年末年始は、バッテリーとタイヤのチェックを! 帰省ドライブの前にメンテナンスすべき4つのポイント
事前のチェックがトラブル回避のカギJAFはこのほど、2022年から23年にかけての年末年始期間の救援件数を公開した。バッテリー上がりや雪道のスリップなど、車の使用が増える年末年始に起こりがちなトラブルを防ぐため、出発前の車両点検を呼びかけている。
年末年始、最も多いトラブルがバッテリー上がり
気温低下に伴い、バッテリーの機能も低下しやすい。
前回の年末年始期間にあたる2022年12月29日~2023年1月4日の間に、JAFが出動した件数は5万3993件
に上った。これは約11.3秒に1件の出動にあたり、2022年度の年間平均は約14.4秒に1件だったことを考えると、非常に多い出動件数だった。
最も多い要請内容は「バッテリー上がり」。年末年始、一般道でのトラブルの約4割が「過放電バッテリー」だった。気温が低下に伴い、バッテリーの能力が低がることが原因となる。帰省などの長距離ドライブの前はカーディーラー、ガソリンスタンド、カーショップなどでバッテリーの状況をチェックすると安心だ。
2022~2023年末年始のロードサービス救援要請件数(一般道・5位まで)
順位 | 出動理由 | 件数 | 構成比 |
1 | 過放電バッテリー | 20,983 | 40.41 |
2 | タイヤのパンク、バースト、 エアー圧不足 |
7,172 | 13.81 |
3 | 破損/劣化バッテリー | 4,764 | 9.17 |
4 | 落輪・落込 | 2,896 | 5.58 |
5 | キー閉じ込み | 1,858 | 3.58 |
降雪時や雪道で、ノーマルタイヤは止まれない!
すべりやすい路面での制動距離の結果一覧。
帰省などの外出先で、思いがけず降雪や路面の凍結に遭うことも考えられる。そこでJAFは、6種類のタイヤを用いて雪道(圧雪路)と凍結路(氷盤路)での制動距離実験 を実施。雪道でのノーマルタイヤの制動距離は29.9mとなり、スタッドレスタイヤの17.3mに対して約1.7倍にもなることがわかった。降雪が予想される地域へ出かける際はタイヤチェーンやスタッドレスタイヤなど、滑り止め装置を用意しておくことが必要だ。
濡れているようで、実は凍っている! 「ブラックアイスバーン」に注意
濡れた路面とブラックアイスバーンの比較。見た目で凍っているかどうかを判断することは難しい。
濡れた路面のように見えて、実際には凍っているブラックアイスバーンは、濡れた路面との見分けが難しい。そこで、ブラックアイスバーンを含む4種類の路面で制動距離を測定する実験
をJAFが行ったところ、時速40㎞から急ブレーキをかけたときの制動距離はウェット路面:11.0m、圧雪路面:20.2m、氷盤路面:84.1m、ブラックアイスバーン:69.5mだったという。
雪道は予想以上に路面が滑るという意識を持ち、急な車線変更や急ブレーキ、急アクセルなど、「急」のつく運転は避け、慎重な運転を心がけたい。
雪で車が埋もれるような状況では、一酸化炭素中毒に注意
CO濃度のテスト結果。たとえ窓を開けていても濃度が上がることがわかった。
毎年、豪雪によって大規模な車の立ち往生が発生している。このような状況で、車が雪で埋まってしまう場合の車内の一酸化炭素(CO)濃度を確かめた
ところ、ボンネットの上まで雪で埋まった場合、マフラーの周辺を除雪しないとCO濃度は16分で危険なレベルに達することが分かった。
COは無色無臭のため、濃度が高くなっても気づきにくい。マフラー周辺はしっかり除雪をすることが必要だ。