大雨でも衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)は止まれるの?
クルマにまつわるお悩みを解決!Q.初めて自動ブレーキが付いている車を買いました。大雨のときでもちゃんと止まるのでしょうか?
A. 雨量が多いとカメラやレーダーなどのセンサーによる検知が不正確になり、十分な効果が発揮されないこともあるので、過信は禁物です。
まず、一般的には「自動ブレーキ」と呼ばれていますが、「衝突被害軽減ブレーキ」が正式名称です。自動ブレーキと呼ばれることが多いため、車両が自動的に危険を回避し、ぶつからない機能だと思っている人が少なくありませんが、文字どおり、衝突した際の被害を軽減するもので、この機能が付いているからといって、決してぶつからないわけではありません。
衝突被害軽減ブレーキは、カメラやレーダーなどで前方の障害物を認識し、衝突の危険が生じた際、警報やブレーキ制御によりドライバーの衝突回避操作を補助し、手前で停止したり、衝突速度を低下させて被害を軽減します。
基本、雨や霧にも対応できるが…
メーカーや車種によって障害物を認識するセンサーの種類や数は異なりますが、最近多いのがカメラとミリ波レーダーを併用するもの。カメラは広い視野で人や先行車を認識できるのに対し、ミリ波レーダーは雨や霧、夜間の暗さなどに影響されにくく、遠くの障害物まで認識できます。それぞれのメリットを生かして、さまざまな状況で適切に作動するようにしています。
そのため、雨や霧でも基本的にシステムは機能しますが、雨量が極端に多かったり濃霧の場合、前方の状況を正しく認識できなかったり、認識が遅れてブレーキが作動しても衝突を回避できない場合もあります。
雨量80㎜では、停止できなかったケースも
下の動画はJAFユーザーテストで豪雨を再現してテストした際のものです。雨量は1時間80㎜で、気象庁の用語では「猛烈な雨」。 テストの結果、時速30㎞では手前で停止できましたが、 時速40㎞では障害物を一瞬検知したものの、システムが作動せず障害物に衝突してしまいました。
雪道など滑りやすい道路も要注意!
また、下の動画のように滑りやすい雪道や砂利道を走行していると、障害物は検知できてシステムが正常に作動しても、車のブレーキ性能が十分発揮できず、止まれないこともあります。このように、衝突被害軽減ブレーキはカメラやセンサーによる認識、ブレーキ等の制御には限界があるので、決してシステムを過信しないことが大切です。
カメラやレーダーの前面は常にきれいにしておく
なお、システムの故障や誤作動を防ぐため、カメラやレーダーの前面に付いた汚れや水滴、雪などはすぐに拭き取っておくことも大切です。シールなどを貼ることも禁止されているので、注意すべき点などを取扱説明書で確認しておきましょう。
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JAF(日本自動車連盟)
水没/豪雨/濃霧(JAFユーザーテスト)
雪/凍結(JAFユーザーテスト)
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国土交通省 自動車のリコール・不具合情報
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