いわき市海鮮イメージ
文=高橋 剛 / 撮影=柴田直行

福島の豊かな海を堪能! 海の幸をカッ食らう、海鮮三昧の旅

福島の海鮮グルメを食べに行こう! ドライブスタンプラリー実施中!

南からの黒潮、北からの親潮がぶつかり合い、豊かな漁場をなしている福島県沖。回遊魚から底魚まで、多彩な「うまい魚」が獲れる海だ。小名浜港は、福島県下でも最大級の水揚げ量を誇る。 だから港の周辺は、地魚を中心として、各地から集まった美味があふれる。首都圏からドライブで行きやすいグルメスポットとして人気で、市場周辺の食堂は多数の観光客でにぎわう。 なおかつ小名浜港は、釣り人に開かれた港としても有名。地域公認で堂々と竿を出せる港は、太公望の垂涎の的である。今回は、うまい魚好き、そして釣り好きのライターが、小名浜港周辺をドライブし、福島の今の魅力を探った。

目次

海に親しみたければ、竿を出せばいい
釣りを通して、福島の人の強さを知る

早朝の釣り人

釣り人の朝は、とてつもなく早い。手早く支度を済ませ、1投目は午前3時過ぎ。まだ夜と言っていい時間だ。何度か仕掛けを入れ直しているうちに、真っ黒だった空は群青色になり、やがて静かに赤味を帯びてくる。眠っていた魚たちが光の変化で目覚め、エサを食べ始めるゴールデンタイム──朝マズメだ。

釣り糸を垂らしているのは、福島県小名浜港にある水族館「アクアマリンふくしま」の裏手だ。釣りをしてもよいエリアが指定されている、「公認釣り場」。ボードウォークが整備され、足場もよい。

小名浜港は、釣り人に開かれた港として知られている。多くの港がさまざまな原因で釣り禁止となっている中、堂々と竿を出せるここは奇跡的だ。地元の人に聞くと、震災以降、海に親しみを持ってもらうために、釣りができるエリアが拡大したそうだ。

なんというしなやかさ。その強さを思うだけで、胸に迫るものがある。空はすっかり明るくなってしまった。今日の釣果は諦めた。釣り具屋のおじさんは「アジなんか、すぐ釣れますよぉ」と朗らかだったが、釣りがそんなに簡単なものじゃないことはよくわかっている。

クーラーは空っぽだが、竿を出せただけで満足だ。小名浜のグルメを巡る旅のオープニングとしては、最高だった。晴れ上がった空を見上げ、釣り道具を片付ける。車に向かいながら、次は釣りのためだけに訪れようと思った。何しろ、おじさんの「すぐ釣れますよぉ」が、耳から離れない。

アクアマリンふくしまをバックに釣り

アクアマリンふくしまをバックに、整備されたボードウォークで釣りができる。釣れても、釣れなくても、堂々と竿を出せる喜びは大きい

ルアー

今回はちょっと難易度が高いルアーフィッシングに挑戦。残念ながら釣果は挙げられなかったが、隣の釣り人が同じルアーで良型のカマスを釣っていた

買って、焼いて、食らいつく!
もう止まらない海鮮バーベキュー

海鮮BBQで伊勢海老

小名浜港の観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」に、香ばしい煙が漂う。魚介が焼ける香ばしい匂いが、胃袋を直撃する。鼻から突き進むようにして前のめりに進むと、「いわき・ら・ら・ミュウ」の海鮮浜焼き バーベキュー番屋に到着した。

まるふと直売店が運営するバーベキュー施設で、同店で買った魚介類をその場で焼いて食べられる。ホタテ、エビ、生牡蠣、メヒカリ、そして地元で水揚げされた伊勢エビ……。これはもう、うまいに決まっている。

伊勢エビに至っては、直売店のイケスにいたのをその場でさばいてもらったものだ。申し訳ないぐらい真っ二つに割られた身は、刺身用と網焼き用。他の食材は遠赤外線でじっくりと時間をかけて焼き上がりを待つタイプなので、まずは伊勢エビの刺身を豪快に頬張る。

ぷりっぷりの歯応えと清涼感のある甘みは、伊勢エビならではのものだ。もう満足……と言いたいところだが、食欲はすでに止まらない。海を間近に感じながら港で食べる海の幸は、バーベキューの醍醐味だ。かぶりつき、むしゃぶりつき、鼻に抜ける魚介の香りを味わいながら、ワイルドに食らう。

窓からの潮風に吹かれながら、頭からメヒカリをかじり、クリーミーでジューシーな牡蠣をすする。浜焼きを堪能しながら、小名浜の豊かさを全身で受け止めた。

福島の伊勢海老

バーベキュー番屋の店舗ほか、まるふと直営店で売られている魚介類も持ち込める。イケスから取り出した地元産の伊勢エビは、その場でさばいてもらえる

バーベキュー番屋店内

海からの涼風を感じながら、焼きたての海鮮にかぶりつく。口中に広がる香ばしさたるや……。魚好きにはたまらない、至福の時だ

魚類、貝類、タコ、イカ、お肉に野菜、練り物、厚揚げ、焼きおにぎり……。ありとあらゆる食材が揃う

魚類、貝類、タコ、イカ、お肉に野菜、練り物、厚揚げ、焼きおにぎり……。ありとあらゆる食材が揃う。子供から大人まで満足できる品揃え

小名浜港の一大観光施設、いわき・ら・ら・ミュウ

「いわき・ら・ら・ミュウ」は、小名浜港の一大観光施設。海鮮市場通り、遊び場、海鮮グルメ通り、海鮮ふるさとお土産通り、そしてバーベキューゾーンが設けられ、地域の魅力が凝縮されている
●バーベキュー番屋/いわき市小名浜辰巳町43-1 いわき・ら・ら・ミュウ内 Tel. 0246-92-4888
https://www.marufuto.com/

海からの柔らかい風を感じながら、福島県道382号線・豊間四倉線をひた走る。ときおり覗く海の表情がとても優しくて、癒やしのドライブとなった

この夏は、ドライブスタンプラリーで福島海鮮グルメの旅へどうぞ!

スタンプラリービジュアル

海色の鳥居に誘われて
小名浜の鎮守様を参拝

青い鳥居の小名浜諏訪神社

海沿いをドライブしていると、巨大な防潮堤が続いた。この地も東日本大震災では被害に遭った。しかし、海と人との距離は遠ざかってはいない。釣りをしたときに聞いた、「震災後に釣り場が増えた」という言葉を思い出す。人は、海から離れられないのだ。

珍しい海色の鳥居が目に付いた。足を踏み入れると、社殿の鈴に漁網が飾りつけられている。小名浜諏訪神社は、小名浜の鎮守様だ。漁業や港湾関係者が崇敬し、たびたびお詣りしては、安全を祈願する。建仁元(1201)年に創建され、至徳2(1385年)に現在の場所に遷座された。

「青い鳥居は、SNSでも話題なんです」と朗らかに笑うのは、若き宮司の小名川祐輝さんだ。「震災では小名浜港もダメージを受け、船主さんは半減しました。今はだいぶ抜け出した感じがありますね。当社のお祭りも活気が戻っています」

SNS映えする青い鳥居が象徴的だが、厳かで親しみやすい風格が心に染みる。神が降臨する地にふさわしい静謐さが保たれているのだ。観光客よりも、地域の人々が心尽くしのお詣りに来る姿のほうが多いそうだ。そっと鈴を鳴らし、頭を垂れた。

小名浜諏訪神社

長野県・諏訪大社の神様の分霊を迎え入れた、小名浜諏訪神社。海の鎮守様だけあって、鈴には漁網の飾りつけが。海に生き、安全を願う人々の思いの表れだ

「地域を守る神様として、皆さまに親しまれています」と、宮司の小名川祐輝さん。「釣り人の方たちも多く参拝されていますよ。釣果のほどはわかりませんが」と笑う
●小名浜諏訪神社/いわき市小名浜諏訪町23-1 Tel.0246-92-2656
https://onahamasuwa.jp/

具がそびえ立つ豪華海鮮丼!
主役を張るのは「常磐もの」

特選海鮮丼

特選海鮮丼(3,000円)

海沿いをドライブしていると、なにかと気分が豪快になる。船釣りをするので船長たちと付き合いがあるが、誰もがダイナミックで気前がよく、気持ちいい連中だ。海=豪快は、人間の自然な摂理なのかもしれない。

……などと考えたのは、いわき市の四倉(よつくら)港の眼前にある「お食事酒処 和(かず)」を訪れ、最大級の特選海鮮丼をオーダーしたからだ。運ばれてきた丼は、荒波打ち付ける岩壁のように、海の幸がそびえている。思わず「カッコいい……」と口走ってしまうほどだ。

「ヒラメやスズキなど、地元・常磐で獲れた海の幸『常磐(じょうばん)もの』を主役に、本マグロやウニ、イクラなど各地の豪華な脇役が揃っています」と、店主の岡本和男さん。「内容はその日の水揚げによって変わりますが、10〜12種類の海産物が常時山盛りですよ」と笑う。

その日に水揚げされた新鮮な魚介を楽しんでいただきたい──。そんな願いを込めて、岡本さんは自ら近隣の市場で買い付けを行っている。「福島の魚はしっかりと検査されているので、安心してお召し上がりいただけます。ウチの店は国道6号沿いで、近くには『道の駅よつくら港』もあり、ドライブ時のアクセスも良好。ぜひたくさんのドライバーの方にお越しいただきたいですね」

もてなしの心が、あふれんばかりの食材に表れている。こういう爽やかな豪快さは大歓迎だ。カッコいい丼は、カッコよく食べたい。そびえ立つ海の幸が崩れるのも気にせず、ワッセワッセと一気呵成にカッ込んだ。

「常磐もの」の、上質な魚の旨みがブワッと広がる。もう、箸が止まらない。普段、釣った魚をよく食べているからこそ、わかる。これは間違いなく「今、ここでしか食べられない」魚だ。気持ちいい海の味に、心がとろけていく。

特選海鮮丼の食事シーン

本来なら主役級の本マグロやウニ、イクラなどがたっぷり……だが、今回は脇役に回ってもらう。主役は地元産のヒラメやスズキなど、「常磐もの」。文句なしの実力派だ

常磐もの定食

出汁が最高にうまいホッキめし、絶妙な味付けの煮魚、そしてお造り……。「これでもか」と地元産の海鮮が楽しめる、その名も「常磐もの定食」。地域応援のためにも食したい一品

お食事酒処 和

国道6号沿い、いわき市四倉港近くの人気店「和」。店内の壁には、一面に「四倉ガンバレ!」などの熱いメッセージが書かれている
●お食事酒処 和/いわき市四倉町6‐28-5 Tel.0246-32-3221

「常磐もの」が楽しめる!
人気のお店はほかにもたくさん

まるやま

地域の人々に愛されているアットホームな雰囲気のお店だが、料理はどれも本格的。特に天ぷらは専門店と肩を並べるほどのおいしさで、人気の的となっている。海老、ナス、インゲン、イワシなどが惜しみなく盛りつけられた天丼。海老、貝柱、タマネギ、ミツバなどが上品なハーモニーを奏でるかき揚げ丼など、どれもが上質だ。地元でもめったに水揚げされないというアブラボウズの味噌漬焼定食は、名前通りに甘みたっぷりの脂が乗り、味噌との相性も抜群。一度は食べたい逸品に仕上がっている。

天丼(1,200円)

天丼(1,200円)

アブラボウズ味噌漬焼定食(1,560円)

アブラボウズ味噌焼き定食(1,560円)

まるやま店舗写真

●まるやま/いわき市小名浜南君ヶ塚町2-16 Tel.0246-54-7013

さかなや食堂ウロコジュウ

休日はもちろん、平日にもズラリと行列ができ、いつもにぎわう小名浜で人気のランチ専門店。スタッフが元気いっぱいに出迎えてくれる。新鮮な地魚をたっぷりいただける刺身定食、これでもかと魚介が盛られた特選海鮮丼、ボリューム満点の天丼、ほくほくの白身と煮汁が素晴らしいマッチングを見せる煮魚定食の他、いくら丼、生うに丼、本マグロ丼など、メニューはバラエティー豊か。量も味も、そしてお値段も満足度が高いので、何度も足を運んでコンプリートしたくなる。

刺身定食(2,000円)

刺身定食(2,000円)

特選海鮮丼(3,000円)

特製海鮮丼(3,000円)

煮魚定食(1,600円)

煮魚定食(1,600円)
●さかなや食堂ウロコジュウ/いわき市小名浜下神白林崎54-3 Tel.0246-85-5915
https://urokojyu.com/

塩屋埼灯台とマツダロードスター

いわきの海を見守り続けている塩屋埼灯台は、美しい外観から「日本の灯台50選」にも選ばれている。車を停めて「常磐もの」が泳ぐ海に思いを馳せる

若い人にも楽しんでもらいたい
思いが詰まったシーフードケーキとは!?

かねまん本舗店内

●かねまん本舗・本店/いわき市平下高久下原83 Tel.0120-17-3360 https://kaneman.net/

四倉と小名浜を結ぶ福島県道15号を走っていると、「シーフードケーキ」と大書された看板が目に付いた。シーフードもケーキも僕の大好物だが、この二つがコラボレーションした様子は、ちょっと想像ができない。

興味をそそられ、かねまん本舗の店内に入ると、感じのよい店員さんが「どうぞ」と差し出してくれたのは、お茶と試食品だった。「シーフードケーキ」とは、創作かまぼこのことだそうだ。

白いかまぼこの上に赤い身が乗っている様子は、握り寿司のようだ。「練り物の定番中の定番であり、完成度が高いかまぼこに、まだ創作の余地があったのか!」と驚きながら口に運ぶと、さらに驚かされた。

ぷりっぷりの歯応えの後、鮭と蟹の風味がふくよかに広がったのだ。意外なコラボレーションだが、しっくりと馴染んでいる。新しい味覚体験なのに、どこにも無理がなく、昔から食べていたような気さえする。

「シーフードケーキ 鮭&蟹」と、ダイレクトなネーミング。食べたことがないのに、食べたことがあるかのような、絶妙な組み合わせ。新しい定番を生み出そうとするエネルギーは、まさに創作と呼ぶにふさわしい。

試食させていただいた「鮭&蟹」は、ほんの一例だ。商品は実にバラエティー豊かで、ショーケースにズラリと並ぶ。専務取締役の遠藤貴司さんに聞いた。「35年ほど前に、先代である私の父が、『どうしたら、若い方にかまぼこのおいしさを知ってもらえるか』と考えたんです。そして、『かまぼこの上に海の幸を乗せて、シーフードケーキと名付けよう』というアイデアに行き着いたんです。今では、当店の象徴です」

単に目新しさを狙った商品ではない。おいしくて安全なかまぼこを作るために、セラミック装置で濾過して角が取れたバイオセラミック水を使い、魚の旨みを閉じ込め香ばしさを高める狙いで、ガスと遠赤外線を併用してじっくりと焼き上げている。

おいしくて、安心できる。そして、若い人の心をつかむ。かまぼこひとつでも、たゆまぬ努力を続けようとする姿勢が、かねまん本舗の魅力だ。お土産にスティックかまぼこの詰め合わせを買ったのは、シーフードケーキのおいしさと同時に、福島の皆さんの前向きさを感じたからだ。

大きなショーケースにズラリと並ぶシーフードケーキ

大きなショーケースにズラリと並ぶシーフードケーキ。「かまぼこを超えたかまぼこ」は、おいしさと安心を両立した人気のお土産だ

店内での試食

店内に入ると、すぐに試食品とお茶が振る舞われる。「本物の味を、とにかく一度味わっていただきたい」という、かねまん本舗のもてなし

かねまん本舗店外写真

地域に愛され、観光客にも人気。水、原料、素材を厳選し、防腐剤、合成着色料、甘味料などは一切不使用と、おいしさと安心にこだわる姿勢が高く評価されている

茜色の福島の海に平穏を祈り
心づくしの料理に舌鼓を打つ

刺身盛りの写真

小名浜港で釣りをしたり、グルメを求めてさまよいながら、高台の建物と腕時計をチラチラとチェックしていた。今夜泊まる予定の、割烹旅館 天地閣だ。下から見上げると、西に窓が向いている。ということは、夕日が見られるはずだ。日没は午後7時少し前。それより前に天地閣に入れば、オレンジ色の空を眺められるだろう。

いい時間になってきた。港から、急坂を一気に上る。まさに地から天に駆け上るかのようだ。天地閣で出迎えてくれたのは、明るいスタッフの皆さんと、小名浜港と太平洋を一望できる抜けのよい景色、そして想像以上のお食事だ。

料理長の大平均さんは、かつて各地の旅館や料理店で腕を磨いた。テーブルに並んだ豪華な夕食は、和をベースにしながらフレンチやイタリアンのテイストも感じられ、大平さんの豊富な料理経験がうかがえる。眺めているだけでも心を楽しませてくれる豊かさだ。

「旬の食材にこだわっています」と大平さん。「既製品は使わず、出汁からすべて自家製です。正直、仕入れひとつとっても大変なんです(笑)。でも、お客さまに自信を持ってお出しできる料理にしたい。手を抜くことはできないんですよ」

お品書きには、20品以上もの料理が並ぶ。一つ一つをじっくりと眺め、じっくりと噛み締めながら、味わい尽くす。堪能、という言葉がこれほど似合う時間もない。「おいしい」を超え、感動に近い感情が沸き上がる。

すべての料理に、心が込められていることがわかるからだ。「よりおいしく、新鮮な驚きをもって、お食事のひと時を楽しんでいただきたい」という、料理長の思いが伝わる。丹念で、丁寧に作られた料理の数々は、きめ細かな思いやりに満ちていた。

天地閣のコース料理

和洋食の魅力が惜しみなく並ぶ、天地閣のコース料理。旬の素材がふんだんに用いられた料理は、一品ごとにおいしさの発見がある。食べ応えは満点だ

食事シーン

釣りから始まり、地域で楽しめる海鮮づくしの食事を堪能し、粋なコース料理で一日を締めくくる。尽きることがない多彩な海の恵みは、福島の豊かさの象徴だ

割烹旅館天地閣外観

小名浜港から太平洋まで眺望できる高台に建つ天地閣。こだわりの食事をいただきながらの夕景は、また格別。複雑な思いをいったん忘れて、素直に料理のおいしさを楽しみたい
●割烹旅館 天地閣/いわき市小名浜下神白綱取143-23 Tel.0246-53-3285
http://www.tenchikaku.jp/

割烹旅館天地閣からの夕景

小名浜周辺を巡るドライブは、朝焼けの海から始まり、夕焼けの海で幕を閉じた。日が出ている間、あちらこちらを訪れながら、常に感じていたのは、福島の方たちのもてなしの心だ。

観光客に対して観光地の人が向けるような、いわゆるビジネス的なもてなしとは、まったく違う。もっと素朴でもっと温かい、心と心の交流を感じる。

「忍耐強く頑固」と言われる福島の県民性だが、中でも太平洋沿いの浜通り地域は、大らかで開放的とされる。広々とした海が、そうさせるのだろう。

豊かな人に触れながらいただいたのは、豊かな海の幸だ。忘れがたい震災という出来事はあったが、やはり海は海だ。いつものように豊潤な幸を育み、たっぷりと僕たちに届けてくれる。

釣り人だからこそわかるのだが、特に地元産の魚は、本当に新鮮だ。よく「釣った魚は最高にうまい」と言うが、それに匹敵している。そこに日本各地の魚も柔軟にとり混ぜながら、海鮮料理としての満足度を高めている。「食べる人に、とにかく喜んでほしい」。素朴なもてなしが、小名浜周辺にはあふれている。

楽しくて、おいしくて、優しい地。今度は、もう少し本気で釣りをしよう。クーラーにちゃんと自分で釣った魚を収めて、さらに地元の海鮮料理をいただこう。小名浜の海は、きっとそういう贅沢を許してくれる。

福島の海鮮グルメを食べに行こう!
ドライブスタンプラリー実施中!

福島県いわき市のドライブがさらに楽しくなる「いわきの魅力が大漁!シーサイドスタンプラリー」を開催しています。 本編にも登場したスポットを含むいわき市内の対象スポットを巡り、スタンプを集めて応募すると、スタンプ数に応じて抽選で、今回の旅に登場したかねまん本舗の素敵な商品が当たります。詳しくは下のドライブスタンプラリーバナーをクリックしてご確認ください。

ドライブスタンプラリービジュアル

この記事はいかがでしたか?
この記事のキーワード
あなたのSNSでこの記事をシェア!