ネコネコごよみ・夏
岩合光昭
動物写真の第一人者、岩合光昭さんが撮影したネコたちが、季節の風景とともに登場します。
ブラジル、リオデジャネイロ。コパカバーナの浜辺でくつろぐシキンニョ、10歳を超えたオスです。晴れた日はいつも、ご主人とバイクに乗って、丘の斜面の家からビーチにやって来ます。朝、ご主人がバイクを出すと、待ってましたとばかりに飛び乗ります。走行中は前足をハンドルの前に置きバランスを取りながら毛繕い。慣れたものです。ビーチに来るとご主人はシキンニョのために、砂でビーチベッドを作ります。
そこに彼を仰向(あおむ)けに寝かせました。ネコが苦手な姿勢なので、すぐに起きると思ったのですが、そのまま1時間以上。波打ち際を歩くヒトやイヌの散歩、兵隊さんの朝の訓練をシキンニョは飽きもせず、仰向けのまま眺めています。日が強くなってきました。
カラフルなビーチパラソルの花が咲き始めます。シキンニョはすっと立ち上がると、女の子がくつろぐパラソルへ、彼女の隣のビーチベッドに上がると、また仰向けになり海を眺めます。女の子が微笑みます。僕がやったら怒られるだろうなぁ。
ご主人とバイクでビーチに向かうシキンニョ。余裕たっぷり、あたりを見回し毛繕(けづくろ)いをします。
©Mitsuaki Iwago ※2016年撮影
岩合光昭
いわごう・みつあき 地球上のあらゆる地域をフィールドに活躍する動物写真家。身近なネコを半世紀以上ライフワークとして撮り続けている。NHK BSP『岩合光昭の世界ネコ歩き』が好評放送中。©︎Iwago Photographic Office オフィシャルサイト 【岩合光昭】 official site
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