ガソリン暫定税率廃止まで段階的に引き上げられる「つなぎ補助金」の効果
2025年11月13日から加増! 実際のガソリン価格への反映は? ガソリンの買い控えは本当にお得なのか?
ガソリン税の旧暫定税率(以下、暫定税率)が、2025年内で廃止されることになった。実際に暫定税率がなくなるのは年明けからだが、それまでの間、補助金の支給を段階的に増額することで、2025年のうちに実質的な負担額が暫定税率廃止時と同水準になる。今回、ファイナンシャルプランナーの宇野源一氏が、段階的な補助金(以下、つなぎ補助金と呼称)はどのようなもので、どれくらい負担額が変わるのかを解説する。
ガソリン補助金は段階的に25.1円まで増額
暫定税率の撤廃は2025年12月31日と決まったが、それまでの間のユーザー負担分を補填するために、つなぎ補助金が支給される。11月12日までは10円の補助金が支給されているが、11月13日、11月27日、12月11日にそれぞれ5円(12月11日のみ5.1円)ずつ補助金が増額され、最終的に暫定税率と同額の25.1円となる。
段階的に支給額が増えるつなぎ補助金によって、ユーザーの負担がどう減っていくのかシミュレーションしてみよう。
11月10日現在のレギュラーガソリンの全国平均額は173.5円(うち10円の補助)で、ここから段階的に1リットルあたり15.1円の補助額が上乗せされる。この平均額のままガソリン価格が変わらないと仮定すると、以下の価格に推移すると見込まれる。
11月13日以降(補助金5円増額でトータル15円の補助):168.5円
11月27日以降(補助金5円増額でトータル20円の補助):163.5円
12月11日以降(補助金5.1円増額でトータル25.1円の補助):158.4円
ガソリン補助金引き上げ当日からすぐに安くなるわけではない
このつなぎ補助金はガソリンスタンドに直接支給されるということではなく、政府から石油元売会社へ支給され、ガソリンスタンドへの「卸売価格」に反映される仕組みだ。
つまり、補助金が増額される日以前(直近の場合は11月12日以前)にガソリンスタンドが石油元売から仕入れたガソリンは、従来の補助金を10円だけ含んだ価格なので、その仕入れ値のガソリンを上乗せ日以降すぐに5円引きすると、ガソリンスタンドの利益を5円押し下げることにもなる。そのため、必ずしも上乗せ日からすぐに5円安くなるというわけではないだろう。
ガソリン買い控えによる家計への影響は限定的
ガソリンスタンドは、補助金が増額される前に仕入れたガソリンを売り切ってからでないと、簡単には価格を下げられないのだ。また、ガソリンスタンドによって経営方針も異なるので、全国一律でガソリンが安くなるとは限らない点に注意が必要だ。
そもそも今回は2週間ごとに5円ずつ補助金が増える。ひと月に50L給油しても補助金増額で受けられる恩恵は250~750円に留まるので、「買い控え」による思わぬガス欠などのほうがリスクが高いのではないだろうか。ガソリンが少なくなったら、そのタイミングで給油する。現状はこれで問題ないはずだ。
今回のつなぎ補助金の間は、値下げされるのを待ってからスタンドに殺到するのではなく、値下げまで待たずに、適切なタイミングで給油することをおすすめする。

宇野源一
うの・げんいち 大学卒業後、大手メーカー系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。2018年よりライターとしても活動。FP視点でのカーライフを提案することが得意。
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