下町発の免許不要モビリティ「Blue Jay」誕生! 約50万円で買える特定小型四輪の実力とは?
免許返納後の「足」を目指し、町工場×大学×行政の連携で開発された最新モビリティに試乗免許を返納した高齢者の足として活躍できるモビリティを開発するため、町工場が立ち上がり製作したのが「Blue Jay(ブルージェー:仮称)」。運転免許証がない人でも運転できるように特定小型原動機付自転車規格に適合させているのが特徴だ。一体どのような実力をもっているのか、実際に試乗してみた。
注目を集めている免許不要のマイクロモビリティ
Blue Jayの横に立つのは開発に携わった株式会社西川精機製作所 代表取締役の西川喜久さん(左)と日大理工学部の入江教授(右)
東京都は、2050年にCO₂実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」を実現に向けて、様々な取り組みを行っている。そのなかのひとつに、BEV(電気自動車)をはじめとしたゼロエミッションビークルの導入拡大に取り組んでいる。
その取り組みのひとつが、脱炭素へ向けて省エネで電力を「減らす(H)」、太陽光で電力を「作る(T)」、蓄電池で電力を「溜める(T)」からなる、HTTキャンペーンだ。この「HTT(減らす・作る・溜める)推進に町工場が連携し、次世代モビリティの超小型四輪燃料電池車を公開し試乗することができた。
2012年12月から開発が始まった「Blue Jay(ブルージェー)」という仮称のモビリティは、全長1900mm×全幅600mm×全高1500mmというキャノピー構造を採用した特定小型原動機付自転車規格のモビリティで、16歳以上であれば免許証がなくても運転可能だ。
2026年秋頃に50万円前後の価格想定で販売を目指す
見た目以上に広い室内空間が確保されている
全幅600mmなので、正面からみると非常にひょうきんなスタイルだ
乗り降りできるドアは左側のみ。スライドドアのように後ろ方向に開く
円形のステアリングとアクセル&ブレーキで操作し、パワートレインはモーターとリチウムイオンバッテリーと充填が1メガパスカルという低圧のカートリッジ式水素タンクを搭載。BEVとFCV(燃料電池車)の2タイプを開発している。
最高速度は時速20km程度で、稼働時間は10時間、走行距離は約20km(低圧カートリッジ式水素タンク1本あたり)となっている。想定販売価格は50万円前後で様々なオプションを装着すると100万円の予定だ。販売開始時期はBEVが2026年秋頃、FCVは2年後の販売開始を目指している。
製作しているのは東京江東区の下町工場、西川精機製作所
このBlue Jayを製造しているのが、東京の下町にある株式会社西川精機製作所。1960年の創業以来、金属や樹脂の切削・板金・溶接・組立加工を一貫して手掛ける技術をもち、特にメッキ用治具や検査用治具、医科・理科学機器など、高度な部品製造を得意としている。
また、アーチェリー弓具や、カヌースラローム用具といったユニバーサルスポーツ用具も得意としており、特にアーチェリー弓具製造では、国内唯一の開発製造企業となっている。
この西川精機製作所が開発母体となり、今回お披露目会場となった日大理工学部、地方独立行政法人 東京都産業技術研究センターやトヨタ紡績株式会社など「産産学官連携体制」で開発されている。
誰でも簡単に運転できる、まるで遊園地の乗り物のよう!
円形のハンドルの前には、液晶表示のメーターパネルがレイアウトされている
1人乗りのためシートは1脚のみ。シート幅はゆったりとしていて座り心地は良い
西川精機製作所 代表取締役の西川喜久さんは、このBlue Jayを免許返納した人たちの足として活躍することを考えて開発していると話す。その結果、免許不要で乗ることのできる特定小型原動機付自転車の規格に適合させること。転倒リスクが低く、高齢者でも扱いやすい四輪設計の採用。さらにゼロエミッションでエコかつ静音性が高く、住宅街や病院付近でも利用しやすい水素+電気のハイブリッド動力を採用している。
プロトタイプに乗った印象は、キャノピーに囲まれた運転席は大人が乗ると幅はいっぱい。アクセルを踏むとゆっくりと動き出し、やや重めのハンドルを切ると、ゆっくりと曲がる。まるで小さい頃に遊園地などで乗った電動の乗り物のような印象だ。それくらい誰でも簡単に動かすことができる。
交通弱者と呼ばれる人たちの足として、スーパーや病院への移動手段としてこのBlue Jayが活躍してもらえるように、まずは個人ではなく、西川さんは自治体などとの連携を考えているという。現在は実証実験中で、モーターやタイヤ、駆動機構、軽量化など解決しなければ多いとのことが多く、Blue Jayが新しい交通の足として活躍できるように町工場の奮闘は続いている。
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