空間。ゲストを招いて談笑できるほどの広さがあり、とても標準ボディベースとは思えないほど。

運転席・助手席の後ろに配置された機能的なフロントキッチンと中央通路とラゲッジから見たダイネットモードの2枚写真

キッチンには左スライドドアからのアクセスもしやすいアイランドシンクを搭載。リアのリビングは二の字、コの字と自由にレイアウトが可能。間接LED照明も備わり、夜の雰囲気も抜群

ベッド展開も通路にソファの背もたれをセットするだけと簡単で、1、2分もあれば完了します。おまけに、車載クーラーを標準で装備しており暑い日も快適。

ほかにも、天井にはAC100Vライティングレールが備わり、照明やプロジェクターといった機器の設置も可能。壁面にあるスイッチには一部トグルスイッチが採用され、インダストリアル感が高められています。

サブバッテリーや照明を操作する集中コントロールパネルとトグルスイッチ。アートフレームやマガジンラックを設置したインダストリアル調の壁面インテリア

左サイドには夏でも安心の車載クーラーを標準装備。右サイドにはオリジナルのウインドウアダプター「まぐねっぴー」を搭載し、小物が楽に収納できる

サブバッテリーや照明を操作する集中コントロールパネルとトグルスイッチ

左スライドドア脇にスイッチやAC、DCポートなどを集約

天井のライティングレールに取り付けられた温かみのあるウッドペンダントライト

天井のライティングレールには写真のように市販の照明が取り付け可能

リアハッチ側に配置された引き出し式棚板と工具箱などの収納スペース

右スライドドア側には引き出し式棚板を装備しており、利便性を高めている

ガレージ感や趣味部屋感のあるスタイルで、リビングとキッチンがセパレートされたレイアウトかつ、スライドドアからリアゲートまでの移動のしやすさなど、2人で過ごすのに狭さを感じさせない作りが魅力。

収納に関してはキッチンキャビネットやロングソファ下、左上部の収納棚を用意。右スライドドアからキッチンキャビネットにアクセスする際、引き出し式の棚板が装備されている点もこのモデルならでは。2人旅や趣味の基地にぴったり。

■標準装備
160Wソーラーパネル/200Ahリチウムイオンバッテリー/走行充電システム/1500Wインバーター/49L冷蔵庫/FFヒーター/車載クーラーなど
■価格
720万5000円〜
かーいんてりあ高橋ウェブサイト

カトーモーター ウィンディ

ベッド下に広い収納スペースを確保。荷物をたっぷり積載できる!

シルバーのハイエース標準ボディをベースにしたカトーモーター「ウィンディ」の外観

KATOMOTOR Windy/ベース車両:ハイエース 標準ボディ ロング ハイルーフDX GLパッケージ/全長4695×全幅1695×全高2240mm/乗車定員4〜5人

カトーモーターと言えば、天然木であるナラ材のツキ板(突板)を用いた美しい家具をキャンピングカーに採用しているメーカー。また、夏は40℃超え、冬もマイナス10℃という気候条件の厳しい新潟に拠点を置く同社だけあり、断熱材を床、天井、壁面に何層も配した独自の断熱加工技術“雪国断熱”にも定評があります。

ハイエースベースのバンコンを21モデルもラインアップする同社のなかで、「ウィンディ」は2人旅に向けた仕様。ベース車は標準ボディ・ハイルーフに加え、標準ルーフにも対応。さらに、ロング・ワイド・ミドルルーフも用意されています。

天然木家具と後部ハイマウントベッドが特徴的な「ウィンディ」の室内レイアウト

中央にはリビング、後部にハイマウントベッドとベッド下収納を配したレイアウト。左スライドドア脇に冷蔵庫を搭載し、車内・車外どちらからもアクセスがしやすい

このモデルの魅力は半常設のハイマウントベッドを搭載しており、リビングからベッドまで手間も少なくサッと移動ができるところ。さらにベッド下が広大な収納スペースになっており、旅の荷物や遊び道具はもちろんのこと、普段使いでも荷物がたくさん積み込めるようになっています。

「ウィンディ」の半常設ハイマウントベッド。上部がベッド・下部が広大な荷室になった「ウィンディ」の後部スペース

リビングからひょいと上がるだけでそのまま就寝でき、あれこれベッド展開しない手軽さが魅力。ベッド下は容量もたっぷりの収納スペースなので、旅や遊び道具もたっぷり積める

リビングは背もたれを前倒ししたフロントシートを活用し、2人掛けのセカンドシートと対面でのリビングに展開が可能。

セカンドシート左側には後部まで続くロングカウンターキャビネットを搭載し、シートからもアクセスしやすい位置に40L冷蔵庫を配置。また、キャビネット後端にはシンクや電子レンジを装備。

電装システムについても600Ahリチウムイオンサブバッテリーに走行充電システムを標準装備するなど、特に電池容量は余裕たっぷり。

職人ハンドクラフトの天然木キャビネットに組み込まれたシンクと調理エリア。フロントシートを活用して対面リビングを展開した「ウィンディ」の車内空間

左カウンター後端にはシンクや電子レンジなどのキッチン装備があり、車内外からのアクセスも良好。右カウンターにベッドマットを積めば、荷室は高さも余裕たっぷり

高湿度では吸湿し、乾燥時は放湿する天然木を採用した職人によるハンドクラフトの高品質な家具はもちろんのこと、収納力の高さが光る一台。リビングからベッドまでのアクセス性も高く、2人旅での使いやすさを突き詰めて作られています。

■標準装備
600Ahリチウムイオンバッテリー/走行充電システム/電子レンジ/40L冷蔵庫など
■価格
861万6300円〜
カトーモーターウェブサイト

同じハイエースベースのバンコンでも、2人旅の考え方はさまざま

海岸沿いのロケーションに佇むハイエースキャンピングカー

今回紹介した3モデルはいずれも大人2人での就寝に適したモデルですが、レイアウトはもちろんのこと装備やインテリアの雰囲気など、テーマに対するアプローチは三者三様なのがよくわかったかと思います。

セカンドシートをなくして居住性に思い切って振ったレイクサイド、前後でキッチンとリビングを分けつつ対面のロングソファで開放感を高めたカクカク、後端にハイマウントベッドを搭載して積載性の高さを実現したウィンディ。

それぞれの魅力があり、ユーザーの旅のスタイルや乗車定員を重視、積載性を求めるなど、日頃の使い方で選ぶ車両は大きく変わります。

今回はすべてのモデルがハイエースの標準ボディで購入が可能。あなただったらどのモデルを選びますか?

伴 隆之

ばん たかゆき 自動車専門誌の編集者を経て、その後独立。2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。旅やキャンピングカーを中心にライフスタイル誌などに執筆している。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタに加え、日産エルグランドをベースに自身で製作した車中泊カー。現在はキャンピングカー専門誌にて全国のRVパークを紹介する連載も担当中。

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