車中泊初めての車中泊は「秋」がおすすめ! 車中泊歴16年のアルペン名物スタッフが教える基本ギア5選
マットやシェードなどの基本ギアから、車中泊をより快適にする便利グッズまで、選び方と使い方を解説秋は車中泊デビューにおすすめの季節。快適に過ごすためにそろえたいマットや寝袋、シェードなどの基本ギア5選を、車中泊歴16年のアルペン名物スタッフが解説。さらに、車中泊をより快適にするプラスαの便利グッズ6選も紹介します。
秋は「車中泊デビュー」に最適な季節!
※画像はイメージです
テント設営の手間がかからず、ホテル泊よりも自由な車中泊旅。そのベストシーズンはズバリ、秋! 近年の夏の暑さは殺人的ですし、冬はドカ雪で立ち往生する危険があるのですから。
春も車中泊向きですが、秋はイヤな虫が少なくより快適。
なかでも10月は、標高にもよりますが本州であれば日中は20℃前後で心地よく、夜も10℃前後。湿度低めでカラッと晴れ渡り、キャンピングカーでなくてもウェア調節だけで過ごせる絶妙な気候なのです。
そんな車中泊のベストシーズン=秋は、車中泊デビューにも適した季節でもあります。
多少の準備不足があったとしても体調を崩しづらく、おまけに色づく山々は美しく、温泉巡りにもぴったりです。旬を迎える野菜や果物、魚が豊富にそろうなど、旅先での楽しみが盛りだくさん。車中泊に興味があるなら、このチャンスを逃すべきじゃない!
そこで車中泊とアウトドアに詳しいアルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店の中濱恭平さんに、車中泊デビューに外せないギアと選び方について教えてもらいました。
中濱恭平さん プロフィール
車中泊歴16年、アルペン勤務17年目のベテランスタッフ。アウトドアショップ「アルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店」のキャンプフロアを担当する。学生時代からクルマやバイクでアウトドアフィールドを駆け巡り、キャンプにも車中泊にも精通。お客様からはキャンプに関することはもちろん、車中泊について質問や相談を受けることも多く、車中泊ユーザーにとっても頼れる存在だ。現在の愛車は、自分でコツコツとDIYを重ねている車中泊仕様のハイエース。
車中泊歴16年が推す、車中泊デビューを成功させる5つの基本アイテム
車中泊旅をする上で、体を横たえるフラットなスペースを確保するだけでは不十分。中濱さん推薦の「安心して眠るために不可欠なアイテム」は次の5つです。
1.マット
2.寝袋
3.シェード
4.小型ランタン
5.サンダル
1.厚み5㎝以上の「インフレータブルマット」。快適さ重視なら10cm
何がなくとも用意すべきなのは、厚手のインフレータブルマットです。
「フルフラットになるクルマでも、多少はデコボコしているし硬くてそのままではよく眠れません。厚さ5cm以上あればデコボコを吸収してくれますから。快適さを重視するなら厚さ10cmをおすすめします」(中濱さん)
同じインフレータブルマットでも厚さはいろいろ。最低でも5cm(写真右)あれば、床の硬さを感じずにすむ。10cm厚(写真左)なら多少の段差を吸収するので快適だ
マットにはクローズドセルマット(空気を入れることなく、広げるだけで使える)やエアマット(空気を入れて膨らませる)、インフレータブルマット(中にウレタンが入っていてバルブを開くとある程度まで空気が入る)がありますが、なぜインフレータブルがいいのでしょうか。
マットのタイプは大きく分けて3種類。左から、インフレータブルタイプ、エアタイプ、クローズドセルタイプ
「クローズドセルは空気が抜ける心配がないけれど薄いし、エアマットは厚みがありますが動くとギュッと音がするものがあります。それに空気が抜けるとどうしようもありません。
インフレータブルなら空気が漏れても、ウレタンの分だけ支えてくれます。そういう意味でもインフレータブルが適しているのです」(中濱さん)
寝心地が抜群にいい10cm厚のインフレータブルマット
厚いマットは段差や硬さを感じにくいだけではありません。一般的に、厚いマットほど断熱性が高く冷えを感じにくいという特徴があり、寒い時期に重宝するのです。車内ではキャンプや登山ほどシビアではありませんが、これもメリットと言えるでしょう。
幅は55cm前後のシングルから130cmほどのダブルサイズまであります。
車内の幅は軽自動車なら130cmほどで、コンパクトミニバンは140cm前後、SUVやミニバンは約150cmが目安。組み合わせてできるだけ幅いっぱい敷き詰めると、モノや体が落ちることがなく快適です。
ただし、マットの長さは200cmほどのモノが多く、コンパクトSUVなどは入りきらない場合も。マット選びでは厚み、幅、そして長さも確認しておきましょう。
左からインフレータブルマット、エアタマット、クローズドセルマットの収納状態。10cm厚のインフレータブルマットなら快眠できるが収納サイズが大きくなる
なお、マットは厚く、幅広になるほど重く、かさばります。吸気・排気にも時間がかかります。とくに中にウレタンが入ったインフレータブルはその傾向が強いもの。
アルペンアウトドアーズをはじめ多くの専門店では寝心地を試せるので、寝心地とともに重さや収納サイズ、小型電動ポンプを使えるかなどを確認しておくことをおすすめします。
2.家の布団に近い封筒型で化繊タイプ、快適温度5℃以上の「寝袋」
車中泊旅デビューに欠かせない2つ目のアイテムは寝袋。それも封筒型、“レクタングラー型寝袋”とも言われる長方形の寝袋です。
「大きく開いて布団のようになるので、寝袋初心者でも違和感なく眠れます」(中濱さん)
布団を持ち込むという手もありますが、寝袋は収納しやすい工夫が満載。それに肌あたりがよく、洗濯機で丸洗いできるものも珍しくありません。
左がマミー型、右が封筒型
寝袋は体に沿って足もとがすぼまったマミー型と、長方形の封筒型に大別されます。
体の熱で中綿が抱え込む空気を暖めるので、効率がいいのは体に密着するマミー型。
ただし、封筒型は足もとが広いので中綿全体が暖まりづらいものの、ゆったりしていて自宅でくつろいでいるのと同じ姿勢で眠れます。つまり、リラックスできよく眠れるというわけ。
中綿はそれぞれにダウンと化繊から選べます。
「同じ保温性でも軽く、コンパクトに収納できるのがダウン。けれども濡れると乾きづらく、高価です。化繊綿は少し重く、かさばってしまいますがクルマで運び、車内で使うのでそこまで気にしなくていいのでは。手入れしやすく、扱いやすいことから、まずは化繊の封筒型から選べばいいと思います」(中濱さん)
脇と底に伸びるファスナーを開放すれば、肌掛けのように使える。同じモデルの寝袋をつなぎ合わせてダブルサイズの寝袋にできるモノも多い
封筒型寝袋はファスナーをすべて開けられるものが主流です。暖かい時期なら潜り込むのではなく、肌掛けのようにすれば圧迫感はなく、楽に眠れますし寝返りもスムーズです。
写真のようにアウトレイヤー、ミッドレイヤー、フリースの3層構造になっている寝袋もあり、気温によって着脱しながら使える
「店頭では“一年中使える寝袋はどれ?”と聞かれることが多くあります。その場合、レイヤータイプの寝袋をご紹介しています」(中濱さん)
寝袋にはそれぞれに快適温度が記されています。これは薄着でその寝袋に潜り込み、寒さに弱い人が快適に眠れる気温の目安。
・快適温度10〜15℃=夏
・快適温度5〜10℃=春・秋
・快適温度5℃以下=冬
気温によって使用すべき寝袋を変えるのがベストな選択なのですが、予算的に複数の寝袋を用意するのが厳しい場合はどう対応すればいいのでしょうか?
「場所にもよりますが、秋の車中泊デビューなら快適温度5℃を手にしては。冷え込みが厳しい場合は手持ちのブランケットを寝袋の中に入れる、ダウンを着るなどして調整すれば対応できます。もしポータブル電源をお持ちなら、電気毛布と併用するのもアリ。本州なら冬でもだいたい対応できます」(中濱さん)
寝袋にブランケットを入れるとその分窮屈になりますが、車中泊に慣れ、冬もクルマで旅をしたいと思うようになってから冬用寝袋を購入しても遅くはありません。
なお、重ね着しすぎると寝袋の中綿が温まりづらいので、ほどほどにすることもお忘れなく。
3.プライバシー確保、防犯に役立つ、車種専用設計の「シェード」
フロントウインドーに取り付けて気温上昇を抑えるシェードは、夏ドライブの必需品。車中泊ではそれだけでなく、サイドやリアの窓をカバーする必要があります。
というのも、ライトをつけると車内は外から丸見え。
とくに都市型RVパークでは盗難などのトラブルを招きかねず、シェードは防犯的観点からもプライバシー確保の点からも必須アイテムなのです。
それにシェードがないと街灯の光が目に入って眠れないことも。そしてせっかく寝付いても夏は4時頃から、10月でも5時すぎに明るくなって十分な睡眠時間を確保できないことがあるのです。
中綿を挟むなど断熱性を高めた車種別シェード。カラーを選べば車内の圧迫感を低減できる
「また、窓ガラスは思っている以上に外の暑さ寒さを伝えやすいんです。汎用性のある安価なシェードやカーテンでもいいんですが、隙間から冷気がどんどん入ってくるのは厳しい。
目隠し目的だけなら汎用シェードでもいいですが、断熱性を高めるためにも小窓まで隙間なくカバーする車種別設計のシェードを使うほうが快適です」(中濱さん)
シェードの取り付けは吸盤が主流ですが、吸盤によってはすぐ外れるものもあります。
「朝、全部の吸盤が剥がれ落ちていたことがありました。強力な吸盤に取り替えるか、100均などで販売されている吸盤サポートで対応するといいですよ」(中濱さん)
4.小型の「LEDランタン」。明るさは200~400ルーメンでOK
クルマにはルームライトが装備されていますがエンジン停止中にルームライトをつけると、バッテリーの状態によっては翌朝エンジンがかからなくなる場合が。
とはいえルームライトを消したら車内は真っ暗! クルマのバッテリーに頼らない光を用意しておかないと、荷物の紛失、破損の危険が高まります。
「車内での過ごし方によって異なりますが、寝るだけであれば200〜400ルーメンのランタンが1つあれば事足ります。車内はそれなりに明るくなり、手元を照らすのにも十分」(中濱さん)
フラッシュライト機能(右)があれば車外でも大活躍
「RVパークやキャンプ場のトイレや水場までの道のりは結構暗いので、小型ランタンにライト機能があれば併用できます。
車内でゆったりくつろぐならもう少し明るいものを選ぶか、2つ併用するのもいいでしょう」(中濱さん)
吊すためのハンドルやフックがあれば、広範囲を照らすことができる。入力ポート(Type-C)のほかに出力用ポート付きならいざというときに頼りになる
ランタンの光は高いところに吊すほど広範囲に届きます。そのため吊すためのフックやハンドル付きがベスト。
「軽バンなど磁石が利くクルマなら、磁石内蔵のランタンもいいですね」と中濱さん。
ちょっと紛らわしいのですが、ランタンは周囲を照らして空間を明るくする道具で、懐中電灯(ハンドライト、フラッシュライト)は特定の方向を照らす道具。2つは別の役割と言えるでしょう。
「小型ランタンの多くはハンドライト機能付きです。ソロならひとつでまかなえます」(中濱さん)
車内で使うなら周囲を照らす優しい光がベスト
ランタン選びではとかく大光量モデルに目が向きますが、限られた空間で使う場合、大光量=正義というわけではありません。
「就寝前にまぶしい光を目にすると寝付きにくいと言われています。そういう意味でも直接的ではないやさしい光がいいんです」(中濱さん)
光の色や明るさを選べるなら、食事や作業中は昼白色+強モード、就寝前は暖色+弱モードにするのもいいでしょう。
選べない場合でもグローブを取り付ける、吊す位置を変えて間接照明っぽくするなど工夫することで、車内を快適空間に演出できます。
5.車内外の出入りが格段に便利になるつっかけタイプの「サンダル」
車中泊のマストアイテム、最後のひとつはサンダルです。
足とフィットし、脱げたりズレたりしないシューズは運転に適していますが、脱ぎ履きしづらいものが多い! 靴を脱ぎ、車内でくつろいでいるときにちょっと外へ……と思ってもモタモタしてしまうんです。
スポッと足が入るシャワーサンダルタイプがベスト
「急にトイレへ……って結構ありますよね。そんなときに便利なのがサンダルです。ビーチサンダルでもいいんですが、ソックスのまま履けるシャワーサンダル、つっかけタイプがベスト。肌寒い季節は中綿入りのクロッグサンダルが暖かくていいですよ」(中濱さん)
サンダルを履いての運転はNGなので別途用意する必要があります。とはいえ、この手のサンダルは軽く、薄いので収納場所に困ることはありません。
プラスαで車中泊ライフを格上げする6つのアイテム
左上段から、吊せる収納、枕、ミニクーラーボックス、ゴミ箱、ハンギングチェーン、ミニテーブル
車中泊デビューに欠かせない5つのマストアイテムを紹介してもらいましたが、ここからは中濱さんの経験から「プラスするともっと快適にしてくれる」アイテムをピックアップ。旅のスタイルやクルマの装備によっては不要かもしれませんが、参考にしてください。
・吊せる収納
散らかりがちな小物整理に。扉付きなら運転中に飛び出すことがありません。
・枕
着替えやタオルを枕代わりにするよりも断然快適。もっちりタイプとエアー、好みのものを探しましょう。
・ミニクーラーボックス
飲み物やお土産の保冷に。冬は凍結防止に使えます。
・ゴミ箱
蓋付きのポップアップタイプだと使わないときも邪魔になりません。
・ハンギングチェーン
ランタンを吊り下げるほか、鍵や眼鏡などを吊して保管できます。
・ミニテーブル
飲み物やスマホの置き場所に。小さなテーブルがあれば安定します。
しっかり準備したら近くの高規格な車中泊施設へ
今回ご紹介したギアをベースに自分なりに抜かりなく用意したつもりでも、いきなり100点満点となることはマレ。
経験したことがないのですから、多少の失敗は当たり前です。
「まずは近場で設備が整ったRVパークやキャンプ場を目指しては。車中泊デビューにはトイレと水場があって防犯面での対応がしっかりしている施設がおすすめです」(中濱さん)
高規格施設ではマナーの悪い人との遭遇は少なく、静かに過ごすことができます。管理人が常駐しているならトラブルを相談できる可能性大。
それでもどうにもならない場合、近場なら自宅に帰ってもいいんです。RVパークのなかには、チェックアウトの開始時間を設けていない施設もあるので、そういった施設を利用するのも手。
多少失敗して帰宅したとしても「次こそは!」と前向きになれるというわけです。
しっかり準備して、高規格施設へ。
これが車中泊を良き趣味とする第一歩です。
※掲載している製品には中濱さんの私物が含まれます。一部製品は「アルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店」で取り扱いがない場合があります。
【店舗紹介】アルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店
売り場面積は約2,300坪、取り扱いブランドは約450、商品点数10万点以上が並ぶ、世界最大級のアウトドアショップ。3階建てで1階はキャンプ用品、2階はウェアやトラベルギア、3階はスキー・スノーボード、登山などの山関連アイテムのフロアとなっている。展示商品はすべて体験・試着OK。
住所:千葉県柏市風早1-6-1
電話:04-7192-3671(店舗代表)
営業時間:10:00~21:00
アルペンアウトドアーズフラッグシップストア柏店ウェブサイト
大森弘恵
おおもり・ひろえ フリーランスのライター、編集者。主なテーマはアウトドアと旅で、ときどきキャンピングカーと料理の記事も。身軽なソロキャンプ歴は約40年、愛車はヤマハ・WR250R
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