神奈川と静岡をつなぐ「第3の東名」ともいえる伊豆湘南道路の検討が進行中!
渋滞緩和や道路環境改善に期待!伊豆湘南道路は、小田原と函南を結ぶ構想中の高規格道路だ。防災、観光、物流など多面的な機能を持ち、「第3の東名」として期待されている。開通すれば東名・新東名高速道路と一体となって広域道路ネットワークを形成し、代替機能も担う重要な道路となるだろう。
構想中の伊豆湘南道路は、伊豆や熱海、小田原周辺の渋滞緩和や、災害による交通障害の改善も見込まれる。現在、静岡・神奈川両県と国が協力し、実現に向けた検討が進められている。
小田原と函南をつなぐ伊豆湘南道路の計画
伊豆湘南道路は、神奈川県西部と静岡県伊豆を結ぶ、高規格道路の構想。東名・新東名高速道路の代替路として、広域道路ネットワークを形成し、国土軸を担う「第3の東名」ともいえる重要な道路となる。実現すれば、首都圏と中部圏間の広域的な連結を強化できる構想だ。
また、観光名所が多数ある小田原〜熱海〜三島間の往来がスムーズになり、小田原城や熱海海上花火大会、三嶋神社などの観光名所周辺に向かう際、渋滞による時間ロスの心配が軽減される。移動にかかる時間を有効活用できれば、より観光を楽しめるだろう。更には、大規模災害時に、救助活動や物資輸送等を支援する広域支援ルートとなることも期待できる。
脆弱な道路環境と慢性的な渋滞を解決する糸口に
現在、神奈川県と静岡県の県境道路には大きく以下2つの課題がある。
・脆弱な道路環境
・慢性的な渋滞
神奈川県西部地域と静岡県伊豆地域を行き来するには、箱根越えの国道1号と海岸線を走る国道135号を利用するのが主なルート。この2つの道路は、高低差やカーブが多いため交通事故が発生しやすい。また、台風による高波や津波のリスク、積雪による交通障害の発生も起こりやすく道路環境が脆弱だ。
周辺には自動車専用道路が少ないため、移動に時間がかかる。さらに、観光スポットが多く、行楽シーズンには多くのクルマが集中し、慢性的に渋滞が発生している。
伊豆湘南道路が建設されれば、移動時間の短縮だけでなく災害時には大切な命を守る生命線にもなるだろう。防災や観光、物流といったさまざまな分野で大きく貢献することが期待される。
伊豆湘南道路の実現
2024年11月現在、伊豆湘南道路の実現時期は未定だ。静岡県と神奈川県は2021年に「神奈川と静岡の県境をまたぐ道路(伊豆湘南道路)に関する委員会」を立ち上げ、専門家の意見を聞きながら実現に向けて検討を進めているという。
2024年5月からは国も参加し、より広域的な視点から議論されているようだ。また、地域では1998年に設立された「伊豆湘南道路建設促進期成同盟会」が中心となり、広報活動や国への要望活動などを行っているという。2月には小田原市でシンポジウムも開催され、地域住民への理解を深める活動も行われた。