高齢ドライバーのヒヤリハット

センサー異常を招く春の嵐

シニア世代の思い込み運転を考える
2022.04.09

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

2022.04.09

文=岩越和紀(NPO法人高齢者安全運転支援研究会・理事長)/イラスト=平尾直子

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高齢者の運転に詳しい専門家が、高齢ドライバーにありがちな思い込み運転やヒヤリハット体験を、同じ高齢者の立場からわかりやすく解説するこのコラム。今回は、最近の車に多く設置されているセンサーの誤作動の話。窓と同じように、センサーの汚れにも気を配っておくことが大切になるようだ。

泥で安全性能が低下!?

前日まで何も問題がなかったが、信号等で止まるたびに、障害物への接近を知らせるブザーが鳴る。前車への接近を警告しているようでもあり、そうでもなく、訳がわからず困惑する。モニターを見ると左斜め前方に障害物ありの扇状の図形が現れ、赤色で衝突の危険を警告している。だが、そこに障害物はない。対処法がわからず焦るし、血圧も上がる。


車を止めて冷静に考えてみた。まず思いついたのは、パソコンがおかしくなったときに行う再起動だ。エンジンを切り、再始動して走り出し、ブレーキを踏む。同じ症状のままだ。無念! 
次に、停止寸前の速度でモニターの図形が現れ、ブザーが鳴りだすことから、駐車時の警告センサーの異常かと思い、その関係と思われるスイッチを押すと鳴り止んだ。半信半疑ながら走り出し、そして、止まろうとしたとき、無情にもまた鳴り出した。もう降参である。これ以上の対処の術を持ち合わせない。


整備工場で見てもらうと、最初はセンサー異常かということで調べていたが、意外な原因が特定できた。それはセンサーにこびり付いた泥とのことで、「えっ」と思わず絶句だ。駐車時に接触や衝突を見張るセンサーにはしばしば助けられるが、そのセンサー表面に泥が付着して、車速が遅くなると、駐車の操作をしていると勘違いして、ブザーが鳴っていたということだ。カメラのレンズならわかるが、超音波のセンサーが泥に弱いとは。そういえば、前日は春の嵐で、異常な強風と豪雨であったため、巻き上げられた泥がセンサーにこびり付いてしまったのか。


車の安全性能を左右するセンサーも泥で機能を狂わされることがあるとは……。高齢者向けのサポカー(安全運転サポート車)にもたくさんのセンサーが付いているので、その恩恵を受けるためにも、これまで以上に、しっかり汚れを拭うことを心掛けたい。

指をさす男性

車をきれいにしておくことで、より安全に!

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