『崖の上のポニョ』の街並みを守る! 鞆未来トンネルがついに2025年3月30日に開通!

『崖の上のポニョ』の街並みを守る! 鞆未来トンネルがついに2025年3月30日に開通!

広島県福山市鞆の浦の渋滞緩和や観光地の安全性アップ

広島県福山市にある鞆未来トンネルが2025年3月30日に開通する。全長2,114mにも及ぶこのトンネルは、歴史的な景勝地である鞆の浦の、慢性的な渋滞緩和に大きく貢献すると期待されている。

鞆の浦の渋滞解消対策は、1983年に鞆港の埋め立てと橋を架ける「架橋計画」が最初に計画されていた。しかし、景観を損なうという理由で住民からの反対によりトンネルへと計画変更。41年の時を経て、ついに開通までたどり着いた。

鞆未来トンネルが建設された鞆の浦は、スタジオジブリの映画「崖の上のポニョ」の舞台モデルになったともいわれており、江戸時代の港町としての面影を残す場所だ。同トンネルが、昔ながらの景観を残しつつ、安全に移動できる一つの手段となりそうだ。

目次

41年の時を経て鞆未来トンネルが開通! 鞆の浦の渋滞緩和に期待

2025年3月30日に鞆未来トンネルが開通

:2025年3月30日に鞆未来トンネルが開通

鞆未来トンネルの開通が2025年3月30日になると、広島県知事会見で明かされた。同トンネルは、広島県福山市鞆町に開通する全長2,114mにわたる新たなトンネル。トンネル内の道路は幅員3mで片側1車線。従来の狭い道路から安全性が向上し、交通事故の防止にもつながると期待されている。

広島県によると、トンネルの開通により、鞆町内の中心部を通る狭い道の1日の交通量は、最大でおよそ3,000台減少する見込みだ。これは、住民や観光客がトンネルを利用することで、狭い市街地を走行するクルマが減るためだ。

トンネルを作る際に出た残土は、「東側交通・交流拠点」と呼ばれる場所を埋め立てるのに使用した。ここには、普通車が100台と観光バスが7台停められる駐車場が整備される予定だ。この駐車場を観光客が利用することで、さらに交通渋滞の改善につながる見通し。

2012年に廃止された鞆の浦の架橋計画とは?

鞆未来トンネルのルート

鞆未来トンネルのルート

鞆の浦にはもともと埋め立てをし橋を架けて渋滞を緩和する「架橋計画」があった。この計画の存廃当時大きな話題となったが、廃止されたのには理由がある。

鞆の浦は、常夜灯や船着場の雁木(がんぎ)などの江戸時代当時の街並みが今も残る、ノスタルジックな雰囲気漂う観光地だ。瀬戸内海国立公園の一部にも指定されており、美しい自然景観は多くの観光客を魅了している。鞆の浦は崖の上のポニョをはじめ、多くのドラマや映画のロケ地となっていることでも人気を集めている。

その一方、歴史的な街並みゆえに狭い道が多く、慢性的な渋滞に悩まされており、対策をとる必要があった。メインストリートである県道47号は道幅も狭く、クルマがすれ違うのにも苦労するほど。そのため、1983年に鞆港の埋め立て架橋計画が策定された。

しかし、景観を損なうとして2007年には163人の住民が、埋め立て免許の差し止めを裁判所に求めた。これを受け、2009年には広島地裁が「鞆の景観は国民の財産」として免許を差し止め、2012年に架橋計画を廃止。埋め立ての再案として広島県福山市は、新たな渋滞緩和策にトンネルを作ることを決定した。

景観保全と渋滞緩和の両立を目指した鞆未来トンネルは、41年という長い歳月を経て、ついに2025年3月31日に開通の日を迎えることになる。

鞆の浦は日本遺産になっています。詳細は、こちらをチェック!

日本遺産 とは、文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通して、我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定する制度です。
鞆の浦も日本遺産に認定されています。ドライブの続きで訪れてみてはいかがでしょうか?

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