フィリピン・マニラへ衝動の旅。煌くカジノ、賑わう夜市で異国情緒を満喫
貯めたマイルで行先を決めた適当旅海外編、マニラの街をぶらり散歩ヒャダインさんが神出鬼没に国内外を旅する適当旅。3回目はコロナ禍が過ぎ去り、貯まったマイルを消化するべく赴いた久々の海外旅行。気温30度のフィリピン・マニラをふらりと散歩します。
戻ってきた海外旅行熱。近場からリハビリを!
ども。今日も私の適当旅にお付き合いください。さて時は少しさかのぼりまして2022年秋。今ではすっかり忘れているかもしれませんが、当時海外への渡航がやっとOKになったタイミング。周りがどんどん海外旅行を再開していくなか、すっかり「海外旅行みしり」になってしまった私は、国外に行くという行為自体が非日常すぎてまんじりとしていたわけです。というのもコロナ前、私は年末年始を海外で過ごすのが常でして、南米や南アフリカなど普段行けないところに行っていましたが、もうやり方すらわからない。そんな私、毎週大阪に出張で飛行機で行っていたおかげでマイルがどっさり。とりあえずそのマイルで往復できるところを探したところフィリピンのマニラを発見。本当に衝動的にチケットを取ってしまいました。
久しぶりの海外、マニラ。目的はない。
そこからは昔のカンを頼りにアプリでホテルを予約(これが高級ホテルでも安いんです、マニラ)。マネージャーに休暇申請をしていざマニラへ。おい待て。なんでマニラに行くの? え? 目的はない。失礼承知ですが行きたい国でもなかったし、何がおいしいかも知らない。うーん。モチベーションはただ一つ。「海外に行きたい」、ただそれだけ。ウキウキと羽田に行き、見事にリュックの中のシャンプー・トリートメントを没収されて機内へ。フライト時間は短く、あっという間にマニラへ。着くやいなや空港で「eARRIVALのQRを出せ」と。なにそれ。ああ。入国申請書がデジタルになったんだ。他のお客さんは全員持っている。恥ずかしい! でも現地のスタッフがスーパースペシャル親切で手取り足取り教えてくれた。この国、いい国確定。
現地のUberにあたるGrabをダウンロードして早速配車、ホテルへと向かうのですが、おう、なかなか気合の入った町並み。そして交通量。もっと都会だと思っていたのにな。
それもつかの間、一気に都会へ。東南アジアの勢いはすごいなぁ。
ホテルも大変美しく、順調にチェックイン。公用語が英語なのでコミュニケーションも問題ない。にしても適当旅ゆえ、なんの予定もない。ホテルがショッピングセンターの目の前だったので「グリーンベルト」という巨大モールへ。高級ブランドがわんさと。日本の知らない地方都市に飛ばされたような感覚。海外のような日本のような。いかんいかん。飯を食おう。モール内のフィリピン料理店へ。
パンシットという焼きそばとアドボという肉。少し濃い味がビールと合うねぇ。しかし隣のテーブルが日本人カップルだったので、まだ日本感は抜けない。
日本ではない異国感を求めて……。
このままじゃいかん! と夜の繁華街へとGrabで行こうと車を呼ぶけど交通渋滞で来ない! しゃあない。歩くか。11月とはいえ30℃。半袖で腹ごなしがてら歩いていきました。そこで致命的な欠陥を忘れていたことを思い出しました。「私、極度の方向音痴」。グーグルマップ見ながらでも思ったところに行けない……。どんどんおかしな方向に行く。まあ、いいや。これぞ適当旅。するとなんだか大きな音が聞こえる。なんかライブでもやっているのかな、と足を運ぶと大音量の音楽と無数のLED電球によるパフォーマンスが。
なんと美しい。しばらくぼーっと光と音に包まれた後、ナイトマーケットがあるという場所へと。途中いわゆるヤンチャなストリートがあって、たくさんの客引きがいたりして異国感を味わいつつ目的地へ。
ふむ。思ってたのとは違った。台湾の夜市みたいなのを予想してたけど、とりあえずビールだけ飲んでおく。
日本のラーメンをあえてマニラで食す
ホテルに帰り就寝。翌日、これまた適当に出動。するとまた違うショッピングセンターへ。道中でマルシェみたいなものがやっていて胸が騒ぐ。もっと日本もマルシェがあればいいのにな。なんて思っていたらすぐに昼ごはんの時間。現地調査もかねてラーメン店へ。
大阪が本店、ということで、うん。普通にうまい。値段は日本よりはちょっと高めかな。うーん。これなら大阪で食べればよかった! 何を期待していたんだろう。どこに行こうかな、と考えてカジノへと。ちょっと離れたところなんでGrabでビューンと。「オカダマニラ 」という日系の方が立ち上げたカジノへ。
煌くカジノでワインを飲み、マニラの夜が更けてゆく
エントランスがこれ。なんじゃこりゃー。豪華絢爛。今までマカオのカジノも見学したことがあって、それもめちゃくちゃ豪華絢爛でしたがこれまたえぐい。カジノの中に入ったらたくさんの中国人が大騒ぎで楽しんでいました。私はルールがわからなかったのでただ観客として見ているだけでした。踏み込む勇気があれば、と後悔しています。本当はルールなんて簡単なのに、どうも一人旅だとその勇気が出ない。
そんな失意のなか、晩ごはんへと。オカダマニラの中で食べよう、とうろうろ歩いていたら道に迷ってしまい約3周することに。ヘトヘトになってたどり着いたのがステーキ店でした。バンドの生演奏があったんですよ。こりゃいいや、と入ってワインを注文。バンドの音がうるさく、店員さんが何言っているかわからないのでとりあえずイエスを連発していたら、ワインがボトルで出てきた。
一人で1本かぁ。持ち前の貧乏根性で飲み干してやろう、と2時間かけて楽しむことに。バンドの演奏、何回聴いただろう。「あの日本人、まだいるよ……」って思われていたと思う。しかし素敵な音楽とおいしいお酒ですっかり上機嫌。帰りに噴水ショーも見てルンルンとホテルに帰りました。
かくして何も期待しないで行ったマニラ。素敵な偶然やおいしい体験がたくさんできて大変実りのある旅になりました。目的なんて持たなくても楽しい、これは人生訓にもなるなあなんて思った旅でもありました。次回はボロ車で巡った北海道・道北の旅をお届けします。お楽しみに。
ヒャダイン
音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名 前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。さまざまなアーティストに楽曲提供を行い、自身もタレントとして活動。「musicるTV」「久保みねヒャダこじらせナイト」「サウナを愛でたい」「おはよう朝日です」などテレビのレギュラー多数。