今週のクルマお悩み相談

車が走れる水深はどれくらい?

クルマにまつわるお悩みを解決!

2022.06.27

イラスト=尾黒ケンジ

2022.06.27

イラスト=尾黒ケンジ

この記事のキーワード
この記事をシェア
1年点検を受けると、だれにでもチャンス

Q.冠水した道路で水を巻き上げながら走っている車を見かけますが、車はどれくらいの水深まで走行できるのですか?

A. 車の床まで水が来ると電気装置等が故障する可能性があり、タイヤが完全に水没すると、車体が浮いて走行できなくなる危険性があります。

梅雨や台風シーズンに加え、市街地ではゲリラ豪雨などで道路があっと言う間に冠水してしまうケースが少なくありません。そんな冠水した道路を速度を落とさず走行した場合、車の故障や事故につながる危険が潜んでいるので注意が必要です。

2019年の台風19号の際、自動車の水没などが原因でドライバーや同乗者が亡くなる事故が相次いだため、国土交通省は国内乗用車メーカー8社に対して、車が冠水した道路を走行した場合に生じる不具合等について調査をしました。それをまとめたのが下図です。

国土交通省が発表する資料をもとに作成した水位が車に及ぼす影響の図

まず、車の床面くらいまで水位が増した場合、走行できるものの、ドアの隙間などから水が車内に入り、車の電気装置が故障する可能性があります。その時は問題なく走行できても、電装系は水に弱いので、少しでも浸水してしまうと、あとで不具合が発生する可能性があります。また、速度を出すほどエンジンルームの吸気口に入る水の量も多くなり、エンジンが停止する危険性があります。冠水路を走らざるを得ない場合、急いで通過しようとせず、速度を抑えて走るようにしましょう。

タイヤが完全に水没すると、車体が浮いて流されることも

さらに水位が上がり、タイヤが完全に水没するくらいになると、車体が浮き始めます。車体が浮いてしまうと、当然ハンドルやブレーキは利かなくなり、車が流される危険性があります。大雨などで道路が冠水し始めると、短時間で水位が上がってしまうことが多いものです。また、濁った水は水深も測りかねるので、冠水した道路はできるだけ避けることが基本です。

なお、ドアに水がかかるようになると、車外の水圧によってドアが開けづらくなります。JAFユーザーテストで行った実験でも、セダンの場合、水深60㎝ではドアが重く開けられなくなりました。ミニバンのスライドドアでも実験しましたが、同じように水圧の影響を受けることがわかりました(下欄関連リンク参照)。

水位が上がると、車内に閉じ込められる危険性がある

水位が上がると、パワーウインドーやパワースライドドアなどの電装品も機能しなくなり、車内に閉じ込められ、最悪の場合には、溺死する危険性もあるので、もし冠水した道路で停止してしまったら、すぐにドアや窓を開けて車の外に脱出するようにします。

ドアが開けられなくなったときに備えて、カー用品店やホームセンターなどで窓を割る「脱出用ハンマー」を購入して手の届く場所に備えておくことも大切です。ただ、フロントガラスなどに採用されている合わせガラスは、脱出用ハンマーでも割れないので、側面や後面のガラスを割るようにしましょう。一部車種によっては、側面や後面も合わせガラスの場合もあるので、ディーラーなどで確認しておくといいでしょう。

この記事のキーワード
この記事をシェア

この記事はいかがでしたか?