ドラレコの設置率は約64%、設置理由はあおり運転対策!?|自動車交通トピックス
文=萩原文博

ドライブレコーダーの設置率は約64%! 設置理由のトップはあおり運転対策

運転中に危険を感じた・ヒヤリハットを経験した人は95.9%!

カーナビゲーションやドライブレコーダーを製造・販売しているパイオニア株式会社が、インターネットで「ドライブレコーダーの利用実態」と「ヒヤリハットに関する調査」を実施。あおり運転などの自己防衛策として、ドライブレコーダーの設置率が高まっていることや、95.9%の人がヒヤリハット体験をしたことが明らかになった。

目次

ドライブレコーダー設置理由の第1位は「あおり運転対策」

高速道路などで痛ましい事故の原因となり、注目が高まったのが「あおり運転(妨害運転)」だ。2020年6月に公布された改正道路交通法により、あおり運転(妨害運転)に対する罰則を創設。これにより妨害運転は最大で懲役3年の刑に処せられるようになった。

しかし、実際にあおり運転の被害を証明するのはなかなか難しい。その自己防衛の手段として有効的なのがドライブレコーダーだ。クルマを保有・運転する全国の男女1,000人を対象に、パイオニアがインターネットで実施した「ドライブレコーダーの利用実態」では、ドライブレコーダーの設置率は63.8%で、前回調査した2022年5月より9.3%増加している。現在設置していないものの、「購入する意向がある」を加えると約90%に達し、自己防衛のためにドライブレコーダー設置に対する意識の高さがうかがえる。

ドライブレコーダーの設置率を地方別に見てみると、最も高かったのが71.6%の近畿地方。また、近畿地方の人のドライブレコーダー設置理由として最も多かったのが、「あおり運転対策」だった。

●自身が運転するクルマにドライブレコーダーを設置していますか?
また、設置していない方も購入意向はありますか?(n=1,000)

「ドライブレコーダーの利用実態」調査結果の円グラフ

すでにドライブレコーダーを設置している人は半数以上の約64%。購入意向がある人も含めると約90%と、ドライブレコーダーへの関心の高さがうかがえる

●地方別ドライブレコーダー設置率ランキング(ベスト5)

1位 近畿 71.6%
2位 東海 71.0%
3位 九州 65.2%
4位 南関東 63.8%
5位 中国・四国 63.2%

95.9%の人が「ヒヤリハットの経験がある」と回答!?

また、95.9%のドライバーが「ヒヤリハットの経験がある」と答えている。シチュエーションとして最も多かったのは、「歩行者や自転車の飛び出し」。また、半数のドライバーが夕暮れ時にヒヤリハットを経験している。

警察庁が発表した資料によると、2019年(令和元年)~2023(令和5年)の5年間における死亡事故発生状況を分析した結果、日の入り時刻と重なる17時台~19時台に多く事故が発生している。また、薄暮の時間帯(日の入り時刻の前後1時間)には、自動車と歩行者が衝突する事故が最も多く発生しているという結果がでている。まさに、今回のアンケートでヒヤリハットを経験したことがあると答えたドライバーの意見と一致している。

●運転中に危険を感じた・ヒヤリハットを経験したシチュエーションをすべて教えてください(複数回答 n=959)

「ドライブレコーダーの利用実態」調査結果の棒グラフ

最も多かったヒヤリハットの経験は「歩行者や自転車の飛び出し」で、約65%の人が経験。また、ヒヤリハットを経験した時間帯については、夕暮れ時(16時~18時)が約50%と最も多い。夕暮れ時の運転は歩行者や自転車に要注意

視界が悪くなる冬の日没時間は死亡事故件数が多発

薄暮時間帯の月別死亡事故件数を見ると、7月から増加傾向となり、10月~12月に最も多く発生している。さらに、死亡事故を当事者別に見てみると、薄暮時間帯は昼間と比べて自動車対歩行者の事故割合が高く、発生件数は約3.3倍となっている。また、薄暮時間帯における死亡事故を分析すると、横断中の発生が約8割を占めている。

薄暮時間帯の運転は、周囲が見えにくい状況にもかかわらずヘッドライトを点けず、他のクルマや歩行者がお互いの存在に気づかずに交通事故につながるケースが多い。薄暮時間帯は早めにヘッドライトを点灯するのは、ドライバーの視界を確保するだけでなく、歩行者にクルマの存在を知らせるという効果もある。また、薄暮時間帯や夜間はクルマの距離や速度感がわかりにくいため、横断時やクルマとすれ違うときには注意が必要だ。

●薄暮時間帯における死亡事故に係る分析
~時間帯別・月別の死亡事故件数(2019~2023年)~

時間帯別・月別の死亡事故件数(棒グラフ)

時間帯別の死亡事故件数は17〜19時が多く、日没時間と重なる薄暮時間帯の10月〜
12月の死亡事故件数が多い。まさに冬の夕暮れは歩行者、ドライバーにとって要注意の時間帯だ(資料=警察庁調べ)

※「薄暮時間帯」とは、日の入り時刻の前後1時間をいう(日の入り時刻は、各日の各都道府県の都道府県庁所在地(北海道は各方面本部所在地を含む)の国立天文台天文情報センター暦計算室の計算による日の入り時刻による

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