高齢ドライバーのヒヤリハット

高齢者の自転車、つまずく

シニア世代の思い込み運転を考える
2022.05.23

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

2022.05.23

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

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高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回は、高齢者が乗る自転車が転倒し、さらに赤信号でも横断してしまった話。高齢者が乗る自転車を見たら、そのような危険性を予測し、安全マージンを取っておくことが重要だ。

高齢者の自転車は、段差で転倒する危険あり

道幅の広い片側4車線の幹線道路、赤信号で停車した。かなり高齢の女性が左側の歩道を自転車に乗って走ってきた。横断歩道を渡ろうと前輪が車道にかかったとき、歩道と車道のわずかな段差でバランスを崩した。なんとか足を踏ん張って本人は転ばなかったが、自転車は転倒した。

自転車が重いらしく、なかなか持ち上げられない。助けに行こうとも思ったが、隣のトラックのタイヤが近く、運転席のドアが開けられなかった。ハラハラして見ているとなんとか立て直し、自転車に乗った。こちらもホッとしたが、今度は点滅が始まってしまった歩行者信号にはおかまいなしに、フラフラと渡って行く。

道路の半ばで赤信号となっていたが、本人はまったく気づいていない。対向車線のドライバーも様子を見ていたらしく、発進する車はなかったが、危なかった。結局、この老婦人は無事に渡り終え、住宅街に消えて行った。

直接のヒヤリがあったわけではないが、高齢者が乗る自転車は少しの段差でもバランスを崩すこと、その重さを支えきれないこと、さらに動転した結果、信号を確かめることもなく、道路を渡ってしまう危険があることを目の当たりにし、こちらも高齢者ながら高齢者が乗る自転車への接近時や脇を通過するとき、こうした危険があることを示唆された思いだった。

指をさす男性

高齢者の自転車を見たら、安全マージンを取って走る。

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