買い物のため、エンジンONのまま車を離れる…。これは違反? それともOK?
あなたの運転、ひょっとしたら違反かも運転歴が長くなると、違反行為かどうかを気にせずハンドルを握ることも多くなりがち。どこが違反にあたる運転行為なのかをクイズで再確認しましょう。今回は、エンジンをONにしたまま車を離れ、買い物をする際のクイズです。
●買い物のため、コンビニエンスストアに立ち寄りました。すぐに買い物が終わるので、シフトをPにし、パーキングブレーキをかけてエンジンをONにしたまま車を離れました。
この行為は、以下の選択肢のどれに該当するでしょうか?
- 1.エンジンをONにしたまま車を離れたので違反。
- 2.輪止めを使わなかったので違反。
- 3.パーキングブレーキをかけたので、車を離れても違反にはならない。
-
答え:1
道路交通法第71条は、車から離れるときは、エンジンを止め、完全にブレーキをかけるなどして車が完全に停止状態を保つこと(同条5号)、ドアロックをするなどして他人に無断に運転されないよう措置すること(同条5号の2)を求めています。
たとえ短時間で終わる用事であっても、車を離れる際には、パーキングブレーキだけでなく、エンジンを切り、ドアロックをすることが必要です。よって正解は1です。
車を離れるときは、停止中の車が動き出すことのないよう、エンジンを止め、パーキングブレーキをかけることが必要ですし、他人に無断で運転されないように必要な措置をとらなければなりません。これらの措置を怠ったために動き出した車や、盗難された車で事故が起きた場合には、車の運転者や持ち主に損害賠償責任(民法第709条、自賠法第3条)が問われる可能性があります。
事故防止だけでなく、不要なアイドリングを続けるのは環境問題の観点からも避けるべきでしょう。
道路交通法
(運転者の遵守事項)
第71条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
(略)
五 車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。
五の二 自動車又は原動機付自転車を離れるときは、その車両の装置に応じ、その車両が他人に無断で運転されることがないようにするため必要な措置を講ずること。
(略)
松居英二
まつい・えいじ 弁護士。(公財)日弁連交通事故相談センターの委員・相談員として交通事故に関する法律相談、損害賠償額算定基準の作成などに参加。「JAF Mate」誌では2004年から2017年まで「クルマ生活Q&A」の法律相談を担当。