日本のモータースポーツの課題とは? Japan Mobility Showの公開会議で話し合う
坂口正芳・JAF会長や豊田章男・日本自動車会議所会長、近藤真彦・日本レースプロモーション会長らが登壇Japan Mobility Show(ジャパンモビリティショー、以下JMS)2025の会場で11月1日、日本自動車会議所のモータースポーツ委員会メンバーによるトークショーが行われた。坂口正芳・JAF会長や豊田章男・日本自動車会議所会長らが登壇し、日本のモータースポーツにおける課題について話し合われた。
モータースポーツの日本の文化にするには? 各団体トップが話し合う
ステージに登壇したモータースポーツ団体のトップたち。左から、司会の森田京之介氏(トヨタイムズ)、豊田章男・日本自動車会議所会長、坂口正芳・JAF会長、坂東正明・GTアソシエイション会長、近藤真彦・日本レースプロモーション会長、桑山晴美・スーパー耐久未来機構副理事長、鈴木哲夫・日本モーターサイクルスポーツ協会会長、加地雅哉・日本自動車会議所モータースポーツ委員長
このトークショーは「クルマをニッポンの文化に!」を合言葉に活動する豊田章男会長が、モータースポーツの魅力や楽しさ、また共通で抱える課題について話し合うため、JMSの会場で公開会議として実施。同協議会の「モータースポーツ委員会」に参加する、レースを主催・統括する団体トップが登壇した。
登壇者は次の通り。
司会:森田京之介氏(トヨタイムズ キャスター)
豊田章男(日本自動車会議所会長)
坂口正芳(JAF会長)
坂東正明(GTアソシエイション会長)
近藤真彦(日本レースプロモーション会長)
桑山晴美(スーパー耐久未来機構副理事長)
鈴木哲夫(日本モーターサイクルスポーツ協会会長)
加地雅哉(日本自動車会議所モータースポーツ委員長)
※敬称略
モータースポーツの仕事をしたい人を増やすには?
豊田章男・日本自動車会議所会長。トークショー出演後はデモ走行に参加した
坂口正芳・JAF会長。モータースポーツを統括する組織として参加
近藤真彦・日本レースプロモーション会長
坂東正明・GTアソシエイション会長
近藤真彦・日本レースプロモーション会長
桑山晴美・スーパー耐久未来機構副理事長
鈴木哲夫・日本モーターサイクルスポーツ協会会長
加地雅哉・日本自動車会議所モータースポーツ委員長
冒頭、豊田会長は「モータースポーツの日本の文化にというのが大きなテーマで、自動車会議所の活動を始めました。モータースポーツの未来を考える上で、どのようにすればモータースポーツがサステナブルなものになっていくのか、1回目の会議で課題を出し合い、2回目は皆さんに見てもらうことで、さらにその議論を前に前に進めていければ」とあいさつ。
レースの運営をサポートするオフィシャルの年齢層が上がっているという課題について近藤会長は「危険が伴いがちなレースで、トラブルが発生した際にオフィシャルの方が守り神になっているからレースが成り立っている。 だからオフィシャルがいい仕事だと思ってもらい、自分でもやってみたいなと思うように、オフィシャルの仕事を輝かせることが必要ではないか」と分析。
坂口会長は、レースのオフィシャルがボランティアで運営されている現状を踏まえ、「FIA(国際自動車連盟)の中では、ボランティアの方々の専門部会があります。SNSでボランティアの方々の活躍を発信するようなことを行っているので、日本もモータースポーツを文化としていくためには、そういった取り組みが必要です。人気のあるボランティアという風にしていくことが必要」とコメントした。
サーキットの来場者を増やすには?
トークショーにはサプライズゲストとして11月6~9日に開催されるラリージャパンに出場するTOYOTA GAZOO Racing WRTのエルフィン・エバンス選手とサミ・パヤリ選手が登壇した
モータースポーツの来場者は、コロナ後の観客数は回復途上。野球やバスケットボールなどと比べると来場者が少ないという課題が提示された。それに対して桑山副理事長は「スーパー耐久は参加型レースなので、参加したいという人を増やすことも重要。来年は青山学院大学も出場していただけることになっていて、駅伝のように大学生クラスを設けられるかもしれないと考えている。参加型の輪を増やすことで動員数を増やせれば」と語った。
野球のように、選手の生い立ちから追えるストーリーを伝えることがモータースポーツにも必要
トークショーは、立ち見が出るほどの来場者を集めた
国内モータースポーツが抱える課題と、解決策が明らかになったトークショーとなった
同じ時刻にMLBのワールドシリーズが開催されていたこともあり、話題は野球とモータースポーツの選手の比較に。野球選手のように、モータースポーツ選手の生い立ちについてもっと伝える機会が増えることが必要、という見解もあった。「アメリカのスーパークロスの250ccクラスで日本人がチャンピオンになりました。これは二輪業界的に言うと大谷翔平に近いレベルのことをやってくれたわけです。ただ、この快挙が報道されない。一般の方々に届く。報道のあり方みたいなのを考えていかないと」(鈴木会長)。
会議の最後には「モータースポーツを産業として確立し、文化に昇華させる」ための協力体制の必要性が確認された。
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