©Mitsuaki Iwago

ネコネコごよみ12月

天狗湯の看板ネコ、グー
岩合光昭

冊子JAF Mateでも好評の「ネコネコごよみ」が、JAF Mate Onlineで毎月連載となりました!! 動物写真の第一人者、岩合光昭さんが撮影したネコたちが、季節の風景とともに登場します。

銭湯の看板ネコ、グーちゃん。ネコですが、ヒトの体重計がしっかり振れる、ふくよかなグーちゃんです。
©Mitsuaki Iwago ※2021年撮影

東京西部にある銭湯「天狗(てんぐ)湯」には、グーちゃんというネコが暮らしています。グーちゃんの名前の由来は、天狗のグーとGoodのグーから。とても穏やかな3歳のオスです。
洗い場の掃除が始まると、浴室に入るグーちゃんについて行きます。壁面の富士山が目に飛び込んできました。これぞ銭湯、胸が高鳴ります。グーちゃんが、両面にガランと鏡が並ぶ塀の上に上がります。見晴らしが良いのでしょう。彼の正面の顔を撮ろうと回りこむと、何と富士山が背景に。これには思わず「グーちゃん、ありがとう!」。お腹のたるみが塀からはみ出すグーちゃん、親近感を覚えつつ、何㎏くらいあるのだろうと思っていると、脱衣所に戻り、今度は体重計に乗ってくれます。すごいネコです。7.5kg。重さもすごいです……。
15時45分、開店の時間。番台でどーんと香箱座りをするグーちゃんの広い背中に、銭湯のご主人が釣り銭を置きます。お客さんも慣れたもの。背中の釣り銭をつまみます。地元のみなさんに愛されている、銭湯のネコでした。

岩合光昭

いわごう・みつあき 地球上のあらゆる地域をフィールドに活躍する動物写真家。身近なネコを半世紀以上ライフワークとして撮り続けている。NHK BSP『岩合光昭の世界ネコ歩き』が好評放送中。©︎Iwago Photographic Office オフィシャルサイト 【岩合光昭】 official site

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