大雪で埋もれる2台のクルマ(ガソリン車とEV)

大雪で立ち往生! 車が雪に埋もれたときの車内環境はどう変わる?

JAFユーザーテストで検証

2020年12月に関越自動車道で発生した大雪による大規模立ち往生を想定したテストを実施。
雪に埋もれたガソリン車とEVの車内環境は、どのように変化するのだろうか?

目次
  • JAF Mate2022年1月号に掲載したユーザーテストを再構成しています。

ガソリン車とEV を雪で埋め、車内環境の変化を計測

ホイールローダーで運んだ雪でクルマを埋めていく様子

上の写真のように、ホイールローダーと人力でガソリン車とEVの周囲をドアハンドル付近の高さまで雪で覆い、フロントガラス下にあるエアダクト周辺も外気が入らないよう雪で埋めた。

車体後方も雪で埋め(下写真参照)、ガソリン車はマフラーが完全に見えない状態に。ガソリン車はエンジンON(十分に暖機済み)、EVはパワーONで、60分間テストを実施した。

EV

EV

ガソリン車

ガソリン車

EV

EV

車内条件
・1名乗車
・内気循環
・オートエアコン25℃


EVには1名が乗車。内燃機関を持たないEVなので、車内環境の変化として乗員の呼気による二酸化炭素濃度(%)を計測。

EVの車内で二酸化炭素濃度(%)を計測する様子

ガソリン車

EV

車内条件
・乗員なし
・内気循環
・オートエアコン25℃


ガソリン車は車内に排ガスが流入することを想定し、乗車はせず、一酸化炭素(ppm)、酸素の濃度(%)を計測した。

ガソリン車の車内で一酸化炭素(ppm)、酸素の濃度(%)を計測する様子


ガソリン車は車内環境がすぐに悪化! 1分24秒で一酸化炭素濃度が警報値に

ガソリン車テスト結果のグラフ。一酸化炭素濃度の上昇と、酸素濃度の低下がわかる

一酸化炭素濃度はテスト開始から1分24秒で早くも警報値50ppmに到達。検査器の警報値は8時間以上人が滞在すると人体に悪影響がある数値で、18~50分の間で計測値上限の300ppmを超えた。

上限を超えたため正確な値は不明だが、頭痛や吐き気、耳鳴りなどの症状をもたらす400ppmに迫った可能性も高い。酸素濃度は13分14秒で安全限界(警報値)とされる18%に到達。12%でめまい、吐き気などをもたらすと言われるが、35分で13.2%まで下がった。

短時間で車内環境が悪化したことを踏まえると、適切な換気やエンジンの停止、状況に応じて周囲の雪かきなどの迅速な対応が必要だ。

大雪での立ち往生で行うべきこと
・エンジンの停止
・換気
・状況に応じた雪かき

  • 一酸化炭素濃度のグラフ数値について、大きく変動している時間帯は、オートエアコンなどの影響があったと想定されます。

EVは60分間で0.1%(1,000ppm)以上に上がらず

厚生労働省が定める換気が必要な二酸化炭素の数値である0.1%を超えなかった。テスト中、車内は快適だったとのことだが、乗員が増えると眠気や倦怠感をもたらす0.2%以上になる可能性もあり、適度な換気は必要。積雪でドアが開けられなくなるため、EVでも雪かきは必須だ。

大雪での立ち往生で行うべきこと
・状況に応じた雪かき
・適度な換気


ガソリン車は排ガスが流入! EVは車内に危険はなかったが…

「冬のEVは本当に不安? 暖房の使い方ひとつで電力消費がここまで変わる! 」では、大雪での立ち往生を想定し、暖房方法の違いによるEVの消費電力量の差についてテストしたが、今回は立ち往生で車が雪に埋もれた場合、ガソリン車とEVの車内環境がどう変化するか検証した。

ガソリン車はマフラーの排気口が雪で塞がれると、排ガスが車内に流入。一酸化炭素濃度はテスト開始1分24秒で、酸素濃度は15分14秒で警報値(8時間滞在すると人体に悪影響を与える数値)に達するなど、車内環境が急速に悪化することがわかった。

では、長時間車内に滞在しなければならない場合はどうだろう。EVに一酸化炭素中毒の危険性は少ないが、身動きが取れなくならないよう適宜車の周りの雪かきが必要だ。ガソリン車は一酸化炭素中毒を避けるため、状況に応じた雪かきが重要になるが、吹雪がひどいときは車外に出ること自体が危険な場合もあり、その際は適切な換気に加え、エンジンを切る必要もある。

降雪時に外出する際は事前に目的地や走行ルートの天気予報を確認し、万が一に備えて防寒具のほか、雪かき用の長靴や手袋、スコップなどを常備しておくと良い。

結果: ガソリン車は排ガスの流入に注意! ガソリン車、EVともに、状況に応じた雪かきが必要

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