JAFの年末年始帰省ラッシュ時の救援件数、約12秒に1件! 最も多かったトラブルとは?
年末年始の車両トラブル防止のための点検をJAFは、2023-2024年の年末年始期間の救援件数を公開し、車両トラブルを防ぐために点検を呼びかけている。特にバッテリーの劣化やタイヤのパンクが救援要請の多い内容であるため、出発前のチェックが重要だ。
また、雪道での制動距離実験の結果、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤの制動距離には約1.7倍の差があったことから、降雪地域への移動時はタイヤチェーンやスタッドレスタイヤの準備を推奨している。
年末年始で最も多いトラブルはバッテリー上がり
気温が下がる冬期は、バッテリーのトラブルに注意が必要だ
JAFは2024年12月23日、前年の年末年始期間の救援件数を公開。クルマの使用が増える年末年始にトラブルを防ぐため、ユーザーがお出かけ前に車両点検を行うことを呼びかけている。
前年の年末年始期間(2023年12月29日~2024年1月9日)にJAFが出動した件数は86,361件で、約12秒に1件の割合だった(2023年度の年間平均は約13.9秒に1件)。最も多い救援要請内容は「バッテリー上がり」で、冬季の気温低下により、バッテリーの性能が低下し、トラブルが発生しやすくなる。使用環境により、バッテリーの劣化の進行度が大きく変動するため、ユーザーはお出かけ前にカーディーラー、ガソリンスタンド、カーショップなどでチェックすると安心だ。
降雪時のノーマルタイヤはスリップ事故や渋滞の原因に
圧雪路と氷盤路で、40km/hからの制動距離を比較。氷盤路で制動距離が大きく変わってくる
さらにJAFは、6種類のタイヤを用いて雪道(圧雪路)と凍結路(氷盤路)での制動距離実験を行った。その結果、雪道でのノーマルタイヤの制動距離は29.9mで、スタッドレスタイヤの17.3mに対し約1.7倍であった。年末年始には多くの人の移動が予想され、降雪が予想される地域へ出かける場合は、タイヤチェーンやスタッドレスタイヤの準備が必要だ。
バーストの原因にもなるタイヤ空気圧不足にも注意
適正な空気圧を半分にしたところ、タイヤが過熱し、バーストに至る
また、JAFのロードサービス救援件数で上位を占める「タイヤのパンク」には、タイヤの空気圧不足が主な原因である「バースト」が含まれている。JAFは適正空気圧と空気圧半分の2パターンで、速度を上げながらタイヤの状態を観察し、温度も計測した。その結果、時速200kmから空気圧半分のタイヤの表面が波打つ現象が発生し、温度は100℃を越え、時速210kmになると、さらに波打ちが激しくなりバーストした。タイヤの日常点検が大切で、給油時には空気圧の確認を行うべきだ。さらに、空気圧不足以外でも、縁石にタイヤを強くぶつけたり、擦ったりすると、バーストしやすくなるので注意が必要だ。