2026年3月28日開通する、山陰道、石見三隅IC付近の様子(2026年2月撮影)
2026年3月28日開通する石見三隅IC付近の様子(2026年2月撮影)(画像=国土交通省中国地方整備局浜田河川国道事務所)

【島根】山陰道の三隅・益田道路が2026年3月28日に開通

浜田〜益田間が約10分短縮。救急搬送・産業物流・観光アクセスの改善にも期待

島根県西部を走る山陰道の一部「三隅・益田道路」(石見三隅IC〜遠田IC間、延長15.2km)が、2026年3月28日に開通する。浜田市役所〜益田市役所間の所要時間が現況の約56分から約46分に短縮される見込みで、地域産業の活性化や救急搬送の改善など、幅広く期待されている。

目次

延長15.2km、最高速度70km/hで走れる暫定2車線道路として開通

山陰道 三隅・益田道路開通位置図

2026年3月28日開通予定の山陰道 三隅・益田道路位置図(画像=国土交通省中国地方整備局浜田河川国道事務所

三隅・益田道路は、起点を島根県浜田市三隅町、終点を同県益田市遠田町とする延長15.2kmの自動車専用道路だ。最高速度は70km/h、暫定2車線での開通となる。今回開通する石見三隅IC〜遠田IC間は、緊急輸送道路の確保や救急医療機関へのアクセス向上、広域観光ルートの形成を目的として整備が進められてきた。

並行する国道9号は急カーブや急勾配が連続し、過去4年間(2020年〜2023年)で35件の交通事故が発生。死傷事故率が全国平均を上回る区間も多く、危険挙動の発生頻度は山陰道の整備済み区間の約9倍に達している。三隅・益田道路の開通によってこれらの課題の改善が期待される。

新設ICの名称が正式決定。ただし鎌手ICは開通当日に乗り降り不可

今回の開通にあわせ、新設されるICの名称が正式に決定した。浜田市三隅町に「岡見IC(おかみ)」、益田市西平原町に「鎌手IC(かまて)」が設置される。

ただし、鎌手IC付近では工事中に想定を大幅に上回る硬い岩盤が出現し、掘削に時間を要したため、3月28日の開通時点では本線の通過のみ可能となる。鎌手ICでの乗り降りはできないため、益田〜浜田間の利用には石見三隅ICなどの利用が必要だ。鎌手ICの併用開始は2026年夏を予定しており、遠田IC付近の完成時期についても進捗を踏まえて改めて公表される。

救急搬送は約12分短縮。島根西部の医療空白地帯が解消へ

山陰道 三隅・益田道路開通で緊急搬送が12分短縮

山陰道 三隅・益田道路の開通で島根県西部の3次救急医療機関60分圏域人口が約2,000人増加(画像=国土交通省中国地方整備局浜田河川国道事務所

救急搬送の面では、益田市役所から第三次救急医療機関である浜田医療センターまでの搬送時間が、現況の約57分から約45分に短縮される見込みだ。

これにより、島根県西部に存在していた「60分圏域外」の地域の一部が圏域内に含まれるようになり、約2,000人が新たに対象となる。急カーブ・急勾配の少ない道路を走行できることで、搬送時の横揺れが軽減され、患者負担の軽減も期待されている。

石州瓦の輸送ロス減少、観光アクセスも向上。産業・地域への波及効果

山陰道 三隅・益田道路開通で石州瓦の輸送ロス減少

山陰道 三隅・益田道路開通で石州瓦の輸送ロスも減少(画像=国土交通省中国地方整備局浜田河川国道事務所

産業面では、木材やパルプ、繊維製品などを運ぶ物流の効率化が進む見込みだ。これまで並行する国道9号は急カーブや起伏が多く、速度変化が大きいため、トラック輸送の負担となっていた。

また、観光面では、萩・石見空港や浜田港から「しまね海洋館アクアス」「有福温泉」「津和野」などへのアクセスが向上。移動時間の短縮に加え、運転負荷の少ないルートを選べることで、目的地までの移動そのものがより快適になる。さらに、交通が山陰道へ転換により信号停止や加減速が減少し、年間約13,000tのCO2削減効果も見込まれている。

開通式および通行可能時間の詳細は決まり次第あらためて発表される予定。鎌手ICのランプ供用など残る整備が進めば、浜田〜益田間の利便性はさらに高まる。移動時間の短縮だけでなく、「運転のしやすさ」や「疲れにくさ」といった体感面の変化も含めて、三隅・益田道路の全面完成が待たれる。

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