バック駐車、こだわりの大迷惑
シニア世代の思い込み運転を考える高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回は、サービスエリアの駐車場で見かけた駐車の仕方。駐車に対する古い考えにとらわれず、駐車場のルールや周囲の様子を十分確認して運転することが重要だ。
「車庫入れはバックで」は過去のこと?
休日、混雑する高速道路のサービスエリアの駐車場。車路を行き交う歩行者が多く、トイレを急ぐのか、車の間から飛び出すように縫って進むので、危ない場面を多く見かける。1台の車が出たスペースに、大型SUVがやってきた。どうやら、そこに止めるようだ。
そのまま前向きで駐車すると思っていたら、なんと、そのスペースの前で、車を旋回させ、後ろ向きで駐車し始めた。このスペースは前向き駐車を想定した斜めのラインで、両側の車もみな前向きに駐車している。そこにバックで駐車しようというのだ。当然、入れ難く、何度も切り返し、やっと収まった。後ろには何台もの車の列ができ、大迷惑なのだが。
車を降りてくるドライバーを見ると、そんなことにはまったく気づかず、なにか満足気でもあった。こちらと同年輩と思えたが、はるか50年前、運転免許を取るときに嫌というほどバックでの車庫入れを練習し、縦列駐車とともにこれができれば運転上手と言われた。そんな思い込みからなのか、バックでの駐車にこだわりがある年代ではあるのだが。
自己満足なこの行為、結局、駐車までの時間がかかり、後続の渋滞を招き、混雑の激しい場合は、その列が本線まで延びる危険があることに思い及ばないのかなーと考えたとき、「はっ!」とした。気づかないところで、自分自身もこうした自己中の運転行動をしていないのか? “人の振り見て我が振り直せ”を地でいく光景でもあった。
- 運転をあきらめないワンポイント
高齢者にありがちな自己中の運転を見直そう。
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