キャンピングトレーラーと夜の星空、焚き火のシーン
編集=伴 隆之

実は普通免許でOK「小型キャンピングトレーラー」厳選5台。軽で引けるモデルも!

旅先で宿、自宅で書斎や趣味部屋に! けん引免許不要のコンパクトトレーラーを厳選
伴 隆之

キャンピングトレーラーは「けん引免許が必要」と思われがちですが、車両総重量750kg以下なら普通自動車免許でけん引可能なモデルもあります。なかには軽自動車やコンパクトSUVで引けるトレーラーもあり、旅先では“動く宿”、自宅の駐車スペースでは書斎や趣味部屋として活用可能。本記事では価格やサイズ、就寝人数などを比較しながら、小型キャンピングトレーラーを厳選して紹介します。

目次

トレーラーの魅力はリーズナブルな価格&維持費も安い!

軽カーに連結しているキャンピングトレーラー

キャンピングトレーラー(以下:トレーラー)は、キャンピングカーのなかでもちょっと変わった存在です。なぜかというと、トレーラー自体で走ることができないから。自動車を馬に例えるとするなら、トレーラーは馬車の荷台のようなもの。

ヘッド車と呼ばれるけん引車に引っ張られて走行するトレーラーは、簡単にいうと骨格であるシャシーと居住部であるシェルで構成されています。今回は細かな連結方法は割愛しますが、ヘッド車側にあるヒッチメンバー(ヒッチボール含む)とトレーラー側のシャシー先端にあるカップリングホルダー(カプラー)で車両を連結しています。

トレーラーは無動力で走行するため、エンジンやトランスミッション、ドライブシャフトといった駆動メカを搭載していません。あるのは車軸や足まわり、タイヤ、ブレーキのみのシンプルな作り。

その恩恵といえば、軽量なことに加えて室内が広いこと。動力がないため車両価格も自走式のキャンピングカーに比べて安く、維持についてもメンテナンス項目が少なく費用を抑えることができます。

これらのメリットとは逆に、問題になるのは駐車スペースがヘッド車、トレーラーと2台分必要になること。ほかに連結はもちろん、運転に慣れるまで少し時間がかかることが挙げられます。

それとトレーラーをけん引するために、気になるのが免許のこと。車両総重量750kgを超える車両ではけん引免許が必要になります。逆に車両総重量が750kg以下であれば、けん引免許は不要で普通自動車免許で運転することが可能です。

またキャンピングトレーラーはキッチンやベッドなどの構造要件を満たすことで、キャンピングカーと同様に「8ナンバー(特種用途自動車)」として登録されるものもあります。

今回紹介するモデルは、車両サイズに応じて普通車登録(白ナンバー)または軽自動車登録(黄色ナンバー)で、いずれも8ナンバー区分となります。

今回はそんな“けん引免許が不要なコンパクトキャンピングトレーラー”に注目。厳選5モデルを紹介します。

インディアナ・RV ラズール300ジャパン

インディアナ・RV車のトレーラー前斜め写真

INDIANA RV Lazur 300 Japan / サイズ:全長4470×全幅2070×全高2530mm / 車両重量:630kg / 登録ナンバー:白8 / 就寝定員:3〜4人

インディアナ・RVといえば、日本のコンパクトキャンピングトレーラーシーンを代表するメーカーのひとつ。そんな同社が60年以上の歴史をもつポーランドのニワドー社に特注したモデルが「ラズール300ジャパン」

インディアナ・RV車のトレーラー後ろ斜め写真

特徴はスクエアボディのデザインを採用した室内空間。スモールボディでありながら室内高1850mm、室内長2950mmを実現。一般的なトレーラーのように前方を斜め形状や流線形にせず、均一なスペースを確保でき、ボディサイズからは想像できないほど広々としています。

さらに、屋根と壁に28mm、床に43.5mmの断熱材を用いた断熱性の高さも注目ポイント。

キャンピングトレーラーのリビング写真

後方にキッチンとマルチルームを配し、前方はまるっとリビングにした効率的なレイアウト

エントランスはリア寄りに設けられ、後方にキッチンと荷物置き場やトイレなどに使えるマルチルーム、前方はリビング兼ベッドというレイアウト。

トレーラーのリビングをベッド展開した写真

ソファを展開すれば広々としたベッドに。ベッドサイズは長さ1750×幅1900mm

二の字ソファによる対面タイプのリビングはソファの幅が1750mmあり、大人2人と子供2人がゆったりとくつろげるサイズ。就寝はソファをベッド展開するだけとベッドメイクも楽々。

トレーラー内のキッチンと冷蔵庫の2枚組写真

後方のキッチンは天板にガラストップ付きのシンクと2口コンロを搭載。蓋を閉めた状態なら天板(約1210×510mm)が調理スペースとして利用でき広々。冷蔵庫は59Lと容量もたっぷり

キッチンはガラストップ付きの2口コンロとシンク、59L冷蔵庫を搭載。コンロはカセットガスが利用でき、旅の道中で簡単に手に入れやすいのもうれしいところ。マルチルームには折りたたみ式洗面台も装備しており、オプションでポータブルトイレの設置が可能。

キャンピングトレーラーの洗面所付きマルチルーム

マルチルームは約670×950mmの床サイズでトイレの設置なども可能。折りたたみ式洗面台に加え、鏡や収納棚も装備

夫婦2人に子供1人、またはペットなどとの旅に最適なサイズ。カセットガス仕様など、装備面も日本での使いやすさが感じられる一台です。

■標準装備:電気温水器、30L給水タンク、10L排水タンク、外部電源入力プラグ、サンルーフなど
■価格:339万9000円
インディアナ・RVウェブサイト

エートゥゼット TAMA-T(タマト)

コンパクトトレーラーのポップアップルーフをあげた写真

AtoZ TAMA-T / サイズ:全長3510×全幅1530×全高1955㎜ / 車両重量:約580kg~680kg(装備により異なる) / 登録ナンバー:白8/ 就寝定員:大人2人+子供2人/※写真はタイプ1

シンプルで使いやすく、2つのレイアウトをラインアップ

1988年に創業し、バンコンやキャブコンなど、豊富なオリジナルモデルをラインアップするエートゥゼット。スモールトレーラーである「タマト」の全幅は1530mmと軽自動車枠の1480mmを超えてしまいますが、全長・全高は軽自動車枠に収まるコンパクトさが魅力。車両重量も約580kg~680kg(装備により異なる)で、コンパクトカーなどでもけん引がしやすいのも特徴です。

コンパクトトレーラーの斜め前写真

写真はタイプ2でリアエントランス仕様。タイプ1はフロントエントランスを採用

トレーラーのリビング全景

コの字型にソファを配置したリビング。写真はタイプ2

シンプルなキューブスタイルのFRP製ボディに加え、水平昇降式のポップアップルーフを搭載し、通常時で室内高1430mm、ポップアップルーフを上げれば1930mmと大人でも余裕で歩いたり着替えたりできる高さを確保。

コンパクトトレーラーのリビング全景

ポップアップルーフを上げた際の室内高は1930mmと移動がしやすく開放感も高い。写真はタイプ1

キャンピングトレーラーのキッチン部分

タイプ1、2どちらのモデルもL字カウンターキッチンキャビネットを搭載し、49L冷蔵庫を内蔵。写真のDC12V車載クーラーはオプション

レイアウトはタイプ1、タイプ2の2モデルを用意しており、タイプ1はフロントエントランスでタイプ2はリアエントランス。両モデルともにL字キッチンカウンターとコの字リビングのレイアウト。

フロアベッドはタイプ1のほうが50mmほど長い設計。ポップアップルーフ内はチャイルドベッドとしても利用ができ、ファミリーユースも可能となっています。

トレーラーのリビングベッドとルーフベッド

コの字のリビングは展開すると長さ1800×幅1420mmのベッドに。ルーフベッドは1860×970mm

■標準装備:100Ahサブバッテリー、10L給排水タンク、外部電源入力プラグ、正弦波インバーターなど
■価格:239万8000円〜
エートゥゼットウェブサイト

ダイレクトカーズ ノマドア

ダイレクトカーズのトレーラー・ノマドアの全体画像

DIRECT CARS NOMADOA / サイズ:全長3430×全幅1570×全高2560mm / 登録ナンバー:白8 / 就寝定員:3人

カーゴトレーラーとしても使え、遊びの基地にピッタリ

デザインはポップアップルーフに加え、アウトドアテイストを随所に散りばめたスクエアフォルムを採用。軽やコンパクトSUVでけん引可能なスモールボディに、跳ね上げ式の大型バックドアを搭載し、自転車や小型バイクなどの積載も可能なのが特徴となっています。

トレーラーのキッチンとテーブルの2枚写真

スリムタイプのキッチンキャビネットは黒基調に間接照明や冷蔵庫も搭載。引き出し部分には折りたたみ式拡張テーブルも内蔵

エントランスはフロント寄りで、インテリアは左側にロングカウンターキッチン、右側に2分割シートを配したレイアウト。シートは跳ね上げ式になっておりフロアには自転車などを固定できるフックも備わり、カーゴトレーラーとしてのキャラクターも併せ持っています。

スモールトレーラーのシートと収納庫の2枚写真

シートは2分割の跳ね上げタイプ。シートは長さ1800×幅900mmで1人分の就寝スペースを確保。シート下はスリムタイプの収納スペースも用意

キッチンをはじめとした室内の雰囲気はブラックとウッドを用い、細部までこだわった高級感あるスタイルも魅力。就寝は2分割シートに1人、ポップアップルーフ内に2人の設計。外遊びの道具をたくさん積んで楽しむ、趣味人の基地に最適な作りが魅力となっています。

トレーラーのポップルーフ内観

ポップアップルーフ内のベッドサイズは長さ2000×幅1230mm。メッシュ窓も備わり通気性にも配慮

■標準装備:カセットコンロ、シンク、冷蔵庫、外部電源入力プラグなど
■価格:269万円〜
ダイレクトカーズウェブサイト

M.Y.S ミスティック レジストロ・クコ

ミスティック社のトレーラー全景

M.Y.S MYSTIC Registro Cuco / サイズ:全長3590×全幅1730×全高2360mm /車両重量:約480kg / 登録ナンバー:白8 / 就寝定員:3人

クラシカルなフォルムとウッディなインテリアによるかわいい雰囲気が魅力

前傾したフロントウォールの形状により幌馬車を彷彿とさせるデザインが個性的で、同社のキャブコン「レジストロ」シリーズ同様のアルミを使った軽量・高耐久のボディバス構造のシェルを採用しているのがポイント。

トレーラーのリビングとリビングソファをベッド展開した2枚写真

4人が対面で座ってくつろげるリビング。テーブルとポールを外し、通路に背もたれマットを置けば1800×1640mmのベッドに展開が可能

インテリアはエクステリアにマッチしたかわいくて温かみのある雰囲気で、古材風の壁紙をはじめ、ウッドを生かした家具類、オリーブのファブリックなどでトータルコーディネート。

レイアウトは後方にコの字ソファのリビングを配し、ここをベッド展開すれば3人が就寝可能。室内高は1690mmで、上部収納庫などがないため開放感があり、すっきりした印象となっています。

トレーラーのキッチンスペース

L字キッチンキャビネットはシンクやカセットコンロをはじめ、シューズボックスに電圧計や集中スイッチなどを装備。丸窓やアクリル2重窓なども備わり採光性も抜群

前方はL字型のキッチンを配し、キッチンキャビネット内には写真のように冷蔵庫などを搭載することも可能。けん引免許が不要かつ、軽自動車でもけん引できるのが魅力。

装備の違いによりスタンダード、バリュー、リミテッドと3つのパッケージを用意し、旅のスタイルに合わせて選べるようになっています。

キャンピングトレーラー全景

■標準装備:カセットコンロ、シンク、換気ファン、電圧計、外部電源入力プラグなど
■価格:294万8000円〜
M.Y.Sミスティックウェブサイト

バンショップミカミ コロ

トレーラーのドアを全開にし、ポップアップルーフを上げた写真

VAN SHOP MIKAMI CORO / サイズ:全長3400×全幅1470×全高1905mm / 車両重量:約450〜550kg(仕様により異なる) / 登録ナンバー:黄8 / 就寝定員:2〜4人 / ※写真のバックドアはオプション

軽自動車枠に収まる“元祖”スモールトレーラー

2017年に登場し、進化が進むロングセラーの“元祖”軽キャンピングトレーラー。取材車はキャンピング車登録のポップアップタイプでポップアップルーフを搭載。

バンショップミカミのトレーラー

エントランスには丸いアクリル窓を採用し、両壁には大型のアクリル2重窓も装備。さらに、水平昇降式のポップアップルーフを上げた際の室内高は1825mmを確保しています。

トレーラーのリビング全景とキッチン部の2枚写真

コの字ソファを採用したリビング。写真のポータブルクーラーはオプション。後部のキッチンキャビネットは写真のI字タイプのほかにL字タイプも用意

インテリアは発売当初からあるL字キッチンと新たに加わったI字キッチンの2タイプを用意。ダイネットはどちらもコの字タイプを搭載。ソファ下は収納スペースになっており、ダイネットのベッド展開とポップアップルーフ内で4人が就寝できる設計。

トレーラーのリビングベッドとポップアップルーフベッドの写真

ベッド展開時はフロアが長さ1800×幅1310mm。ポップアップルーフ内で長さ1800×幅1040mm。天井までのクリアランスは600mmで左右にはメッシュウインドウも装備

ポータブルクーラーが装着できる前方のボックスや大型リアゲートをオプションで用意し、快適性や利便性のグレードアップも可能。写真のモデルは車両重量が530kgと軽く、軽自動車でけん引が可能。愛らしいスタイルでも人気のモデルです。

コンパクトトレーラーと連結しているSUV

超軽量ボディによりけん引もしやすい。大型のアクリル2重窓が備わり採光性も高い

■標準装備:10L給水タンク、10L排水タンク、ポップアップルーフ、105Ah鉛バッテリー、500Wインバーター、外部入力電源など
■価格:258万5000円〜
バンショップミカミウェブサイト

コンパクトなトレーラーなら手押しで移動もできる!

トレーラーは連結の手間や運転など、一見ハードルが高そうに見えるのは確か。しかし、日頃オーナー取材をしていると、「前に走る分には普通車と大きく変わらない」という声をよく耳にします。筆者は教習所に通い、けん引免許を取得しましたがバックや駐車など、普通車とは異なる手順を学ぶことが逆に新鮮で面白いと感じました。

また、今回紹介している車両であれば、1人もしくは2人で押して移動させることも容易なので、慣れるまではキャンプ場やRVパークなどで、切り離して自力で移動させるという手だってあります。

トレーラーは自走式にない広大な空間が大きな魅力。旅での宿になるだけではなく、日常生活では書斎や子ども部屋など、家以外にひと部屋増やせるといった使い方もできます。

今回紹介したコンパクトトレーラーなら、コンパクトSUVやコンパクトミニバンなどでもけん引できるので、わざわざ自走式のキャンピングカーを買う必要なく、キャンピングカーライフを楽しめるでしょう。

伴 隆之

ばん たかゆき 自動車専門誌の編集者を経て、その後独立。2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。旅やキャンピングカーを中心にライフスタイル誌などに執筆している。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタに加え、日産エルグランドをベースに自身で製作した車中泊カー。現在はキャンピングカー専門誌にて全国のRVパークを紹介する連載も担当中。

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